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焦げ茶犬の『一人暮らしをしてみよう!』


誰にも気を使わず、気楽に一人暮らし・・・憧れますが、海外で一体どうやって物件を見つけたらいいの? どういう書類が必要なの?どうやって契約をすればいいの??そういった疑問をお持ちの方は少なくないと 思います。そこで、ここではそのノウハウと私の体験談をまとめてみました(2002年4月〜8月までの経験です)。



まず最初に

ペセタからユーロに以降少し前に、賃貸物件の数は今までに比べて恐ろしいほどに減りました。 マンションの建設ラッシュが起こり、売り物件の数は増え、そしてそれは順調に売れつづけ、 今まで賃貸だった物件を大家が売り物件に変えるケースも多くなってきました。また、賃貸物件数 が少なくなったに伴って、家賃が非常に上がってきています。 たまに、留学生や長期滞在希望の方で「マドリッドに着いてから探〜そっ、何とかなるでしょ」 という方を見ますが、それはちょっと甘いです
スペイン人ですら、賃貸物件を 見つけるとそれにわっと群がるこのご時世に、外国人がその競争に勝てる確率は決して高く ありません。それをよく認識してくださいね。


物件の種類等について

まず、一番最初に見るのは間取りでしょう。普通は以下のように分類されています。
@エストゥディオ: 日本で言うところのワンルームマンションです。ひとつのフロアーに、 台所、サロン、寝室があります。ドアによる仕切りはありません。バストイレは別になっています。
Aアパルタメント: 1寝室と1サロンがドアで仕切られて独立しています。サロンの一部に キッチンがある場合もあります。
Bピソ: 寝室は殆どの場合2つ以上あります。キッチンは1つですが、部屋数によってはサロンや バス・トイレが2つあったりもします。


物件情報はどうやって見つけるの?

@新聞、専門誌で捜す
エル・パイスなどの全国紙にもそういうコーナーはありますが、物件数が少なく、しかも 部屋数が多い、つまり家賃が高いものが多い気がします。ですから最もポピュラーなのは 「segunda mano(セグンダマノ)」という新聞でしょう。これは、賃貸物件のみならず、 売り物件、家具、車、家電、ペットに至るまであらゆる物の売買広告が出ています。月水金 に発売されます。賃貸は、金額別に別れて掲載されていますので、自分の予算にあった物件を 効率よく探せます。ただし、これはあまりにポピュラーな新聞の為、発売日には朝早く起きて、 キオスコで購入し、素早く電話をする必要があります。でないとあっという間に電話はお話中、 もしくは殺到する電話にキレた大家が、携帯の電源を切ったり、留守電に切り替えてしまうから です。筆者の経験では午前9時に電話をして、繋がった率は5割に満ちませんでした。夕方ようやく 繋がった時には「ya esta alquirado(もう貸しちゃったよ)」と言われるのが常です・・・。
ちなみに、このセグンダマノはHPもあり、ここでも物件をチェックが出来ます。全ての物件に 番号が着いているので、それをメモして有料ダイアルに電話し、番号を入力すると、大家の 電話番号を教えてくれます。
ところで筆者がアポを取った物件で最も印象に残ったのは、480ユーロで2部屋+サロン付き、 セントロの学生街の駅から徒歩5分ほどの物件。この物件の大家さんの留守電に1日で入った メッセージは200件、アポの時間にそのピソに行くと、20人程の列が出来ていました・・・(^^;
また、電話が繋がったらまず「あなたは大家か?」と確認しましょう。不動産屋の場合もあり、 その場合は、情報の一番前に・(黒丸)が付いています。それもさしたる問題ではありません。 悪質なのは、魅力的な値段の物件を載せておいて、電話をすると「その物件はもう借りられて しまった。でも他にもたくさんあるから訪ねて来てくれ」と、詳細を言わないケースです。 これは「賃貸情報センター(Centro informacion)」(後述)であるケースが多いので注意です。
A歩いて探す
一見効率悪そうですが、これは意外と皆がやっている事です。自分の住みたいエリアをひたすら歩いて、 窓や入り口に張ってある「Se alquira(貸し物件)」という看板を探すのです。大抵は電話番号が書いてあるので、 直接電話をかけます。これは大家の場合もあるし、不動産屋の場合もあります(不動産屋さんの 場合は、大抵は自社の名前が書いてあります)。もしも「Razon Portelia」と書いてあったら、 ポルテロ(入り口の番をする人、掃除やピソの備品が壊れた時に修理をしてくれる事もある)に 声をかけると、間取りや家賃を教えてくれ、部屋を見せてくれる事もあります。
この方法で一番悲しいのは、電話をしないと部屋数や家賃がわからない事です。 頼むから看板に何部屋あるか位書いておいてほしいと思うのは、筆者だけではない筈・・・。
B不動産屋経由で探す
地元の不動産に頼む方法です。最近は不動産屋さんの窓には売り物件のみで、賃貸が全く無い 事が殆どです。それでも臆せず店内に入り、「もしも物件が入ってきたら、連絡を下さいね」 とお願いし、自分の名前と電話番号を残しましょう。ただしこれで電話がかかってくる確率は 残念ながら低いので、自分からまめに「何か物件入ってきましたか?」と顔を出して、アピール する事がとても大切です。
尚、この方法は契約が成立した場合は、不動産屋に対して仲介料(通常は家賃の1ヶ月分)を 支払う必要があります。仲介料を支払うのがバカバカしいと思うか、@に比べて少しでも競争率を 少ない方法を選ぶか・・・これは個人差ですね。
Cインフォメーションセンターに登録する
こういった情報センターは最近とても増えてきました。大家でも不動産でもなく、 有料で登録をした人に対して、自分たちが持っている物件(もちろん自分の物ではなく、 大家がこういったセンターに自分の物件を登録する)を順次紹介していきます。 登録の有効期間は3ヶ月の所もあれば1年の所もあります。こういったセンターの不安な点は、 登録して自分の気に入った物件が見つかるまできちんと紹介してくれるという保証が無い という事です。もちろん相手はそれを約束してくれますが、文書として残る約束では ありません。登録をして見つけてもらった人も知っていますし、ろくに物件を紹介して もらえなかった、という話も聞いています。ある意味賭けでしょうか・・・。
D口コミ、知り合い経由
本当ならこれに越した事はありません。競争率は俄然低いし、信用貸しという事で、普通は 必ずと言っていい位求められる書類(後述)が必要なかったり、相場よりも低い家賃で貸して くれる事もあります。友達はもちろん、その友達までにもアンテナを張り巡らせて置くと、 ひょっとしたら、恩恵にあずかれるかもしれません・・・


物件を見に行こう

さて、アポを取り付けて物件を見に行きます。ここでは何に注意したらいいでしょうか? 思いつくままに挙げてみます。これを参考に、自分にとってプライオリティーの高い 条件は何かを考えてみてくださいね。
@道に面しているか、パティオに面しているか?: スペインの建物には多くの場合パティオ があります。パティオは1件のビルがロの字型になっている場合もありますし、数件のビルが 寄り集まって、ひとつのパティオを構成している場合もあります。このパティオに面している 場合はインテリオール(Interior)、その反対に道に面している場合はエクステリオール (Exterior)と言います。一般的には明るいエクステリオールの方が値段が高いと言われて います。しかし、巨大なパティオに面しているインテリオールは意外に明るいので、これは 好みとパティオの大きさで変わってきます。
エクステリオールの長所は自然光が入りやすいので明るい事と、開放感があることでしょう。 しかし、大通りに面している場合は車の音は覚悟しないとなりません。一方インテリオールは 光が入りにくいものの、夏は若干涼しいです。車の騒音に悩まされる事もあまりありません。 ただし、パティオがあまりに小さいと、他の世帯の物音に悩まされる事になります。
A何階にあるか?: これは防犯と騒音、気温、プライバシーに関わってきます。例えば低層階 だと夏は比較的涼しく冬は暖かいと言われています。一方最上階(Atico)なら上の世帯の騒音 に悩まされる事はありませんが、夏は非常に暑く冬は寒いと言われています。
B暖房(Calefaccion)はあるか?: 元々壁についているパネルヒータータイプの物には、 Central(スイッチのオンオフが集中管理されている。自分で好きな季節や時間に入れることが 出来ないが、費用は共益費に含まれている事が多い)と、Individual(自分の家に暖房のスイッチ やサーモスタットがあるので、好きな時に入れられる)の2種類があります。もちろん暖房設備の 無い家もありますので、その場合は自分で暖房器具を購入する必要があります。
C台所はガスか電気か? まず、ガスにはNatural (都市ガスだと思ってください)と、ブタン(Butano)があります。ナトゥラル の方は日本の家庭でおなじみでしょう。検針が来て、使った分請求が来るタイプです。一方ブタノは、正確にはブタンガスですが、日本で利用されているところの プロパンガスと考えて下さい。ただ日本の様に大きなボンベではなく、膝丈くらいのオレンジ色の 物です。スペインのピソのテラスに置かれた、オレンジ色のコロンとした物体を見たことはありませんか? これを、ガス台の下等に設置します。これの長所は値段が安い事でしょう。短所は重いこと。そして、 中のガスが無くなった場合は電話で注文し、その日は家に居なくてはならないことでしょうか。
電気の場合は火事やガス漏れの心配が無く、安全です。最近の物件は電気が増えています。安全なのは いいのですが、火力が弱いのが炒め物をする日本人にはちょっと辛いです・・・。
C家具付か?家具無しか? 家具付は「Amueblado」と言います。タンスやベッド、ソファ等があらかじめあるので、家具を購入する必要はありません。 食器や鍋、シーツなどが揃っている場合もあります。一方家具無しは「Vacio」と言います。全く何も無い場合もありますが、 キッチンの電化製品(洗濯機、冷蔵庫など)は揃っているという場合もあります。これは大家に必ず確認しましょう。 家具付のいいところは、入居してすぐに生活ができること、引越しが身軽にできる事でしょう。一方、 「気に入らない家具を見て生活するのは嫌。気に入った家具を少しづつ揃えていくのは楽しい。日本に 戻る時には、それらは売ればいいじゃない?」という意見もたくさん聞きました。どちらがいいかは もう価値観ですね・・・。


気に入った物件があったら?

まずは、大家や不動産屋等に、その旨を伝えます。なるべく即決した方がいいでしょう。この賃貸物件 不足の中、数日待ってくれるケースはあまり多くはありません。 決定した場合は大家によっては手付金(Sen~al)を置いておく事も有効です。
その後すぐに、要求された書類を揃えなくてはなりません。どんな書類が一般的かというと・・・
  • 給与明細(Nomina)
  • こちらで合法的に働いている方なら、すぐに出せる書類です。
  • 銀行の担保書類(Aval Bancario)
  • この日本語でわかるでしょうか?要は銀行預金の 一部をブロックして勝手に使えなくしました、という証明書です。金額は大家の言い値です。 家賃の半年分〜1年分が相場です。作り方は銀行に出向いて、金額と期間、大家の名前とDNI (これは特定の個人に対して作成する公的書類なので、使いまわしが出来ません)を告げます。 自分のパスポートもしくは居住許可証、銀行の通帳も必要です。銀行がこの書類を作成するのには、 5日程度を要します。また、銀行への手数料や、デポジット、更新毎の手数料もかかるので、あまり残高キツキツだと、 それらの手数料が出ないので注意してください。
  • 上記の書類が用意できなくても、例えば国費留学生などは、国の発行した奨学金の証明書などでも その代わりになる事があります。

  • 契約

    上記の書類が揃ったら、契約の日を決めます。私の場合は不動産経由だったので、不動産屋に出向き、 そこで大家と会いました。大家と直接契約の場合は大家の家や借りる家などが多いようです。 前もって作成された契約書を不動産屋が読み上げ、双方で合意が取れたら全ページにサインをします。 それが済んだら、その月の家賃や、不動産屋へのコミッションを支払い、 鍵を受け取って・・・・後はお引越しです。


    気に入った物件が見つかりますように!このコーナーが参考になれば幸いです。


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