スペインニュース・ドット・コムがお届するスペインのニュース

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2022年6月16日分のニュースより、動画配信による解説付き版をご覧頂けるようになりました。

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2022年6月25日(土)

スペインにおける新型コロナ最新事情

週に2回、中央政府によって発表される新型コロナ感染状況が昨日の金曜日に公表された。
感染状況は引き続き悪化傾向となっており、拡大する速度が速まりつつある。

今回発表の内容は今週の月曜日、火曜日、水曜日の3日分のまとめとなっているが、これによると、この3日間分として登録された新型コロナによる新規死亡者数は195名で、1日平均にすると65名となる。
これで、これまでにスペインで新型コロナによって亡くなった人の累計は107,799名にのぼる。
また、新型コロナにより病院に入院している人の数も前回発表時の7,793名から8,205名へと増えており、集中治療室の使用率も全国平均で4.38%へと増加した。
過去1週間に確認された新規陽性者の数は118,421名とされているが、PCR検査の対象となっているのが60歳以上の年齢層のみで、それ未満の年齢層については重症化しない限り検査が行われていないため、実際の新規陽性者数はこの数字の数倍に及ぶと思われる。
尚、感染状況が特に悪化している地域としては、マドリッド、ラ・リオハ、カナリアスなどが挙げられる。


2022年6月24日(金)

エクストレマドゥーラ州、7月19日に高速列車の運行開始

エクストレマドゥーラ州のプラセンシアからバダホスを結ぶ高速列車の運行が、来月19日から開始となる。
国鉄RENFEは、この新しい路線のチケット販売を本日より開始し、9月末までの間に、開通を記念した格安チケット3万枚を販売するとのこと。
この高速列車は、プラセンシアを出発したあとカセレス、メリダを停車駅としてバダホスに至るもので、一日に1往復の運行が予定されている。
在来線利用と比べると、マドリッドからバダホスまで移動する場合で51分の短縮、モンフラグエからバダホスへの移動の場合で44分の短縮、バダホスからカセレスへの移動では25分の短縮、カセレスからメリダへは20分の短縮となる。

現在、エクストレマドゥーラとマドリッドとを結ぶ鉄道サービスを改善する計画が進行中であり、今回のプラセンシアーバダホス間の高速列車運行開始はその第一段階となる。
第二段階として、すでにナバルモラル・デ・ラ・マタからプラセンシアまでの高速列車開通工事が進められており、これが完了すると、首都マドリッドとエクストレマドゥーラ州との連絡が大きく改善されることとなる。

スリ、置き引きに懲役刑

昨日の国会で、スリ、置き引きなどの犯罪を犯した場合に適用される刑法の改正が可決された。
これまでスペインでは、被害額が400ユーロ未満の場合、罰金が科せられるだけで懲役刑に至る事は無かったため、同種の犯罪が同一人物により何度も繰り返されると言う状況が続いていた。
しかし今回の決定により、400ユーロ未満の被害額である場合でも、過去に3回以上の摘発を受けたことがある場合は、6カ月から18カ月の懲役刑の対象になることとなった。


2022年6月23日(木)

チャマルティンとアトーチャを結ぶ高速列車用トンネル稼働

高速列車用に建設が進められていたマドリッドのチャマルティン駅とアトーチャ駅とを結ぶ新しいトンネルが、いよいよ来月の1日より開通する。
これまで二つの駅の間を結んでいたのは在来線用の線路だけであり、例えば高速列車を利用して他都市からマドリッドのアトーチャ駅に着いた後、市内北部にあるチャマルテイン駅へ移動するためには、高速列車を降りてから、広い駅構内を在来線乗り場まで移動して在来線列車に乗り換える必要があった。
チャマルティン駅から出発してアトーチャ発の高速列車を利用する場合も、同様に広い駅構内を移動する必要があった。
今回の新トンネルの開通により、マドリッド発着の高速列車の停車駅にこれら二つの駅が含まれることとなり、どちらの駅を利用する人にとっても在来線への乗り換えが不要となる。
ただし、新トンネル開通により来月頭からその恩恵を受けるのは、当面、高速列車ALVIAのみで、AVEについては諸々の準備が整うまでは見送りとなる模様。

また、このトンネル開通と同時に、もう一つの新トンネルを使った路線の運行も開始される。
もう一つのトンネルとは、チャマルティン駅とマドリッド南部にある街、トレホン・デ・ベラスコとを結ぶもので、これを利用することにより、スペインの北部地方と東部地方との間を高速列車で直接移動することが可能となる。
例えばアストゥリアスのオビエドやヒホンからマドリッドを経由してアリカンテ、バレンシア、カステジョンなどへ、また、カンタブリアのサンタンデールやトレラベガからバジャドリ、パレンシア、レオン、マドリッド、クエンカ、アルバセテなどを経由してアリカンテへと乗り換え無しで移動可能となる。

マドリッド、NATO首脳会議に向け特別警戒態勢

今月29日、30日に首都マドリッドで開催が予定されているNATO首脳会議に向け、マドリッド市内ではすでに段階的な特別警戒態勢が始まっている。
今回の会議ではNATO加盟国30カ国に加え、EU代表、そして招待国としてアジア太平洋地域から4カ国が、NATOに加盟していないEU加盟国から4カ国などの参加が予定されている。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領のビデオ通信による参加も予定されている。

今回はウクライナ危機が続く中での開催であることもあって、世界の注目を集めているが、その開催中の安全を保障するため、スペイン政府内務省は国家警察官6,550名、治安警察官2,400名を含む9,000人以上による警備を予定している。
更にマドリッド州行政やマドリッド市行政による警備として、1,200名の市警察を含む2,000人による警備体制が布かれるとのこと。
特別警戒態勢の対象となるのは、首脳会議の会場となるマドリッドのIFEMAの周辺だけでなく、関係者等が利用するホテルがあるマドリッド市内中心部全体も含まれており、市内各地で一般車両の通行止めなどの措置が取られるが、内務省はその詳細については公表を控えており、市民に対し、会議開催中の乗用車の利用を避け、通勤をせずに可能な限り在宅勤務を行なうなどの協力を求めている。


2022年6月22日(水)

新型コロナ事情悪化

毎週火曜日と金曜日の2度に分けて中央政府が行う新型コロナ感染状況の発表が昨日あったが、これによると、感染状況は着実に悪化してきている。
去る金曜日に行なわれた前回の発表の時点で、すでに感染状況の悪化傾向が2週間続いていたが、今回はその傾向が顕著にあらわれた。

昨日、火曜日の発表は先週の金曜日から今週の月曜日までの4日間分のまとめとしての報告となっているが、これによると、新型コロナによる新規死亡者数は122名で、過去1週間での死亡者数は365人、一日平均52名以上を維持している。
また、今回登録された新規感染者数は50,235名で、その内23,706名が60歳以上であった。
現在スペインでは、60歳未満の年齢層については、重症化しない限りPCR検査の対象とならないため、先述の50,235名から23,706名を差し引いた数字が、60歳未満で重症化した件数の目安として解釈することが出来る。
新型コロナによる一般病棟入院者数の合計は、前回発表された6,788名から7,793名に、そして同じく新型コロナによる集中治療室の利用者数は342名から361名へと増加している。

ライム病による入院、191%増

ダニ媒介性感染症として知られるライム病による入院者数が増加しており、2005年から2019年にかけて、これによる入院者数の数が191%の増加を見せている。
正確には、この間のスペイン国内での入院者総数は1,865名と記録されている。
ライム病はスペインだけでなくヨーロッパ全域で見られ、年間平均にすると全ヨーロッパで約200,000件の報告がなされている。

ヨーロッパに生息するダニの5〜40%がライム病を引き起こすバクテリアに感染しているとされており、これに人間が感染すると、皮膚、神経系の症状、不整脈、関節や筋肉炎、眼症状など多様な症状が見られるが、心臓疾患の原因となることもある。
この心臓疾患により、1985年から2019年の間にスペインで11名の死亡が確認されている。


2022年6月21日(火)

知事の年収

2008年頃から始まった経済危機の中で苦しむ国民が多かった中、政治家の給料における減給はほとんど無く、逆に昇給が多く見られたことにより、この10数年、政治家の給料についての国民の関心が高まっている。
スペインは17の自治州、そして北アフリカにセウタとメリージャと言う二つの自治都市を有しており、それぞれに知事を中心とした自治政府が存在する。

その知事が受け取る年収を比較した場合、全国で最も高給取りとなっているのがカタルーニャのペレ・アラゴネス州知事で、今年度の年収は132.855,82ユーロと設定されており、順位付けで最下位となっているバレアレスのフランシナ・アルメンゴル州知事の年収69.084,68ユーロと比べると、ほとんど2倍に近い金額となっている。
カタルーニャ州知事に次いで2番目の高所得者となっているのがバスクのイニーゴ・ウルクジュ州知事で年収106.778,14ユーロ、その後にマドリッドのイサベル・アジューソ州知事(103.090,32ユーロ)、セウタのフアン・ヘスス・ビバス・ララ知事(96.023,73ユーロ)、メリージャのエドゥアルド・デ・カストロ・ゴンサレス知事(91.913,79ユーロ)、そしてこのあと、アラゴン、ラ・リオハ、ガリシア、バレンシア、カスティージャ・ラ・マンチャ、エクストレマドゥーラ、カナリアス、カンタブリア、ムルシア、ナバーラ、カスティージャ・イ・レオン、アストゥリアス、アンダルシア、そしてバレアレスと続く。

尚、中央政府のペドロ・サンチェス首相の年収はこれら知事のものと比べて多いと言うわけでは無く、84.845ユーロ、月収にして7.070ユーロ程度となっており、仮に知事の年収順位付けに組み込んだ場合、9番目の位置付けとなる。

サグラダ・ファミリアの元主任建築家ジョルディ・ボネ氏、死去

1985年から2012年までの間、バルセロナのサグラダ・ファミリア教会建築工事の責任者を務めたジョルディ・ボネ氏が、本日早朝、97歳で亡くなった。

同氏はサグラダ・ファミリア建築現場を退いたあとも名誉主任として世界各国でガウディ建築についての講演を行なうなど、ガウディ文化の普及とその理解を広めるのに貢献を続けて来た。
ガウディを師として仰いだ同氏が手がけた作品としては、バルセロナのサン・メディル教会、バダロナにある聖母モンセラ教会、モンセラのサン・ベニート修道院などがある。
また、バルセロナのカタルーニャ音楽堂や、同じくバルセロナの司教館の礼拝堂など、彼の手による修復を受けた建物も多い。


2022年6月20日(月)

アンダルシア州選挙、PPの記録的な圧勝

昨日行われたアンダルシア州選挙は、過去に例を見ない、まさに記録的なPPの圧勝に終わった。
選挙前には、様々な世論・市場調査会社がアンケートの実施による選挙の結果予測を行なっており、選挙が近づくにつれ、PPの優位が顕著になっていた。
そして昨夜、開票が終わってみると、これらの結果予測を更に上回るPPの勝利と、同じく記録的とも言えるPSOEの大敗が報じられることとなった。

アンダルシア州は、過去40年近くに渡って左翼政党PSOEの勢力圏となっていた地方だが、前回、2018年に行われた選挙でその勢いに明らかな衰えが見え始め、議席数では第一党の座をなんとか維持したものの、右翼政党PPとCiudadanosの連立政権による、アンダルシア初の右翼政権誕生を許すこととなった。
そして今回の選挙では、ペドロ・サンチェス首相率いる中央政府への支持率の低下に加え、パブロ・カサード氏からアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏へとPPの指導者が交代したことによるPPの支持率上昇傾向があったことから、PSOEが約40年間維持し続けて来たアンダルシア州内第1党の地位に終止符が打たれる可能性が高いと見られていた。
結果、前回の選挙で全議席数109の内、33議席を獲得してかろうじて第一党となったPSOEは、今回の選挙で30議席と、党内過去最低記録を更新することとなり、前回26議席で第2位となっていたPPが今回、58議席を獲得して首位に立つばかりでなく、完全に過半数を超え単独政権を樹立出来る環境を手に入れることとなった。

また、その他の政党の動きを見ると、前回、議席数21で第3位にあった右翼政党Ciudadanosは今回、その姿を消し、議席数12で第5位につけていた極右翼政党VOXは、今回の左翼崩壊の中でも僅か2議席を増やすにとどまった。 また前回17議席で4位にいた左翼連合政党は、二つに分断した結果、今回はその2党を足しても7議席止まりで、中道右のPPと極右であるVOXの合計議席数が72、そしてPSOEを筆頭とする全左翼政党の合計議席数が37となり、これまで左翼の拠点となっていたアンダルシア州は事実上、圧倒的な右翼の勢力圏に転じることとなった。
アンダルシアにおけるPSOEの大敗は、次に控えているバレンシア州選挙にも大きな影響を与える可能性がある。

山火事多発: 燃えるスペイン

6月前半に到来した記録的な熱波による高気温と乾燥は、山火事被害の拡大を促す事となった。
カタルーニャ、アラゴン、ナバーラ、カスティージャ・イ・レオン、アンダルシア他、スペインの7州で山火事被害が広がっており、住民の避難や大規模な消火活動が続けられている。

カスティージャ・ラ・マンチャ州、サモラ県のクレブラ山脈では、すでに25.000ヘクタールが焼けており、過去最大級の災害となりつつある。
25.000ヘクタールと言えば、ラ・パルマ島の火山噴火の際、溶岩流によって焼かれた面積の20倍にも及ぶ。
カタルーニャでも複数の山火事が発生したが、その多くは消火に成功し、現時点で燃え続けているのは先週水曜日に始まったアレテサ付近のものだけで、ここでもすでに2.700ヘクタールが焼失している。
アラゴンでも複数個所で消火作業が続いているが、中でも6か所における火事が強い警戒を必要としており、ノナスペ周辺の山火事被害は、すでに2.000ヘクタールに及んでいる。


2022年6月18日(土)

スペインの新型コロナ事情

政府による新型コロナの感染状況の発表は、今年3月半ば頃より毎日の発表から週に2回の発表に変更となっており、毎週火曜日に金、土、日、月曜の計4日分のまとめが、そして金曜日に火、水、木曜の計3日分のまとめとして報告されている。
昨日の金曜日にもその定期的な発表があったが、それによると今週の火、水、木曜の計3日間で新型コロナウィルスにより亡くなった人の数は243名とのこと。
その前の発表(金、土、日、月曜分)が131名となっていたことから、これらを足すと過去1週間における死亡者数合計として374名が算出され、この1週間では、1日平均53.4名が亡くなり続けたことになる。
またCovid19による入院患者数は、前回の発表時に6.763名だったのが昨日の発表では6.788名と増えており、この2週間ばかり、感染確認数と共に増加傾向が続いている。

陽性確認数については、感染の疑いが持たれた場合でもPCR検査の対象となっているのは60歳以上のみで、それ以外の年令層については重症化しない限りは原則的に検査対象外となっているため、現在、スペインでどの程度の感染者が出ているのかについては、全く把握出来ない状況となっている。
検査をすればするほど陽性確認数は増えるわけで、それが政府が望んでいる「新型コロナ=インフルエンザと同等の扱い」と言った感覚を社会に浸透させるのに不都合が生じるのは言うまでもない。
また、検査を無限に繰り返す事により生じる国家財政への更なる負担を軽減させる必要があり、今後も政府による新型コロナの「国民の意識からの抹消」政策は続くと思われるが、毎日53名以上がこれで亡くなり続けていると言うのが現実となっている。

スペインの水道水

スペインの水道水は全国のほぼ全地方(99.5%)で飲用としての基準を満たしているが、その水質には地方によって大きな差異が存在している。
首都マドリッド市があるマドリッド自治州では、カナル・イサベル・セグンダと呼ばれる水道局が管理しており、一般的にスペイン国内でも高水準の水質を誇っていると考えられている。
しかし、首都の水質がスペイン国内で最良と言う訳ではない。
水質を比較する場合、バクテリアなどの微生物、カルシウム、マグネシウム、塩素など、どう言ったものがどれだけ含まれているかによって判断するため、水源がどこであったかが、まず差異が生じる大きな要因となる。
2019年度に公表された飲用水質報告書によると、スペインで飲用として使用された水は、その80.9%が地下水源より得たもので、13.7%が地表水から、また直接雨水を利用したものは全体の僅か0.1%、そして出どころを確認出来ていない分が5.3%となっている。

消費者協会OCUによると、各地方の水質を比較する為には、水に含まれるミネラルや水道管から派生し得る金属(鉄や亜鉛など)、塩素反応の結果生じるトリハロメタン、農薬などの含有量、様々な粒子の存在による濁度、病原体となり得る微生物の存在に加えて、水道料金についても考慮する必要があるとしており、これらを使った総合比較を行なった場合、スペイン国内で最も評価が高いのはブルゴスとのこと。
ブルゴスの水道水には水質に悪影響を与えるミネラルが少なく、石灰分も含まない。
また汚染も無く、水道料金も安い。
ブルゴスに次いでサン・セバスティアンの評価が高く、それ以外にはラス・パルマス、ポンテベドラ、バダホス、マドリッド、タラゴナ、パレンシア、コルドバ、グアダラハラ、オレンセ、ハエン、マラガ、ア・コルーニャ、アビラ、クエンカ、ムルシアなどが高い水質を持つ地方として挙げられている。
続いて、先述の地方と比較するとその評価は落ちるものの、「良い水質」としての評価を得ているのがオビエド、グラナダ、ビルバオ、レオン、ジロナ、ソリア、アルバセテ、サンタンデール、テネリフェ、ウエスカ、サラゴサ、ルゴ、レリダ、パンプロナ、セゴビア、ビトリア、アルメリア、サラマンカ、トレド、サモーラ、セビージャ、バレンシア、バジャドリ、カディス、カステジョン、アリカンテ、カセレス、テルエルなど。
そしてその次の格付けとして「飲用使用可能」との評価を得ているのがバルセロナ、ウエルバ、ログローニョ、サラゴサの一部で、評価が低かった主な原因は好気性微生物の含有量の多さだった。
更にバルセロナの水道水については、塩素、塩、石灰などの含有量の多さから、その味への影響は避けられない。
最後にパルマ・デ・マジョルカ、シウダ・レアル、パレンシアの一部については、その水質に幾つかの問題が指摘されている。
シウダ・レアルでは、2019年も2020年も塩素反応の結果生じるトリハロメタンの含有量が許容量の限界にまで達していた。
パルマ・デ・マジョルカでは、衛生面での評価が低かったことと、ミネラルが多すぎる極度な硬水で、味にも問題有りとの評価となっていた。


2022年6月17日(金)

燃料費高騰、天井知らず

スペインにおけるガソリン、ディーゼルの価格高騰は留まるところを知らず、過去最高値を更新し続けている。
急激な値上がりに対応出来ない運送業界に対し、政府は去る4月に1リットルにつき20センティモの経済支援策を決定したが、その後も続く値上がりにより、同支援による効果は事実上無くなった。
この1週間でガソリン価格は3.36%の値上がりとなり、1リットルあたりの値段が全国平均2.117ユーロに、そしてディーゼルは4.54%の値上がりで2.003ユーロとなった。
ディーゼル料金が2ユーロを超えたのは、これまでで初めてのこと。
これら燃料費の高騰がどれ程深刻なものであるかは、1年前の価格と比較すれば判るが、この1年間での値上がり率はガソリンの場合で55%、ディーゼルに至っては64%の値上がりとなっており、政府による経済支援を計算に入れても、運送業界ではこれだけの経費急増を消化することは困難な状態となっている。

そう言った中、この夏に運送業界による再びのストライキが予定されている。
同業界によるストは今年3月から4月にかけて20日間続いたが、その際、スーパーなどの仕入れにも大きな支障が見られ、牛乳や小麦粉関連食品など、生活必需品の供給に大きな影響を与えた。
これを終わらせるために政府は燃料1リットル当たり20センティモの経済支援を開始したが、その効果が無くなった今、スト再開とそれによる物資供給危機は現実味を帯び始めている。
これを避けるべく、昨日、政府と運送業界組合との間での協議が行われたが、現時点では何ら同意に至っておらず、今年7月に再びストライキが行われる予定となっている。

スペイン国土の75%が砂漠化

本日、6月17日は国連により制定された「世界砂漠化及び干ばつ防止の日」であり、今年はスペインがその関連行事の開催国となっている。
スペインはヨーロッパの中でも地球環境破壊の影響を最も強く受けている国とされており、特にその干ばつと砂漠化が急速に進みつつある。
本土では特にアンダルシア地方、そしてカナリアス諸島やバレアレス諸島などを中心に、スペイン国土の75%が砂漠化の危機にある地域としての指定を受けている。
世界自然保護基金WWFからは、この状況はスペインの対応の悪さに起因する面も大きいとの指摘も出ており、実際、スペインにおける水消費量の80%以上が 農産業などに優先して充てられ、環境保護は二の次となっている。
その結果、アンダルシアなどでは今年の春、記録的な降雨量があったにも関わらず、貯水率は35%と深刻な状況に陥っている。
政府は対策を講じているとしているが、WWFは、その内容については具体性に欠けるとしており、予算についても少なすぎることを指摘している。


2022年6月16日(木)

スペインの出生数、更に低下

国家統計局の本日の発表によると、スペインにおける2021年度の出生数は336.811名で、2020年度と比較して1.3%の減少となり、1941年に統計が取られ始めて以来の過去最低記録となった。
スペインでは、この10年間で2014年を除いて減少傾向が続いており、10年前と比べると28.6%の減少となっている。
2021年の場合、特に出生数の減少が目立ったのは最初の2か月間、つまり1月と2月で、これは新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言発令が直接的原因になったと考えられる。
スペインでは2020年の3月に最初の緊急事態宣言が行われ、これによって事実上ほとんどの国民が自宅から外出出来なくなっていた。
2021年度における女性一人当たりの子供の数は1.19人で、スペイン人女性だけで見た場合、この数字は1.16名となり、外国籍女性の場合では1.38名となる。
尚、2021年にスペインで生まれた336.811名の子供の内、21.4%にあたる71.914名はその母親が外国人だった。
出産時の平均年齢については年々高齢化しており、1985年には28.5歳であったのに対し、2021年には32.6歳となり、10人に一人が40歳以上だった。

新型コロナ危機が始まって以来、出生数の減少と反比例する形で増加しているのが死亡者数だが、2021年には450.687名に達しており、過去2番目に多い記録となった。
過去最多となったのは新型コロナに対するワクチンがまだ普及していなかった2020年で、2021年よりも更に43.000人多い死亡者数が記録されており、スペインでは出生数を死亡者数が大きく上回る状況が続いている。
尚、スペインは世界でも長寿国の一つとして知られているが、新型コロナによる影響で同国における平均寿命が落ち込んだ。
しかし、2020年から2021年にかけて0.73歳持ち直したことにより83.06歳となった。
男女別に見た場合、女性は0.77歳持ち直して85.83歳、男性は0.65歳持ち直して80.24歳となった。


2022年6月15日(水)

アルジェリア、スペインの外務大臣を放火魔、能無し呼ばわり

今年3月、ペドロ・サンチェス首相が「スペインはモロッコによる西サハラの領有権を認める」と言う、自党内の一部を含む全政党の意に反する外交を行なったことにより、アルジェリアがスペインとの友好国協定の破棄を発表し、スペインとの交易が途絶える危機に直面することとなった。
ヨーロッパ諸国にとってアルジェリアは、「ロシア発のエネルギー危機」の影響を緩和するために不可欠なエネルギー供給源の一つであり、アルジェリアで生産されるガスは海底ガス輸送管を通ってスペインへ送られている。

今回のサンチェス首相が招いたアルジェリアとの外交危機の解決を求めて、先日、スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外務大臣がEU政府のあるブリュッセルへと向かった。
EUとアルジェリアとの間で結ばれている条約があり、EU加盟国であるスペインとの交易を遮断することは条約違反であるとしてEUの介入を請うのが目的だった。
スペインからの要請を受けたEUはアルジェリア政府に対し、スペインとの交易の正常化を求めたが、これに対しアルジェリアは一旦、主張を撤回する姿勢を見せたものの、その後間もなく、今回の件はアルジェリアとスペインの2国間における政治的な問題に由来するものであり、EUとの経済的な協定の範疇にあるものでは無いとして、EUの反応を批判すると共に、スペインへの怒りを露わにした。
そして昨日、アルジェリアは、政府広報課を通じてEU政府へ「告げ口」に行ったスペインの外務大臣について、「どこぞのなにがし」や「鎮火させるどころか更に状況を悪化させる放火魔」と言った表現を使って愚弄。
更には、大臣がブリュッセルからスペインへ戻った後の会見で、「今回のアルジェリアとの外交危機の裏ではロシアが糸を引いている」と言った解釈が可能な発言まで行い、政府の失策について、EUの力添えが得られない場合にはロシアの名を出す事により、米国を含むNATOによる救援すら請おうと言った愚かな姿勢が見られる」との痛烈な批判を行なった。

スペインとアルジェリアとの外交危機は長引く様相を呈しているが、そう言った中でもイスラム系対テロ体制については、今もその協力体制は正常に機能しているとのこと。
また、これについてはモロッコ政府とも同じで、西サハラのモロッコ領有を認める前、同国との関係が悪化していた時も、対テロの協力体制に悪影響が及ぶことは無かった模様。


2022年6月14日(火)

穀物の収穫20%減

今年の秋と冬に予定されているスペインの穀物収穫量は1.550万トン程度と予測されていたが、最近の見直しにより1.470万トン程度にとどまるとの予測に変った。
予測どおりの結果となった場合、昨年度より20%少なく、また2020年度と比較すると34.5%少ない収穫量となり、ウクライナ危機が続く中、スペインの輸入への依存度が更に高まることとなる。
また、現時点での予測収穫量1.470万トンにしても、真夏となる前に始まった異例の暑さの影響で、今後、更に減少方向への見直しがあることが予想される。
尚、現時点でのこの秋・冬の収獲予定内訳は、軟質小麦500万トン、大麦720万トン、硬質小麦57万7千トン、燕麦などのカラスムギ類90万トン、ライムギ28万3千トン、ライ小麦62万7千トンなどとなっている。

ライアンエアー、客室乗務員組合によるストライキ

夏のバカンスシーズンを目前にした今、スペインで運行している格安航空会社の一つ、ライアンエアーの客室乗務員等によるストライキについての発表が行われた。
これによると、ストは今月の24日、25日、26日、30日、そして7月1日、2日の計6日間に渡って行なわれる予定となっている。
客室乗務員等の給料や労働時間、休暇など、労働条件全般の改善を求めるための交渉が開始されてすでに8カ月が経っており、これの早期解決を求めるためのストと見られる。


2022年6月13日(月)

アンダルシア州選挙予想、PPが更に優位に

選挙が1週間後に迫った今、アンダルシア州民の投票意図は更にPPに傾きつつある。
世論・市場調査会社NC Reportが行なった調査によると、1週間前に行われた調査時に比べ、PPへの支持率が更に高まっている。
1週間前の結果ではPPが獲得する予測議席数は45〜47議席だったが、今回の結果では48〜50議席に達しており、過半数となる55議席に迫りつつある。
この予測によると、左翼政党による議席数はPSOE、Por Andalucia、AAの3党を足してもPPの獲得数に及ばない可能性が高く、そうなった場合、PPは極右翼政党VOXとの連立を避け、単独政権樹立へ突き進むこととなる。
アンダルシア州はPSOEにとってその拠点とも言える州であり、ここでのPPに対する完全な敗北は、アンダルシア州行政だけでなく、全国行政におけるPSOEの深刻な衰退を意味することとなる。
PSOEは、対Covid19政策や対ウクライナ問題政策における低評価、そして西サハラを巡るモロッコ・アルジェリア問題など、昨今のペドロ・サンチェス首相による独断的な行動に対する自党を含めた全政党からの批判などもあり、国民による支持率が急速に落ちつつある。

AVE マドリッドーレバンテ線の発着駅、アトーチャからチャマルティンへ変更

マドリッドとレバンテ方面(バレンシア、アリカンテ、アルバセテ、クエンカ、ムルシア)を結ぶ高速列車AVEのマドリッドにおける発着駅が、今年の夏より変更となる。
マドリッド市内にある主要駅アトーチャとチャマルティンとをつなぐ高速列車用のトンネル工事が終わったことにより、これまではアトーチャ駅発着となっていたこれらの列車は、夏以降、チャマルティン駅発着となる。
しかしながら、マドリッド市内中心部にあるアトーチャ駅から、中心部から少し離れたチャマルティン駅への変更に対し、バレンシア州行政より強い抗議を受けたRENFEは、1日に8便だけチャマルティン駅への到着前にアトーチャ駅での停車を含めることを決定した。
高速列車はRENFE運行によるAVEだけでなく、低料金サービスを掲げたOuigo、Iryo、Avlo などもあるが、アトーチャ駅での停車が含まれる1日8便のサービスについては、全てRENFEのAVEとなる模様。


2022年6月10日(金)

対アルジェリア国交危機: ペドロ・サンチェス首相、失策続く

EU諸国の中にはロシアから輸入するガスへの依存度が高い国が多くあるが、スペインはアルジェリアからのガス供給のおかげでウクライナ危機に伴うロシア発のエネルギー危機の影響は最小限に抑えられていた。
ところがモロッコによる西サハラの領有権を認めると言う、ペドロ・サンチェス首相の一存とも言える、突然の、そしてスペイン国民の多くが耳を疑うような決定がなされたことにより、西サハラを巡ってモロッコと対立しているアルジェリアとスペインとの友好関係に深刻な亀裂が生じるに至った。
今年3月、サンチェス首相による西サハラのモロッコによる領有承認のニュースが流れた直後、アルジェリアはマドリッドからその大使を帰国させ、長年続いてきたスペインとの良好な関係に大きな弊害が生じることを警告した。
アルジェリアとスペインとは20年前から友好国としての協定を結んでおり、両国間の通商においても特別な優遇措置がとられていた。
またアルジェリアからのガス供給についても、友好国スペインに対しては、特別料金での供給が行われていた。
そう言った中で閣僚会議すら通さずに突然行なわれた首相によるモロッコよりの政策転換に対し、全ての野党は勿論、サンチェス首相が所属するPSOEと連立政権を組むPODEMOSや、更にはPSOE内部からも首相の行動に対する痛烈な批判の声が挙がった。
その後、国会での首相による政策転換についての説明に納得する政党は無く、引き続きPSOE、特に首相が孤立化した状態が続いている。

ロシアによるウクライナ侵攻が続いている今、アルジェリからヨーロッパへ供給されるガスの重要性は誰もが認識していることで、これに弊害が出ることはスペインの全政党だけでなく、全てのEU諸国が危惧するところだが、そう言った中、サンチェス首相が招いたアルジェリアとの国交危機によるガス輸入への弊害の可能性について野党が説明を要求しても、政府は「アルジェリは良識と責任ある国であり、その心配は無い」として野党からの責任追及を跳ねつけ続けて来た。
そして今週水曜日、アルジェリア政府は「スペインは友好国では無い」との公式発表を行ない、これと同時にアルジェリアの金融機関協会がスペインからの、またスペインへの金融取引の閉鎖を発表した。
これによりすでに始まっていたスペインとの通商拒絶が本格化し、事実上、スペインとアルジェリアとの間での一般貿易が絶たれることとなる。
またガス供給についても、これまでの友好国用料金の適用が失効となり、今後、これまでの料金の2倍の価格にもなり得るとの噂も聞かれる。
アルジェリアからのガス供給そのものは2032年までの契約があるため、現時点で滞る可能性は少ないと思われるが、値上げは可能となっている。
今回のアルジェリアとの国交危機は、EU全体へのガス供給にも悪影響を及ぼすこともあり、サンチェス政権はアルジェリアとの外交にEUの介入を依頼した模様。


2022年6月9日(木)

不在着信詐欺の増加

最近、電話を使った不在着信詐欺の被害が増加していることから、治安警備隊より注意喚起が行われている。
携帯電話の呼び出し音が鳴って相手の番号を見ると見覚えのない番号が表示されているため、電話を取らないでいるとすぐに呼び出しは終わり、不在着信記録だけが残る。
誰からの電話だったのかが気になってあとからその番号へ電話をかけると、法外な通話料が請求されると言う使い古された手口ではあるが、この被害が増加しているとのこと。
治安警備隊によると、これらの電話は国外から発信されており、表示される電話番号は355、225、233、234から始まるものが多いとのこと。
これらの番号はそれぞれアルバニア、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリアのもので、不在着信記録にこれらの番号から始まるものがあっても、その番号へ電話しないよう注意を呼び掛けている。

異例の早さの熱波到来

スペインでは全国的に気温が上がりつつあるが、明日から週末にかけて記録的な熱波となる可能性が高いとして、気象局は警告を発している。
本土のほとんどの地域、バレアレス諸島で35〜38度となり、グアダルキビール流域やグアディアナ流域、タホ流域、エブロ流域などでは40度、そして局所的には42度以上に達するところもあるとのこと。
気象局では、明日からの急激な気温上昇が熱波によるものだとすれば、これまでで「最も早い時期に到来する熱波」になるとのこと。
熱波として記録されるには、一時的な気温上昇だけではなく、一定の気象現象が一定期間持続するなどの条件を満たす必要があるため、現時点では明日からの気温の急上昇が熱波として記録されるかどうかは判らないが、仮にそうなった場合、1981年の6月11日に始まった熱波よりも1日早い開始となり、これまでの公式記録を更新することとなる。

明日の日中の予想気温としては、バダホス、コルドバ、セビージャなどで40度、カセレス、ハエン、シウダ・レアル、グラナダ、マドリッド、トレド、サラゴサなどでも36〜39度に達する見込み。
また夜間もタホ、グアディアナ、グアダルキビールなどの河川流域やマドリッド市などの都会では、22度以下には下がらない予想となっている。


2022年6月8日(水)

食料の無駄遣いにブレーキ

近代では多くの国々で食糧が粗末に扱われ大量に廃棄されているが、スペインもその例にもれず、年間にして国民一人当たり31キロの食糧が無駄になっている。
この状況を改善するため、政府は食品廃棄防止計画に乗り出した。
無駄に廃棄される食べ物の量を最小限に抑えるための様々な規定をまとめたもので、今後、その詳細について更に煮詰めた上で来年1月からの施行を目指している。

主だった内容の一つとして、飲食店に対する「(注文して)余った食べ物の持ち帰り用リサイクル可能容器の常備と、持ち帰りサービスの無料提供」の義務化がある。
また、食料品店に対しても「賞味期限が迫った商品、外見上綺麗に見えないもの」など、そのままでは売れ残ってしまい廃棄に至る可能性が高い商品についての大幅値下げなどによる販売促進義務をはじめ、特に大手チェーン店については、製造過程から店頭販売に至るまで、全ての工程における無駄な廃棄を避けるための計画書の作成とその提出、そしてそれに基づいた制度構築が義務付けられることとなる。
様々な対策を講じた上で売れ残ったものの扱いについては、食用としてまだ使用出来るものについては非営利の社会福祉団体などへの寄付が義務付けられ、寄付を受けた団体に対してはこれら食糧の転売の禁止と、必要とする人々への一切の差別を伴わない供給が義務付けられる。
また、食用として使用不可となったものについては、飼料、または飼料の原料としての用途に使用され、それも不可能な場合は廃棄物として他産業での利用、堆肥やバイオ燃料の原料に充てられることとなる。

尚、これら新規制に違反した場合は罰金が課せられ、例えば食料品店が売れ残った商品を寄付しなかった場合で2000ユーロの罰金、チェーン店を展開する企業が製造過程から店頭販売までの無駄廃棄防止総合計画の認可を得ていなかった場合は6万ユーロの罰金、そして同じ企業が2年間に2度以上の重大な違法行為を行なった場合には50万ユーロの罰金が設定されている。


2022年6月7日(火)

スペインの空港、入国審査で大混雑

航空協会のハビエル・ガンダラ会長は、Covid19危機により空港利用者が激減した際、空港で働く人員の大幅な削減が行なわれたが、利用者数が戻りつつある今、その増加に対応しきれない状態が続いていると指摘している。
同氏によると、様々な新型コロナ関連規制解除により空港利用者数が急増しているにも関わらず、入国審査を行なうスタッフの人数は増強されておらず、そのために大きな混乱が生じ、今年3月にはマドリッドのバラハス空港だけで乗り換えに間に合わず乗り過ごした人の数が15.000人に達しているとのこと。
最も混雑するのはイギリスからのフライトが到着した時で、イギリスがEUから離脱したことにより、イギリス人旅行者はEU諸国民が利用する自動入国審査機を利用することが出来ないことが直接的原因となっている。
スペインを訪れる外人観光客の中でも最も多いのがイギリス人だが、その彼等が第3国からの旅行者同様に入国管理官による手動審査を受けなければならず、これにより入国審査を受けるのに長蛇の列が頻繁に生じている模様。
同様の問題がマラガ、アリカンテ、パルマ・デ・マジョルカ、テネリフェ・スールなどの空港でも起こっている。
夏のバカンスシーズンを前に、航空協会は同問題の早期解決を政府に要求しているが、政府は必要な措置はすでに取られており、これ以上の対応は必要ないと主張。
隣国ポルトガルでも同様の問題が起きているが、バカンス時期到来に合わせ、期間限定でイギリス人観光客についても自動入国審査機の利用を許可すると言った対策を講じている。

主治医による初期診察予約は平均11日後

スペインの公的医療制度では、通常、医師による診察を希望する場合、居住地区にある最寄りの診療所での予約を取り、そこで登録してある主治医による初期診察を受けることになる。
そして専門医による更なる診察や検査などの必要がある場合は、主治医を通じて必要な予約申請が行われる。
ところがCovid19危機が始まってから、この主治医による初期診察制度にも大きな変化が生じた。
Covid19感染を避けるために、診療所内に多数の患者が集結するのを防ぐ目的で1日の診察数を減らすと共に、実際に患者が来院しての診察では無く、電話を通じての口頭による診察制度が新たに設置されたが、ワクチンの普及に伴いCovid19危機が(政府の主張によると)ほぼ終ったとされる今でも、この電話診察制度が維持されており、その結果として来院しての診察を受ける機会が極端に減少したままの状況が続いている。

115団体によって構成されている市民団体「初期診察制度を救おう」によると、Covid19危機による様々な障害が無くなった今でも初期診察制度は正常に機能しておらず、予約依頼を行なってから初診を受けられる日までの平均待ち時間が11日に達しており、これはCovid19危機が始まる前の年、2019年時の平均待ち時間の2倍に達しているとのこと。
一方で電話による口頭診察の件数が激増しているが、これを利用をした人の中の64.2%が、実際に医師と会って話すのと比較して症状の詳細などについての説明が困難であるとしている。
また45%が医師の説明の理解についても難易度が増すとしており、48%が「利用しづらい」としている。
Covid19危機によって導入された電話診察制度がこのまま残留するだけでなく、これの比率を高めることによって診療所における医師をはじめとした職員の数を減らすことは、そのまま行政の経費削減につながるため、これにより国民の「基本医療サービスを受ける権利」がないがしろにされることに危機感を募らせる専門家も多い。


2022年6月6日(月)

アンダルシア州選挙、PSOEが大きく後退か

PSOEは、中央行政に限らずスペイン全国でその支持率が落ちつつあるが、その後退により、間もなく6月19日に予定されているアンダルシア州選挙においても大きな影響が出ることが予測される。
2018年12月2日に行われたアンダルシア州選挙では、PSOEが投票数の27.9%を、そして全議席数109の内、33議席を獲得した。
これに対し2番目に獲得投票数が多かったPPは20.7%、議席数26にとどまり、そのあとCiudadanosの21議席、少数派左翼連合AAの17議席、VOXの12議席と続いた。
アンダルシアはスペインの民主政治が始まって以来、常に中道左翼政党PSOEの勢力圏となっていた州だったが、この時の選挙で初めてPPとCiudadanosによる中道右翼連立政権が誕生した。
また、この連立政権樹立には極右翼政党VOXとの交渉も不可欠となり、一部の国民の間では極右翼政党の台頭に危機感を感じる者もあった。
しかしその後、PPのフアン・マヌエル・モレノ州知事率いるアンダルシア行政における極右翼の影響が州民の危機感を増大させることは無く、スペイン中央行政を担うPSOEの支持率低下と共に、アンダルシアにおけるPPの支持率が更に増しつつある。

アンダルシア州選挙を約2週間後に控えた今、世論・市場調査会社NC Reportが行なったアンケート調査によると、今回の選挙における各党の予想獲得投票率はPPが35%で第1位(前回は20.7%)となり、これにPSOEの25.9%(前回27.9%)、VOXの15.5%(前回11%)、少数派左翼連合PAの10.0%(左翼連合AAからの離脱派)、少数派左翼連合AAの4.1%(前回16.2%)、Ciudadanosの3.8%(前回18.3%)が続く。
この投票率による各党の獲得議席数はPPが45〜47議席、PSOEが31〜33議席、VOXが17〜18議席、PAが8〜9議席、AAが3〜4議席、Ciudadanosが1〜2議席となり、首位となるPPが前選挙時の26議席から大きく前進し、同じく勢力を伸ばしつつあるVOXの獲得議席数を足すと52〜65議席に達し、過半数55議席を超えることとなる。
極右翼政党VOXの州政府への参加については、PP、PSOE共に望むものでは無いが、単独で過半数議席に達しないPPが政権を得るには、PSOEによる棄権票を得るか、VOXとの連立政権樹立の可能性を探ることとなる。
今回のアンダルシア選挙におけるPSOEの大敗退が予想される中、すでにPSOE内では、党首ペドロ・サンチェス首相の退陣の時期となりつつあるとして、次なる代表の選出の必要性をほのめかす声も聞かれる。

ビルバオ: グラン・ビアのエル・コルテ・イングレス、夏に閉店

スペインの大手百貨店「エル・コルテ・イングレス」は、売り上げの少ない店舗の閉店を進めており、1年前にはすでにバルセロナのフランセスク・マシア、ハエンのリナーレス、ムルシアのエル・ティロなどの店舗をはじめ、8軒が閉店となり、その後、ブルゴスのラ・モネダ通りやビトリア通りの店舗もその営業を終えた。
これらに続いてマドリッドのバグアダ、レガネスのパルケスールの店舗についても閉店が決まっており、その正確な時期は今月中に発表とのこと。
また、ビルバオのグラン・ビア20番地にある店舗もその対象となっており、今年の夏、8月にはその幕を閉じる模様。


2022年6月5日(日)

Covid19規制緩和: スペインへの入国時に必要なものは?

EU諸国では経済活動再開を最優先する政策が取られているところが多く、夏のバカンスシーズンを目前に控えた今、Covid19による多数の死亡者の報告が続いているにも関わらず、感染拡大防止対策として行われて来た様々な規制をほとんど取り除くことにより、人々に積極的に旅行を行なうよう促している。

スペインでも、先月半ば過ぎにEU以外の国からスペインへやって来る旅行者に対するワクチンパスポート(接種完了証明)の提示義務を排除し、第3国からの観光客を呼び込もうとしている。
これら規制緩和を含めたスペイン入国時の最新規定が去る木曜日から施行されており、これによると、まずEU諸国からの移動についてはワクチンパスポートはすでに過去のものとなり、不要になった。
また入国直前のPCR検査や抗原検査などによる陰性証明や、過去6カ月以内に感染して治癒したと言う証明などについての提示義務も無く、事実上、Covid19に関する特別な書類の提示義務は一切存在しなくなってい る。
更に、EU加盟国では無いノルウェイ、スイス、アイスランドなどについても、シェンゲン協定加盟国であることから同様の扱いとなっている。
また、空路や航路によるスペイン入国の際、これまでは出発地情報、スペインでの滞在地情報他、幾つかの情報を記入して提出することが義務付けられていたが、この制度もすでに廃止されている。
唯一、維持されている規制としては、飛行機や船の中でのマスク着用義務であり、これはスペイン国内に入った後も、医療施設や高齢者介護施設などに入館する際には厳守する必要がある。

一方で、EUやシェンゲン加盟国以外の国、例えば日本からスペインへ入国する場合については、ワクチン接種完了証明の提示義務は解除されているものの、直前のPCRや抗原検査による陰性証明の提示義務は維持されている。
また、スペイン入国時には空港や港で検温や体調確認などの簡易健康診断の対象になることもあるとのこと。

なお、これらの措置は状況により変更される可能性があるため、旅行の際は直前に関連機関への確認が必要。


2022年6月3日(金)

Covid19: 若者層の精神状態に強く影響

15歳〜29歳の若者層1500人を対象に行なったアンケート調査によると、Covid19危機が始まって以来、精神状態に異常を感じている若者が急増している。
自殺を考えた事があると答えた人の割合について、この2年間での推移を見ると、25〜29歳の年齢層では変化は無かったが、15〜19歳では2019年には5.5%であったのが2021年には12.3%に、20〜24歳では6.3%から9.2%に急増した。
男女別に見た場合、男性が9.6%、女性が7.8%となり、男性の方により多く見られる。
また、過去1年間に精神的な問題に直面したと答えた人が全体の56.4%に、そして医師より精神障害として診断されたことのある人が36.2%に及んでおり、最も多いのが鬱(45%)や不安障害、パニックまたは恐怖症(43.9%)であった。
精神障害を感じながらも医師に相談しなかった人が全体の49%と半数近くに及んでおり、自己判断で何らかの精神医薬品を使用した例も多く、若者層の「4人に1人」にあたる24.9%がそれらの医薬品を使用したことがあるとのこと。

担保ローン未払いによる差し押さえ、新築物件では57.4%増加

Covid19による経済状況悪化に伴い、住宅ローンの支払いが滞る例が増えているが、今年第1・四半期における差し押さえ件数は3320件に達し、昨年同時期と比べて3.4%の増加、前四半期比較では2.8%の増加となった。
増加傾向はこれで7四半期(21カ月)続いており、新築物件のみに限って見た場合、前年度比57.4%の増加となっている。
また、差し押さえが完了してはいないが、その手続きが開始された件数を見ると、今年第1・四半期だけで7.965件に達している。
差し押さえが完了した物件の内、全体の65.4%が日常生活で自宅として使用されている住居物件であり、14%が法人名義の物件、27%が店舗やガレージ、オフィスなどとして使用されている物件、9.9%が日常生活で自宅として使用されていない住居物件だった。
州別に見た場合、最も差し押さえが多かったのがアンダルシア州で1943件となっており、これにカタルーニャ(1680件)、バレンシア(1452件)が続いた。
逆に少なかったのはラ・リオハ(33件)、ナバーラ(54件)、カンタブリア(56件)などとなっている。


2022年6月2日(木)

海外に住むスペイン人

1900年代初頭、スペインから他国へと仕事を求めて移住する人が多く、特にその動きが目立ったのがガリシアからアルゼンチンへの移住であった。
1900年から1910年にかけての10年間で、ガリシアからアルゼンチンへ移住した人は50万人を超え、アルゼンチンのことを「ガリシア州の第5番目の県」と言った表現が使われるまでに至った。
その後、1950年から1970年頃にかけて再び移住が盛んとなり、アルゼンチンにおけるスペインからの移民人口は120万人を超えていた。

そして近年、アメリカ発の経済危機の勃発と共に、2008年頃から再びスペイン人の海外への移住が目立ち始め、特に若者世代の失業率が高まったことにより、雇用を求めてスペインを出て行く若者が急増した。
海外に住むスペイン人の数は、2009年には1.471.691名だったのに対し、現在は2.742.605名と、この12年ちょっとで約2倍に膨れ上がっている。
スペインを離れたスペイン人は現時点で世界189カ国に居住しており、その中でも最も多いのが歴史的に関係が深い中南米諸国となっている。
現時点で中南米諸国に住むスペイン人の数は1.618.382名で、これに次いで多いのがヨーロッパ諸国で1.019.795名、そしてアジア(48.737名)、アフリカ(30.089名)、オセアニア(25.602名)と続く。
国別で最も多いのは、やはり移民の歴史が古いアルゼンチンで現在でも480.159名が居住しており、スペイン人の海外居住者の約5分の1を占めている。
次に多いのが隣国フランスの290.033名で、これに米国(183.003名)、ドイツ(178.488名)、英国(176.054名)、キューバ(158.960名)、メキシコ(148.421名)、ベネズエラ(140.014名)、ブラジル(135.417名)、スイス(130.276名)と続く。
尚、日本に住むスペイン人の数は3.362名となっている。


2022年6月1日(水)

スペインからEU諸国へ大量にガス輸出

スペインとフランスとの国境に位置するララウ(ナバーラ)、イルン(ギプスコア)には、両国をつなぐガスパイプがあり、ロシアによるウクライナ侵攻が始まるまで、これらのガスパイプは常にスペインへ向けてガスを送るために利用されていた。
しかし、ロシアによる一方的な契約違反(ロシア通貨ルーブルによる支払の強要)によりロシアからEU諸国へのガス供給が途絶え始め、EU諸国が持つガスの蓄えが急減しており、これを補うために今、スペインからフランスへ向け、同パイプを通じて大量のガスが送られている。
大手ガス会社Enagasによると、スペインからフランス経由でEU諸国へ送られているガスの量は、スペインがアルジェリアから輸入しているガス量を上回っており、船による液体ガスの輸出量も289%の増加となっているとのこと。
現時点でスペインが持つガスの蓄えは許容量の66%となっているが、ロシアのガス依存度が高い他のEU諸国ではより深刻な状況となっており、フランスやイタリアでは47%、ドイツでは45%、オランダでは35%にまで落ち込んでいる。

ローラン・ギャロス: ラファ・ナダル、ノバク・ジョコビッチを下して準決勝へ

スペインテニス界の新星、カルロス・アルカラスがアレクサンダー・ズベレフに敗れたあと、大会に残るスペイン人選手はラファ・ナダルのみとなっていたが、昨日行われた試合で、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチを6−2、4−6、6−2、7−6で下し準決勝戦へと進んだ。
このあと準決勝戦では、カルロス・アルカラスに勝利したランキング3位のアレクサンダー・ズベレフとの対戦となる。
ラファ・ナダル選手は明後日、6月3日で36歳となる。


2022年5月31日(火)

金利上昇により住宅ローン月額100ユーロ増

スペインで契約される住宅ローンの多くで変動制金利が適用されており、その基本線となるのは欧州中央銀行が定める欧州公定歩合Euriborとなっているが、ウクライナ危機勃発以降、Euriborが急激な勢いで上昇している。
今年1月には−0.477%であったEuriborが、現時点で0.278%となっており、今後、更に上がり続けることが予測される。
このEuribor急上昇に伴い、変動金利制で組まれた住宅ローンの支払い額に大きな影響が出ている。
例えば30万ユーロ、30年払いのローンの場合、今、金利の見直し時期が重なると、今年1月時点での金利で計算した場合と現時点での金利で計算した場合、ローンの月額に100ユーロの差額が生じることとなり、年間1200ユーロの出費増となる。
この状況は今後も続くと見られ、専門家等は今年末頃にはEuriborが1.3%程度に達すると予測している。

消費者物価指数、再び上昇傾向に

物価の急激な高騰により、今年3月には前年度同時期比較9.8%と、10%に届く勢いに達したが、4月にはこれにブレーキがかかり、8.3%と下降傾向に入ったかに見えた。
しかしながら昨日、国家統計局が示した5月の予想値によると、再び物価上昇に拍車がかかり、8.7%に達する見込みとのこと。
国家統計局は毎月、月末にその月の予想値として先行発表するが、5月分としての最終的な公式発表は6月10日に行われる予定。
5月における物価指数の再上昇は主に燃料費、食品価格、ノンアルコール飲料などの価格高騰がその要因となっている。


2022年5月30日(月)

左翼支持者の多くが前倒し選挙を支持

世論・市場調査会社NC Reportが行なった世論調査によると、「PSOEとPodemosとで成る左翼連立政権による政治は、その任期が終わるまで待たずに前倒し選挙を行なった方が良い」と考える国民の割合が急増している。
最新のアンケート調査では、現政権がこのまま続投すべきであると答えた人の割合が全体の47.1%であったのに対し、前倒しで選挙を行なうべきであると答えた人の割合が45.4%と、両者間の差がほぼ見られなくなった。
そして現政府を解散すべきであると考える人の割合がPSOE、Podemosの支持者の間で高いことが特徴的で、PSOE支持者の場合で61.3%が、Podemos支持者の場合でも62.5%が解散・前倒し選挙を善しとしており、現政府の支持者等が現政府が良好に機能しているとは感じていないことが明白となりつつある。
逆に右翼政党では、前倒し選挙は行わず、現政権にその任期が終わるまで続けさせるべきと答えた人の割合が多く、前倒し選挙を支持した割合はPP支持者の場合で僅か19.4%、Voxの場合で22.2%、Ciudadanosの場合で46.7%にとどまった。

サル痘: マドリッド州政府、PCR検査を開始

スペインにおけるサル痘感染確認数はすでに100名近くに及んでいるが、その多くがマドリッドに集中しており、現時点でマドリッドでの確認数は75名、そして46名が検査の結果待ちとなっている。
そう言った状況下、スペイン中央政府による感染防止対策が不充分であるとして、マドリッド州行政は独自の対策を打ち出しつつある。
その一つが州行政によるPCR検査の実施で、マドリッドにあるラ・パス、エル・グレゴリオ・マラニョン、エル・ラモン・イ・カハル、ドセ・デ・オクトゥブレ、イサベル・センダルなど5つの病院で本日より開始される。
中央政府によるPCR検査も行われてはいるが、マドリッド州行政によると検査後の結果報告を受けるのに72時間を要しているのこと。
州行政は感染拡大を防ぐためには、新規感染者の発見を可能な限り早期に行なう必要があるとして、24時間以内の結果報告を受けられる体制を整えるべきとしている。


2022年5月29日(日)

チャンピオンズリーグ: シベレス広場に5万人以上が集結

昨夜、パリで行われたサッカー・チャンピオンズリーグの決勝戦、リバプール対レアル・マドリッドは0-1でレアル・マドリッドの優勝となった。
これでレアル・マドリッドが持つチャンピオンズリーグの優勝回数は14回となり、 2番目のACミラン(7回)、3番目のバイエルン・ミュンヘン(6回)、リバプール(6回)、 5番目のバルセロナ(5回)などとの差が更に拡大することとなった。
優勝の祝賀関連セレモニーはその全てが本日、日曜日に予定されていたが、 レアル・マドリッドのファン等はそれを待ちきれず、昨夜、優勝が決まりそうに思えた時点、23時半ごろにはすでにマドリッド中心部にあるシベレス広場へ続々と集まり始め、 夜中1時頃には5万人以上の集結が見られた。
アルカラ、レコレトス、プラド、グランビア、カステジャーナなど、広場の周囲の主な道路は全て車両通行止めとなり、有事に備え多数の警官や救急隊員などが配備された。
広場での集結が終わったあとも、マドリッド市内では小グループ単位で明け方まで騒ぎ続けているファン等も多く見られた。


2022年5月28日(土)

チャンピオンズリーグ決勝戦: マドリッド中心部で特別警戒態勢

レアル・マドリッドとリバプールによるサッカー・チャンピオンズリーグ決勝戦が本日21時よりパリで行われるが、これに合わせてスペインの首都マドリッドでも特別警戒態勢が布かれる。
レアル・マドリッドのホームスタジアムであるサンティアゴ・ベルナベウサッカー場にはレアルファン等が集まって観戦出来るように大画面が設置されるが、入場の際は通常の試合時と同様のセキュリティーチェックが行われ、座席指定による入場人数のコントロールが行われる。
試合開始の2時間前にはスタジアム周辺の警備のため403名の国家警察官が配備され、レアル・マドリッドが優勝した場合には翌日曜日の凱旋パレードなどの警備のため、更に459名の出動が予定されている。
また、マドリッド市警察についても本日、明日と、通常の勤務体制として配備される250名の警官に加え、更に1日に200名の補強が行われ、これらを合計すると今日、明日の2日間で計1760名以上の警官による警備態勢が布かれることとなる。

レアル・マドリッドが国内リーグ戦であれ、チャンピオンズリーグであれ、優勝した際にファンと選手が一同に集まって祝う場所は、マドリッド市内中心部にあるシベレス広場と決まっているが、今夜の試合終了後、レアル・マドリッドの選手団がマドリッドの空港に帰着するのは夜中の2時頃になることが予測され、その後、彼等がシベレス広場へ向かう予定は無い。
しかしながら、ファン等がシベレス広場に集結することがほぼ確実であることから、すでに同広場付近では様々な準備が進められている。
また、優勝が決まった場合、広場周辺は車両通行止めとなり、広場へ集まる人々の持ち物チェックなどを行なうため、三重の検問が行われる模様。
選手等の参加による凱旋パレードや式典は日曜日に予定されており、選手等を乗せた専用バスが17時にサンティアゴ・ベルナベウ サッカー場を出発し、アルムデナ大聖堂へと向かい、優勝カップをマドリッドの守護聖母像に捧げる。
そこからマジョール通りを通ってマドリッド州政府のあるソルへと向い、マドリッド州政府で再び優勝カップの献上を行なったあと、サン・ヘロニモ通り、アルフォンソ12世通り、モンタルバン通りを経てマドリッド市行政のあるパラシオ・デ・シベレスに到着。
ここで市へのカップ献上を終えたあと、20時頃、選手等はシベレス広場に赴き、そこで集まったファン等と合流することとなる。
選手等の凱旋パレードはそこではまだ終らず、更にカステジャーナ大通りを北上してサンティアゴ・ベルナベウ サッカー場へと向かい、22時頃からスタジアム内での祝賀式典が行われる。
そこで更に459名の警官が補強され、レベル4(最大から2番目のレベル)の対テロ警戒態勢も布かれることとなる。


2022年5月27日(金)

Covid19: ワクチン接種と肝炎の関係

今月25日から3日間にわたってマドリッドで行われている第47回スペイン肝臓研究協会学会において、Covid19ワクチンと肝炎の因果関係の可能性についての発表があった。
これはスペイン国内9つの病院で25名(平均年齢51歳)を対象に行なった調査に基づくもので、14名がファイザー社ワクチン、4名がモデルナ社ワクチン、5名がアストラゼネカ社ワクチン、2名がジャンセン社ワクチンの接種を受けていた。
これら被験者25名の内、半数以上にあたる13名に肝障害が確認され、また25名中、その70パーセントにあたる17名に自己免疫性肝炎の可能性があることが確認された。
ワクチン接種後、これら肝障害の発症までに要した時間は平均19日とのこと。
肝障害が生じる場合はトランスアミナーゼの数値が高まることが確認されているため、ワクチン接種の後、同数値の観察が必要であるとしている。
この調査結果は、Hepatology Journalによって報告されたばかりの18か国、87名の被験者を対象に行われた調査結果内容と概ね一致しているが、ワクチン接種後、肝障害が確認されるまでに要した日数は平均15日と報告されている。


2022年5月26日(木)

清涼飲料の糖分を10%減量

昨日、スペイン清涼飲料協会はスペインで販売されている清涼飲料について、それに含まれる糖分量を2025年までに10%減らすことを発表した。
すでに2005年〜2020年の間にかけて43%の減糖が行われており、今回の更なる10%の減糖により、計53%の糖分が減らされることとなる。
また、特に子供達の健康を守るため、13歳未満の子供を対象とした清涼飲料の宣伝や小学校内での通常販売を行なわないことや、販売する場合は唯一、メーカーのロゴや宣伝画像の無い自動販売機による低カロリー、或はカロリー無しの飲料のみとすることなども組み込まれている。
また地球環境保護についても触れており、2025年までには市販清涼飲料に使用される容器はその100%がリサイクル可能なものとなり、容器製造に使用される材料の50%が再利用素材となる。

サル痘: スペイン、EUによる天然痘ワクチン共同購入に参加

サル痘の感染が広がる中、EU諸国内ではすでに天然痘ワクチンの使用を開始している国々があるが、スペインではマドリッド州行政をはじめ、複数の州行政からの要求があるにも関わらず、ワクチン発注の決断を下さずにいた。
しかし、昨日のスペイン全国健康会議の中でも各州行政からの強い要請があり、中央政府はようやくその重い腰をあげることとなった。
サル痘については現在、それように開発されたワクチンは存在しないが、従来の天然痘ワクチンによる効果が85%まで期待されることが確認されている。
EUでは必要に応じて加入国に配分する目的で共同購入を行なうが、スペイン中央政府はこれに参加することを決定。
今後EUを通じて、世界で唯一、天然痘ワクチンの製造を続けているデンマークのBavarian Nordic社のImvanexワクチンが入荷することとなるが、その入荷時期も、入荷量についても詳細は不明となっている。
マドリッド州政府は、こう言った中央政府の対応の遅さを批判すると共に、州政府独自の対応として今週末よりマドリッドの4つの病院においてサル痘のPCR検査を開始することを発表した。


2022年5月25日(水)

サル痘: 40歳未満のワクチン接種は無し

中央政府は昨日、40歳未満を対象とした対天然痘ワクチン接種は現時点では行わないことを発表した。
天然痘ワクチンはサル痘に対しても85%の効果があるとされており、スペインを含む世界の多くの国々では、1980年頃までその接種が行われていた。
その後、天然痘ウィルスの絶滅に伴い接種の必要性が無くなったことにより、1980年以降に生まれた人々については無接種となっている。
今回、サル痘の感染拡大により、1980年生まれ以後の全世代について天然痘ワクチンを適用するべきかどうかについて検討されていたが、現時点ではまだその必要性は認められないとの判断に至った模様。

スペインにおけるアニサキス被害

スペインも魚介類の食文化が豊かな国の一つだが、同時にアニサキスによる被害も多く見られる。
ビゴにある海洋研究所によると、スペインにおけるアニサキス被害件数は年間8千件以上にのぼっている。
消費者協会OCUの調査によると、スペインで販売されている魚の約36%がアニサキスを有しており、特にその割合が高いのがカンタブリア海で獲れた魚であるとのこと。
スペインで食される魚の中でアニサキスに汚染されている率が最も高いのがメルルーサで全体の96%に達しており、これに鯖(87%)、鯵(67%)、プタスダラ(62%)などが続く。


2022年5月24日(火)

元国王、スペイン訪問を終えアブダビへ

去る週末、2020年8月よりアブダビに居を移しているフアン・カルロス元国王がスペインを訪問した。
元国王によるスペイン上陸は、彼の移住後、今回が初めてであった。
スペイン国民の一部の間で王室に対する批判の声が高まる中、今回の元国王によるスペイン訪問は王室の公式な活動とは無縁の、あくまでも私的なものであるとされ、フェリペ6世現国王の公務予定表にも同件については何ら記載はなかった。
王室としては、元国王が一人のスペイン国民としてその家族や友人等に会いにやって来ると言う、それだけの「目立たない出来事」であって欲しいと言うのが本音だったと思われるが、実際にはガリシアのビゴの空港にプライベートジェット機を利用した元国王が到着したその瞬間から、外国籍の記者を含む多数の報道陣にその行動の一部始終を追いかけられると言った状況となり、スペイン滞在中の数日間、毎日のトップニュースの一つとなっていた。

元国王は脱税や隠し資産の所有など、複数の提訴の対象となったが、それら全ての調査が終わり事実上無罪となったことから、今回のスペイン初訪問実現への流れとなっていたものであるが、幾つかの政党からは「国民は最高裁の発表には納得しておらず、元国王自身による説明と謝罪を求めている」として、今回のスペイン滞在を利用した記者会見を要求する声が高まっていた。
王室への厳しい追及は主にカタルーニャやバスクに独立派政党に見られるが、PSOEと現連立政権を組むPODEMOSからの王室批判の声も強い。
PODEMOSはその成立当時より王室の存続そのものを非難しており、常に王室への攻撃的発言を行なっているが、PSOEは、その件についてはPODEMOSと一線を引き、王室への直接的な批判を避ける姿勢を維持してきた。
しかし、今回の元国王の一時帰国に際し、反王制派政党による王室への不満が高まりを見せ、PSOEによる王室批判も強まりつつある。
PSOEにとって現政権を維持するための命綱となっているのが独立派政党、そして反王制派政党のPODEMOSによる協力であることから、今後もPSOEが見せる政治的、社会的ポリシーには、一貫性を伴わない「その場しのぎ」的な変化が続く事が予測される。

マドリッド州行政、中央政府にサル痘ワクチン使用認可を要請

現在、感染が広がりつつあるサル痘は、すでに世界十数カ国で感染が確認されているが、感染者総数の40%以上をスペインが占めており、また、そのほとんどがマドリッド州に集中している。
マドリッド州行政はこの状況を受け、先週木曜日に早急なるワクチンの導入を中央政府に対し申請しているが、未だそれに対する中央政府からの返答が無い状態が続いている。
現在、このワクチンの在庫はスペインには無く、使用するためにはスペイン政府管轄下にある医薬品・医療品庁を通じて取り寄せる必要があり、地方行政の権限だけでは行なう事は出来ないため、マドリッド州行政は中央政府に対し迅速な対応の必要性を重ねて要求している。


2022年5月23日(月)

住居不法占拠、増加の一途

スペインでは、夏のバカンスシーズンなどに休暇を利用して1週間、2週間と言った単位で外出する人が多く見られるが、留守宅を外部からの侵入者によって占拠され、自宅に戻れなくなってしまうと言うケースが頻繁に起きている。
また、空き家となっている物件についても同様で、一旦、占拠されると、侵入者を合法的に追い出すには時間がかかり、また、全ての手続きを経て取り戻した時には、家に置いてあった様々な財産は使い果たされ、家具や家電製品なども手荒い扱いにより使用不可となっていることが多い。
全ての国民が「正当な住居を持つ権利がある」とする政治的主張は、ポプリズム政党が唱える典型的なものの一つと言えるが、PSOE−PODEMOSの連立による現政権においても、特にPODEMOSが同主張をポリシーとしてかかげ、住居不法占拠に対する寛容策が取られて来たことにより、必然的に同種のトラブルが増加している。
PPによる前政権時代を見ると、2015年から2018年までの間に不法占拠数は年間10.377件から12.214件へと、4年間で17%程度の増加であった。
これに比べてPSOE−PODEMOSの連立政権下では、2020年度の不法占拠数は17.274件に達しており、2019年度から僅か1年で18.14%増加した。

昨年、2021年度において住居不法占拠の増加率が最も大きかった州はラ・リオハであり、前年度比272%増に達した。
これに続いたのがアストゥリアス(132.35%増)、ムルシア(82.02%増)、バレアレス(78.59%増)、バレンシア(63.06%増)などの各州で、更に自治都市セウタでも171.42%増、メリージャで63.63%増となった。
逆に増加率が低かったのはカナリアスで7.47%のマイナス、そしてアンダルシアが0.86%増、ナバーラが1.70%増にとどまった。
増加率ではなく、不法占拠数の絶対数で見た場合、最も多かったのがカタルーニャで、7.345件と群を抜いた数字となっており、これにアンダルシア(2.557件)、バレンシア(1.779件)、マドリッド(1.660件)が続いた。

ヨーロッパ最大の人工ビーチまでマドリッドから車で30分

マドリッド市から約50キロ、車で約30分のところに、ヨーロッパ最大規模の人工ビーチの建設計画が進められている。
建設予定となっているのは、カスティージャ・ラ・マンチャ州のグアダラハラ県にある、人口1万2千〜1万3千人程度のアロベラ市で、マドリッドで働く人々の衛星都市となっている。
建設用地としてアロベラ市が提供する土地は10万5000平方メートルで、完成予想図によると水面の面積が25.000平方メートル、そしてこれを取り巻く砂浜の面積が15.000平方メートルを占めることとなる。
各種ウォータースポーツの学校なども設置され、夏場だけ運営されるプールなどとは違い、1年を通しての運営が行われるとのこと。
建設の初期予算は1.560万ユーロとされており、順調に進めば来年には営業開始となる模様。

サル痘、40人の陽性確認、55人が結果待ち

スペインにおけるサル痘感染は拡大を続けており、昨日時点で陽性が確認された人が40名、検査の結果待ちとなっている人が55名となっていた。
世界14カ国で感染が確認されているが、その中でも陽性確認数はスペインが最多となっており全体の40%を占めている。
スペイン国内では、サウナ・ゲイ・パラダイスの利用者を中心に感染が広がったマドリッドに集中しており、39名の感染が確認済み、40名が検査結果待ちとなっている。
マドリッド以外ではアンダルシアで1名の感染が確認され、6名が検査結果待ちとなっており、カナリアスで2名が結果待ち、ラ・マンチャで2名が結果待ち、エクストレマドゥーラ、ガリシア、アラゴン、バスク、カタルーニャでそれぞれ1名が結果待ちとなっている。
感染経路として主流となっているのが身体の直接的な接触であることから、保健省では、日常的に頻繁に異なる相手と性行為を行なう人々全体に対し、症状らしきものが見られたらすぐに病院へ相談に行くよう呼びかけている。


2022年5月21日(土)

住居事情: 賃貸物件不足により賃貸料高騰

新型コロナ危機と共に観光客が激減したことにより、それまで民泊として運用していた不動産物件を一般の賃貸物件として転用する例が増え、賃貸用物件数が急増した。
また感染拡大防止のための様々な行動規制により、学生や会社員等による自宅からのオン・ライン受講やテレワークが増えた事に伴う賃貸物件の解約が増加したことにより、借主を獲得するための賃貸料値下げ傾向が続いた。
ところが、表面的ではあるにせよCovid19危機が終ったかのごとく社会が動き始めた現在、スペインにおける賃貸物件の値段に大きな変化が起きている。
ヨーロッパ人を中心とした観光客がCovid19危機以前の状態に戻りつつあることから、一時的に一般賃貸物件として利用していたものを再び観光客用の民泊に戻す家主が増えた。
また、通常登校や通常出勤に戻った学生や会社員などによる賃貸物件の需要が増えたことにより、賃貸用マンションの需要と供給のバランスが一気に崩れ、賃貸物件が大きく不足する事態を招くこととなった。
また、これに伴い賃貸料金が大きく値上がりしており、スペイン国住民の家計を圧迫している。

大手不動産会社であるFotocasaやIdealistaなどによると、今年第1・四半期には賃貸用物件の供給が全国平均37%減となり、バルセロナでは58%減、セビージャやマラガで50%減、ラス・パルマスで49%減、バレンシアやタラゴナで47%減となったとのこと。
賃貸料は今年4月時点で前年度同時期比較4.7%増(全国平均)となっているが、アリカンテでは21.7%増、セゴビアで19.5%増、バルセロナで18%増、マラガで15%増に達している(Fotocasa調べ)。
賃貸料値上がりによる家計への圧迫は深刻化しており、Idearista調べによると、今年3月現在、同問題が最も悪化しているのがバルセロナで、一般家庭の収入の内、47.6%が家賃に充てられているとのこと。
2021年3月にはその比率が33.2%となっていたことから、この1年で急速に悪化したことが見て取れる。
バルセロナに続いて深刻化が進んでいるのがセゴビア(27.8%から33.9%へ)、パルマ(22%から27%へ)、ウエルバ(27.4%から32.2%へ)、バレンシア(26.2%から30.8%へ)、マドリッド(33.2%から37.8%へ)など。

一般的な指針として、家賃は収入の30%未満に抑えるべきとされているが、労働組合CCOOの調べによると、スペインでは賃貸物件に住む人の約41%にあたる300万世帯が収入の30%を超える家賃を払っており、更にその中の140万世帯では、家賃が収入の50%を上回っているとのこと。
また、同労働組合調べによると、収入の30%以上にあたる家賃によって家計を圧迫されている世帯の比率が最も高いのはバスク州で賃貸生活者の65%に達しており、これにカナリアス州(60%)、マドリッド州(56%)、アストゥリアス州(53%)が続く。
逆にこの比率が低いのがエクストレマドゥーラ州(16%)、カスティージャ・イ・レオン州(17%)、カンタブリア州(20%)、アラゴン州(21%)、ムルシア州(24%)などとなっている。


2022年5月19日(木)

サル痘、7人の感染を確認

昨夜、マドリッド州において7人がサル痘に感染していたことが確認され、現時点で残り22名が検査の結果待ちとなっている。
今月6日にイギリスで最初に確認された感染者はナイジェリアから帰国したばかりの人物だったが、その後、ナイジェリアへの渡航歴の無い人々の間で感染が確認され、数日後にはすでにイギリス国内での感染拡大が始まっていることが報告された。
続いて今週月曜日にはポルトガルで3名の陽性が確認され、15名が検査結果待ちとなっているとの発表があったことを受け、スペインでも緊張感が広まったが、その翌日、火曜日にはマドリッド州で感染の疑いがある患者が8名あるとの発表があり、その後、一気に30名近くに増えた。
今回、スペインで確認されている感染者は全員が同性愛の男性で、感染は性行為を通じて生じた可能性が高いとされている。
しかし、現時点で感染の疑いがある人々の全員が同じ友好関係にある訳では無いことから、感染の震源地が複数個所に分かれていることが予想されるため、保健省では特に同性愛の男性に対し、発熱や発疹などの症状があれば、すぐに医師に連絡するよう警告している。
感染が確認された人、確認待ちの人については、現時点で重症化している人は無く、全員が自宅での隔離療養を行なっていると同時に、彼等との濃厚接触者の確認が進められている。

カナリアス州の観光業、Covid19前のレベルに

Covid19危機によって長期に渡って深刻な打撃を受けたスペインの観光業だが、今年4月には外人観光客数にも顕著な回復が見られた。
セマナ・サンタ休暇があった4月にスペインの国際空港経由で入国した外人観光客の数は6.963.964名と、約700万人に達したが、これは新型コロナ危機が始まる前の年、2019年4月時集計の85%に相当する。
今年1月から4月までの4カ月間では1.870万人の外人観光客を受け入れており、昨年同時期と比較すると約7倍にまで回復しているが、2019年同時期と比べればまだ26.1%少ない状況となっている。
これら外人旅行の回復が最も目立ったのがカナリアス州で、4月の国際線航空機を利用してやって来た外人観光客数は1.110.216名で、2019年同時期より僅か0.2%減にまで漕ぎつけた。
続いてバレアレス州でも1.139.613名が国際線航空機経由で到着しており、2019年同時期比較96.8%の回復となった。

これら外人観光の58.4%を占めているのがヨーロッパからの客となっているが、国籍別で見た場合、最も多いのはイギリス人で1.601.009名(全体の23%)、そしてこれにドイツ人1.121.843名(16.1%)、フランス人597.070名(8.6%)、イタリア人596.349名(8.6%)と続いた。
尚、これらの数字は国際線航空機を利用して到着した人々のみをまとめたものであるため、フランスやポルトガルなど隣接している国々からの陸路による多数の入国者は反映されていない。


2022年5月18日(水)

公共赤字、1兆4500億ユーロに

今年3月におけるスペインの総公共赤字額は、国内総生産額の117.7%にあたる1兆4.539億4.800万ユーロとなり、過去最大値を記録した。
赤字総額はCovid19危機勃発直後の急増期を終えたあとも増え続けており、前月の2月と比較しても123億8.100万ユーロの増加、前年度同時期比較では608億7500万ユーロの増加(+4.4%)となった。
これら公共赤字の内、その多くは国家財政赤字が占めており、その総額は1兆2.700億ユーロで前月比120億6.800万ユーロ増、前年度同時期比較5.3%増となっている。
Covid19危機による大きな影響を受けた国民保険制度における赤字も増大しており、前年度同時期比較991億8.700万ユーロ増(16.2%増)となった。
また、地方行政の赤字については前年度同時期と比べて3.100億ユーロ増(0.7%贈)、前月比では僅か800万ユーロ増と落ち着きを見せており、3月における公共赤字総額の大きな増加の主因が中央政府管轄下の国家財政にあることが判る。

バルのテラス席、95%が高レベルのニコチンで汚染

スペイン癌協会の癌予防コーディネーター、セバスティアン・デル・ブスト氏によると、スペインにおけるタバコを原因とした死亡者数は年間5万人以上にのぼる。
喫煙者人口が占める比率は全体の22%程度であり、残りの78%が非喫煙者であるにも関わらず、バルのテラス席ではその95%において、人体に害を与えるに充分な濃度のニコチンが検出されるとのこと。
特に心配されるのが子供達の健康で、こう言ったテラス席の悪環境の中で過ごすことにより、子供達が将来的に肺癌を患う可能性は数倍にも増加し、聴力障害が生じる可能性は50%、呼吸器障害の可能性が30%、喘息症状を起こす可能性は20%増加すると指摘している。
スペイン国内でも各州によってタバコの喫煙規制にはばらつきがあり、癌協会によると子供達の80%がタバコの副流煙による汚染にさらされており、その内の43%がバスのテラス席なども含めた屋外の公共スペースとなっているとのこと。
世界でタバコによる死亡者が年間800万人ある内、100万人が非喫煙者であり、副流煙が原因となっていることを忘れてはならず、同協会はテラス席、プール、ビーチ、スポーツ施設など、屋内だけでなく屋外における公共スペースでの喫煙規制についての早急な法改正を求めている。 


2022年5月17日(火)

5月に記録的な猛暑

今年最初の熱波到来により、全国的な高気温が今週いっぱい続くと予測されており、5月としては過去に例をみない暑さとなる可能性が高いとのこと。
今日の最高気温はグラナダやレリダなどで35度程度に達する見込みで、全国各地で例年平均を5〜10度上回る模様。
また、気温は週末に向けて上昇を続け、明日には例年平均より15度高くなるところもあり、ビルバオで35度、サラゴサで37度、コルドバで38度、その他グアダルキビール川流域で40度と言った高気温が予想されている。
更に土曜日には本土内陸部で36〜40度、グアダルキビール川流域で40〜44度と今回のピークに達するが、日曜日には本土内陸部、西部などで暑さが和らぎ始めるとのこと。
気象局では季節外れの猛暑への警戒を呼び掛けている。

スペイン、EU内で3番目に結婚が少ない国

EU統計局による昨日の発表によると、スペインで2020年度に登録された婚姻数は国民1000人あたり1.9件であり、スペインはEU諸国内で3番目に婚姻数が少ない国となった。
スペインよりも更に少なかったのはイタリアで国民1000人あたり1.6件、そして2番目に少なかったのがポルトガルで1.8件だった。
2020年はCovid19の影響を受け、EU諸国全体で婚姻登録数の大きな減少が見られたこともあるが、1964年から比べると、1000人あたりの登録数が8件から3.2件へと半数以下に減っている。
また、離婚届件数については増加傾向にあり、1964年には1000人あたり0.8件であったのに対し、2020年は1.6件と2倍に達しているが、1.9件に達した2010年以降、減少傾向が続いている。

スペインで最も過疎化が進む地方は?

大都市への人口集中が進むのと同時に、各地方の小村の過疎化が深刻化している。
2000年にはスペイン全国に存在していた8104の市町村の内、その人口が100人に満たないところの数が493か所となっていたが、国家統計局が持つ最新情報では、8131の市町村がある内、人口100名未満のところが1344か所まで増えているとのこと。
これによりマドリッド市(34万人増)やバルセロナ市(13万人増)と言った大都市の人口が増える一方で、人口100人未満の村が全体に占める割合が6.08%から16.52%へと急増しているのが判る。
現時点で人口100名未満の村を有する県は32県あり、逆にそう言った過疎化が進む村を持たない県はアラバ、アストゥリアス、バレアレス、ビスカヤ、カディス、コルドバ、ラ・コルーニャ、ギプスコア、グラナダ、ハエン、ルゴ、マラガ、ムルシア、オレンセ、ラス・パルマス、ポンテベドラ、サンタ・クルス・デ・テネリフェなど計18県となっている。
100名未満の村を持つ32県の内、そう言った村を最多数持つ県がグアダラハラで、過疎化が進む村が174箇所に達しており、これにブルゴス(161)、ソリア(115)、アビラ(95)、テルエル(93)、サラゴサ(83)、サラマンカ(83)、セゴビア(77)、クエンカ(76)、パレンシア(76)と続き、スペインにおける過疎化がカスティージャ・イ・レオン州、カスティージャ・ラ・マンチャ州、アラゴン州に集中しているのが判る。


2022年5月16日(月)

ドン・フアン・カルロス元国王、5月21日に2年弱ぶりの帰国

スペインの元国王ドン・フアン・カルロス1世は、脱税や隠し資産の所有など、複数の提訴の対象となり、スペインにおける王室への社会的非難の増大を避けるなどの目的から、2020年8月3日以降、アラブ首長国連邦のアブダビへ居を移していた。
その後、これまでにスペインへ入国したことは無く、また、現国王フェリペ6世がアブダビへ彼に会いに行ったことも無かった。
元国王に対する提訴で、最後まで続いていたものが3件あったが、その全てについてスペインの最高裁が終了発表を行なったことにより、彼の帰国の噂が流れていた。
その後、元国王から現国王へ届いた書簡に、今後もアブダビでの生活を続けるが、旅行としてスペインを訪問したいとの旨が記されており、1年と9カ月振りとなる帰国の予定が決まった模様。
予定としては、今月21日、22日の週末をガリシア州ポンテベドラ県のサンセンソで過ごしたあと、マドリッドのサルスエラ宮へ移動するが、王室の公式な住居に宿泊することは無いとのこと。


2022年5月13日(金)

RENFE、高速道路の有料化拡大を提案

スペイン国鉄RENFEにとって、最大の収益を生んでいる看板商品は、1992年に運行を開始した高速列車AVEによるサービスだが、これによる売り上げが近年、大きな落ち込みを見せている。
その主な原因としては、国鉄サービスの一部自由化で、他の企業が高速列車サービスに参入したことにより、RENFEの独占市場では無くなったことが挙げられる。
また、売り上げだけでなく、収益に対して大きな影響を与えているのが電気料金の急激な高騰で、経費の中で電気料金が占める割合が高騰前には7%程度だったものが、現時点では20%に達しており、激しく変化する電気料金をそのまま鉄道運賃の値上げとして随時反映させることは不可能であるとしている。

こう言った状況下でRENFEは、スペイン国内の高速道路の有料化を拡大することを提唱している。
そうすることによって自家用車での移動を減らし、国鉄利用を促進することによって、自然環境破壊を抑制する効果も得られると指摘。
RENFE社長を務めるイサイアス・タボアス氏は、1キロメートルあたり僅か2センティモの通行料を設定するだけで効果は得られるとし、マドリッドーバレンシア間の高速道路有料化についての例を挙げた。
同氏によると、マドリッドーバレンシア間の高速道路利用について、例えば5ユーロの通行料金を課すことによってその利用者は減少し、結果として年間13.000トンのCO2の発生を防ぐことが出来るとしている。
「5ユーロと言う通行料は果たして高すぎるだろうか? 私には判らないが、少なくとも社会はこの提案について討論を行なうべきだと思うが、、、」と、同氏は語る。

ダリによる作品、40年以上ぶりに発見

サルバドール・ダリが1979年に制作した蝋を使った彫刻作品、「聖十字架のヨハネのキリスト像」は、その姿を消して43年が経過していた。
その模造品は多数存在するが、専門家等はすでに原作は存在しないものと結論付けていた。
ところが、ハワイの美術品収集家がこれを所有していたことが判明した。
彼が持つある書物を譲り受けようと、その家を訪問したHarte International Galleriesは、その半地下にあったガレージでダリのオリジナル作品を発見することとなった。
作品はダリ本人がその保管のために使ったプレキシガラスのケースに入っており、40年以上経った今も完全な保存状態にあるとのこと。
思わぬ場所での発見に至ったこの作品は、美術品の世界では「失われた蝋」として知られていたもので、Harte International Galleriesが買い取ったとのこと。
値段は1000万〜2000万ドルと思われる。


2022年5月12日(木)

16歳以上の妊娠中絶、親の同意は不要に

政府は、来週の閣僚会議で中絶法改正案の可決を予定している。
改正案の主要点の一つに、人工中絶の判断を下す場合の年令引き下げがあるが、これが18歳以上から16歳以上へと変更される。
これまで、親権者の同意無しで妊婦本人の意思で人工中絶の判断を下すためには18歳以上である必要があったが、今回の改正後は16歳、17歳であってもこれが可能となる。
人工中絶手術は公共医療サービスだけでなく、予め同手術を請け負う旨を行政に登録していれば、私設病院であってもこれを行なう事が出来るようになるとのこと。
更にこれまでは、人工中絶手術を受けるにあたり、その決断をする前に、妊婦本人が有する権利、出産を支援するための公的援助などについて詳しい情報を得ていること、そしてそれらの説明を受けたあと、改めて熟考する時間として手術までに3日間以上の猶予を置く事が義務付けられていたが、この「3日間の熟考期間義務」も廃止とな り、説明を受けた直後の手術も可能になる模様。
また、政府は倫理的、宗教的などの理由で人工中絶に反対する医師であっても、依頼があればこれを行なうべきとしたが、これに対し、スペインの医師会から「倫理的価値観は医師の個人的権利であり、これに基づく個々の判断は保障されるべきである」との強い反発があったことから、政府は人工中絶に反対する医師のリストを作成し、それ以外の医師で中絶手術の充実を図るとしている。

これら中絶の問題以外にも、今回の改正案には様々な事項が含まれており、その中には生理用品やおむつなどの税率引き下げや、重度の生理痛による病気休暇申請の権利なども含まれる。


2022年5月11日(水)

ペガサス スパイ行為: 国家情報局長を解任

スパイウェア、ペガサスを使った、スペインの政治家を対象とした携帯端末の大規模ハッキングによる政治危機が続いている。
ペガサスによる攻撃はカタルーニャやバスクの独立主義政党所属の政治家だけでなく、首相や大臣など中央政府の主要メンバーにも及んでいるが、カタルーニャ独立主義政党所属政治家を対象とした攻撃については、その一部をスペイン政府の防衛省管轄下にある国家情報局が行なっていたことが国家機密会議の中で明らかとなり、同会議に出席していた独立派政党議員による「機密会議内容の違法公開」により、会議内容の詳細まで全国民が知る所となった。
独立派政党所属政治家への国家情報局によるスパイ行為について、これまで政府が行なって来た説明で納得した政党は無く、独立派政党は防衛大臣の辞任、或は解任を要求しているが、サンチェス首相率いる政府はこれを避けると共に、その代償として昨日、国家情報局の局長であるパス・エステバン氏の解任を発表した。
これにて、ハッキング行為の責任を全面的に国家情報局のトップに押し付けた形となった。
政府は、国家情報局が最高裁からの命令でやったことであり、政府はこれについて何ら関知するものでは無かったとしているが、最高裁が単独でスパイ行為による捜査を命じる事や、国家情報局の局長がその独断で政治家へのスパイ行為の決断、実行を行なうと言ったことがあり得ると考える者は、政治家にも一般国民にも無く、これまでの政府による説明に納得する政党は一つも存在しない。
また、昨日の情報局長解任が独立主義政党の「ご機嫌とり目的」で行われたことは誰もが想像できることだが、独立主義政党がこの「ご機嫌とり」で満足するはずもなく、引き続き、防衛大臣の解任を要求している。

今回、政府の責任を押し付けられる形で解任となったパス・エステバン国家情報局長は同職にあって40年間、スペイン国家の安全を情報面から担って来た大ベテランであり、彼女の解任については、政党の違いとは無関係に避難の声が挙がっている。
また、情報局がもたらす情報によって国家防衛活動を続けて来た軍隊や治安警備隊などからも、政府に対する批判の声が聞かれる。
局長解任は国家情報局をその管轄下に置くロブレス防衛大臣によって発表されたが、大臣は「解任」と言った表現はとらず「交代」と述べ、その後任として、長年、自らの片腕として最大の信頼をおいてきたエスペランサ・カステレイロ氏を任命した。


2022年5月10日(火)

ガソリンスタンド、更に経営難

ガソリンやディーゼルの高騰による経済への悪影響を抑えるために政府が開始した特別支援(リッターあたり20センティモの援助)は、運送業界における急激な経費拡大を緩和するのには役立っているが、同時に多くのガソリンスタンドを運営危機に追いやっている。
スペインにあるガソリンスタンドの69.5%が中小企業による運営となっているが、約3700軒が小規模な自営業として運営されており、これら小規模経営のスタンドでは、長く続いたコロナ危機による各種行動規制の影響で売り上げが激減し、苦しい時期を過ごして来たことも影響し、経営状態が悪化しているところが多い。
そこへ追い打ちをかけるように始まったのが今回の政府による燃料費特別支援政策で、給油にやって来る利用者への政府による支援分を、その都度ガソリンスタンドが立て替える形で割引することが義務付けらており、この建て替えが、小規模営業のスタンドにとっては経済的な負担が大き過ぎ、継続不能な状態に陥りつつある。

ガソリンスタンド連盟によると、年間100万リットルのガソリンやディーゼルを販売する「地方の平均的なガソリンスタンド」の場合で、1カ月につき16.666ユーロの建て替えを行なわなければならず、これはつまり毎月、年間収益45.000ユーロの3分の1に当たる金額を建て替えなければならないことになると言う。
政府は、同政策を開始した4月については、各ガソリンスタンドの経済的負担を軽減するために予想販売量に合わせた割引分の先払いを行なったが、予想販売量の計算がコロナ危機で車による外出が極端に少なかった前年度の売り上げ額を基本にして行なわれたため、今年の売り上げとは似ても似つかぬものとなり、その結果として先払いとして支給されたのは、実際の立替額の50%にしか満たなかったとのこと。
そして5月以降、政府による先払い制度は廃止となり、100%各ガソリンスタンドによる立て替えとなったうえに、各月の立て替え分は翌月15日までに返金申請を行ない、行政が持つ返金猶予期間(申請期日の翌16日以降、30日間)を待たなければならない。
更には、申請を終えたあと30日間を過ぎても返金が無い場合、何等かの理由で申請が却下されたと解釈されるため、その月の立て替え分を取り戻せるのがいつになるか判らないとのこと。
ガソリンスタンド連盟は、こう言った状況では営業不能に陥る小規模スタンドが急増し、ガソリンスタンドが姿を消す小村が増える可能性が高く、これを防ぐためには、政府による先払い制度を復活させるか、そうでなければ金利ゼロによる貸し出し制度を立ち上げることを要求している。

ジョビウ ウィルス(LLOV)取り出しに成功

ジョビウ ウィルス(LLOV)は、2002年にスペイン、アストゥリアスのジョビオにある洞窟で大量死していたコウモリのRNA(リボ核酸)から始めて発見されたが、今回、初めてこのウィルスを取り出す事に成功した。
ジョビウはエボラ ウィルスと同じくフィロウィルスに属するものだが、エボラがこれまでアフリカだけで発見されているのに対し、ジョビウは現時点ではヨーロッパのみで確認されており、アストゥリアスでの発見のあと、ハンガリーでも同種のコウモリから確認されている。
これまでの研究でジョビウは人への強い感染力を有し、人体の細胞内で増殖することが確認されているが、ジョビウとエボラ、両ウィルス間での抗体の交差反応性は無いことが判っており、人への感染が広がった場合、現存の対エボラ・ワクチンを利用することは不可能とされており、専門家等はジョビウに対するワクチンの開発が急務であるとしている。


2022年5月9日(月)

インフレにより無印商品の売り上げ急増

エネルギー費全般の高騰やウクライナにおける戦争による様々な食品の値上がりに伴い、スペイン国民の家計への圧迫が急速に進みつつある。
今年第1・四半期が終わった時点での消費者物価指数を見ると、全体としては9.8%のプラス、食品や日用雑貨など日常の買い物では6.8%のプラスとなっている中、レストランやバルでの値段は3.6%のプラスに抑えられている。
飲食業界では、肉、魚、野菜、果物、牛乳、油、小麦粉、卵など、サービスを提供するのに不可欠となる食材のほとんどが値上がりしていることから、利用者への販売価格の値上げの検討を余儀なくされており、多くの店では、これまで仕入れていた食材をブランド品から無印商品に変えたり、ランチメニューの内容を変更、工夫するなどして値上げを最小限に抑えるよう努力しているが、すでに飲食業全体の69.8%が何等かの値上げを行なっている。
また、食糧品スーパーも安売り製品を探し求める消費者の増加を強く実感しており、3割〜5割引きの大幅な値引き商品の継続的な維持や、大手スーパーチェーンの場合では一般の食料品メーカーのラベル付き商品ではなく、より安値で販売できる自社印の商品の充実に力を注いでいる。

Covid19: スペイン、平均寿命ランキング脱落

スペインにおける平均寿命は、1999年から2019年までの20年間に渡って伸び続け、女性の場合で3.9年、男性の場合で4.5年のプラスとなり、全世界における長寿大国の一つとなっていた。
しかしながら2020年、新型コロナ危機が始まり、最初の非常事態宣言が出された3月だけで、死亡者数は例年の年間死亡者数の80.8%増しとなり、スペインの平均寿命は大きく後退することとなった。
Covid19による平均寿命への影響がヨーロッパで最も大きかったのがスペイン、ベルギー、ブルガリアで、2020年には1.3年のマイナスとなり、これにポーランド、イタリア、ルーマニアの1.2年減が続いた。

スペインを例にとると、2019年の平均寿命が83.6歳であったのに対し、2020年には82.3歳(女性:85歳強、男性:79歳)へと21年ぶりの後退となった。
更に細かく見ると、ヨーロッパでも最も平均寿命への影響が目立ったのがマドリッド州で、2019年度比較3.5年減となり、男女平均で2019年には85.8歳だったのが2020年には82.3歳まで下がった。
マドリッドに続いて大きな影響が出たのがカスティージャ・ラ・マンチャ州、そしてヨーロッパ内で最初の感染拡大拠点となったイタリアのロンバルディア州で、共に2.8年のマイナスとなった。


2022年5月7日(土)

マドリッド、サラマンカ地区でガス爆発

昨日の午後1時頃、マドリッドの中心部にあるサラマンカ地区で大きな爆発があった。
付近の住民による「強いガスの匂いがした」との証言から、ガス漏れによる事故の可能性が高いとして調査が進められている。
爆発があったのはヘネラル・パルディーニャス通り35番地、アジャラ通りとの角地にあたる建物で、周囲には商店やバル、レストランも多く、また、アジャラ通りを挟んで正面には幼稚園から高等教育までを行なっているピラールの聖母学校もある。
事故による怪我人は約20名で、内1名が重症。
また、死亡者が2名確認されている。
爆発があった建物では、改装工事を行なっている階もあったとのこと。
通りを挟んで隣接する学校では、爆発音の直後、全生徒を建物内に避難させており、被害にあった生徒はいないとのこと。


2022年5月6日(金)

ペガサス スパイ行為: 国家情報局、18名に対するスパイ行為を認める

昨日行われた国家機密会議には、これまでで初めて独立派政党所属の議員等の姿が見られた。
初参加となったのはカタルーニャ独立派政党ERC所属のガブリエル・ルフィアン議員、同じくカタルーニャ独立派政党Junts所属のミリアン・ノゲラス議員、カタルーニャ過激独立派政党のアルベルト・ボトラン議員、そしてバスク独立派政党でありかつてのテロ組織ETAの後身とも言える政党ビルドゥ所属のメルチェ・アイスプルア議員などである。
会議は閉ざされた空間で行われ、その中で話されたことを外部へ持ちだす事は許されておらず、参加者の携帯端末も入室前に所定の場所に預ける形となる。
よって、会議中に得られた情報で、政府筋が発表する内容以外のものが公開されることは理論上あり得ないこととなっているが、今回の会議では初参加の独立派政党所属の議員等が複数存在することからも、守秘義務が遂行されるかどうかについての疑問が少なからず存在していた。
結果として、会議終了後、何人かの独立派議員による情報漏れが生じている。

今回の会議でその主要テーマとなったのは、独立派政党関連者60数名を対象としたスパイ行為の真相だが、説明を求められた国家情報局のパス・エステバン局長は、スパイウェア、ペガサスによる独立派政党の党員等計18名の携帯端末を対象としたハッキング行為について、最高裁からの認可と要請を受けて国家情報局が合法的に行な ったものであることを認めた。
ただし、残り40数名の携帯端末については、国家情報局は全く関与しておらず、それが外国、或は国内からのものであっても、国家情報局以外の何者かによる行為であると指摘した。
エステバン局長による機密開示により、独立派政党による中央政府への責任追及の圧力が強まることは必至となるが、これに対しペドロ・サンチェス首相は、「最高裁命令によって情報局が行なった行為であって、政府は無関係であり、その責任追及を受ける理由は無い」として、今回のスパイ事件についてあくまでも政府の関与を否定して いる。

ディーゼル料金、過去最高に

4月1日より始まった20センティモ/リットルの経済支援が続いているが、燃料費の値上がりはそれを上回る勢いで続いている。
特にディーゼル料金の高騰が目立っており、ガソリン料金を追い抜いた状態がすでに5週目に突入となり、これまでで初めて、1リットルあたりの値段が2ユーロの壁を越えつつある。
現時点でディーゼルの値段は全国平均で1.872ユーロ/リットルに達しており、全体の11,3%にあたる1.288件のガソリンスタンドでは約2ユーロとなっている。
正確にはこの1.288件の内、2ユーロに達している所が780件で、残りは1.999ユーロとなっており、その他、6000箇所でも1.9ユーロ以上となっているとのこと。
ガソリンについても高騰が続いているが、ディーゼルほどでは無く、全国平均で1.837ユーロと、過去2番目の高値となっている。


2022年5月5日(木)

Covid19: 高齢者への4度目の接種、先送りを検討

対新型コロナ・ワクチン、4度目の接種は、すでに免疫不全疾患を持つ人々を対象に開始されているが、それに続いて高齢者への接種についても認可を行なうよう幾つかの州政府から要請が出されている。
スペインでは、感染拡大を防ぐために行われていた行動規制のほとんどが解除され、その結果として感染は明らかに拡大傾向にある。
現在、重症化しない限りは、PCR検査による感染確認は60歳以上のみを対象に実施されており、それ未満の年令層における感染拡大については事実上、無視された形となっている。
よって政府が発表する感染状況は60歳以上の年令層のみを対象とした情報となっており、国民全体の状況を把握することは不可能な現状である。
そう言った中で、60歳以上の年齢層における感染状況は「危険レベル:高」に達しており、80歳以上の年令層に限った場合、更に深刻な状況となっている。

本日行なわれる中央政府と各州行政とによる合同保健会議で、4度目のワクチン接種の認可についての協議が予定されているが、アストゥリアス、アンダルシア、ガリシア、ムルシアなど、感染拡大状況が特に悪化している州が中心となって4度目接種の即刻の認可を要請している中、医療専門家等はこれを可能な限り先送りに、出来れば年末まで延期することを推奨している。
その理由として2点を挙げているが、一つ目は、通常、肺疾患系のウィルスがより活発化するのは冬で、今、4度目接種を行なっても、またすぐに冬の到来に合わせて5度目の摂取を行なう必要が出て来る可能性が高いと言うこと。
そして二つ目の理由として、ファイザー社、モデルナ社が現在、開発を進めているCovid19の初期ウィルスとオミクロンとの混合型ウィルスに対応させた新型ワクチンの販売開始が年内の予定となっていることから、これの認可、販売を待ってから4度目接種を実施するのがより効果的であるとしている。
ただし、4度目接種の先送りについては、あくまで感染拡大状況次第で、更に悪化が続くようであれば、即刻開始と言う判断もあり得ると、専門家等は指摘している。

社会保険制度加入者数、初の2000万人超え

今年4月は、3年ぶりに新型コロナ関連の様々な行動規制による制限を受けないセマナ・サンタ休暇を利用しての国内旅行が盛況となり、これに伴って国内旅行を中心とした旅行業、飲食業などが中心となっての新規雇用が急増した。
その結果として、4月には社会保険制度加入者数が184.577名の増加となり、総数は2,001万9.080名と、これまでで初めて2千万人を超える数字となった。
特に目立ったのがホテルやレストラン、バルなどの雇用で前月と比べて11万人の増加となった。
この記録的な雇用増加について、政府は労働法改正などの成果として評価しているが、4月は毎年、セマナ・サンタ休暇の影響で雇用が急増する月となっており、今年は2008年4月以来、最も失業者総数が少ない4月となったとは言え、それでも尚、失業者総数3.022.503名と言う現実がある。
そしてスペインにおける失業率は依然として高く、ギリシャやイタリアを上回ってEU諸国内で最悪となっている。
今年3月時点でのEU統計局まとめによると、スペインの失業率が13.5%であるの対し、2番目のギリシャが12.9%、3番目のイタリアが8.3%、そしてEU平均は6.2%となっており、スペインの雇用状況はEU平均値からまだまだ遠い位置にあるのが判る。


2022年5月4日(水)

ペガサス スパイ行為: 国家情報局、首相発言に疑惑

スパイウェア、ペガサスによる独立主義政党関連者を中心とした大規模スパイ行為が行なわれていたことが発覚したことにより、政府への責任追及の圧力が強まる中、去る月曜日に政府は、サンチェス首相やロブレス防衛大臣も同様のスパイ行為の被害を受けていたことを発表した。
独立主義政党関連者が使用していた携帯端末への攻撃についての捜査を進めると共に、首相をはじめ、中央政府要職に就くメンバーが使用する携帯端末の安全状況についての確認を行なう中で発覚したもので、政府はこれらのスパイ活動が、政府外部より行われている行為であるとの見方を強めている。
実際、ペガサスによるヨーロッパ諸国でのスパイ行為は急増しており、イギリスのThe Guardian紙が得た情報によると、スペイン国内のモバイル端末200台を対象としたモロッコによる攻撃が確認されているとのこと。

スペインでは政府が使用している携帯電話の安全性を確保するため、国家情報局が外部からの全ての攻撃を監視しているが、今回、首相や大臣の携帯電話への攻撃があったことや、その発見が遅れたことから、国家情報局長の解任の噂が広まり始めている。
しかしながら、情報局だけでなく、外部の専門家等の間でも、政府による突然の「首相と大臣の携帯電話も攻撃を受けたと言う発表」に対して疑問を抱く者が多く、政府による「加害者から被害者へ転じるための」茶番劇に過ぎないとする見方が強い。
専門筋は、スパイウェアの攻撃を受けたまま、1年近くもの間、それに本人が気付かずにいることは考えにくく、また国家情報局がそれを探知できずにいることもあり得ないとしており、政府が今回の独立主義政党関連者を対象とした大規模スパイ行為の責任を、国家情報局に押し付けて逃げ切ろうとしているのではないか、と言う憶測を強める一因となっている。


2022年5月3日(火)

ペガサス スパイ行為: サンチェス首相、ロブレス防衛大臣にも被害

イスラエルの企業が国家の政府を対象に販売や貸し出しを行なっているとされるスパイウェア、ペガサスを使ったカタルーニャ、バスク独立主義政治家等を対象としたスパイ行為が発覚したことで、スペインの中央政府への責任追及の圧力が強まっているが、昨日、政府はペガサスによる攻撃を受けたのは独立主義政党の関係者だけではなく、ペドロ・サンチェス首相、そしてロブレス防衛大臣についても同様の被害を受けていることを明かした。
これまで公表はされていなかったが、すでに国家裁判所への届け出は済んでおり、裁判所から警察、治安警備隊へその調査命令が出されているとのこと。
首相のスマートフォンへの攻撃があったのが昨年の5月と6月で、最初の攻撃で2.6ギガバイトの情報が、そして2度目の攻撃で130メガバイトの情報が盗み出された。
また、大臣への攻撃があったのは昨年6月で、9メガバイトの情報が流出したとのこと。

この時期に重なっていた大きな出来事と言えば、ポリサリオ前線の指導者ブラヒム・ガリ氏の突然のスペイン入国と、スペイン政府の同氏受け入れに対する報復行為と解釈し得る、モロッコからセウタへの大規模な違法入国、そしてペレ・アラゴネス氏のカタルーニャ州知事就任と中央政府によるカタルーニャ違憲独立運動に関わった政治家等に対する恩赦の適用開始、などが挙げられる。

今回の中央政府による首相、防衛大臣への攻撃事実の公開は、ペガサスの被害に遭ったのが独立主義政党関連者だけでは無いことを強調するのが狙いと見られる。
また同時に、ペガサス使ったスパイ行為がスペインの国外から行われている可能性、そして同スパイウェアがイスラエルの販売元企業の主張とは異なり、国家政府のみが販売対象となっているのではなく、それ以外の個人や組織に対しても販売されている可能性が高い事を示唆している。
尚、ペガサスはすでにメキシコ、モロッコ、カタール、イエメン、アラブ首長国連邦、バハレーン他、45か国の政府が所有しており、これまでに大統領、首相、国王など各国政府の代表だけでも14名の被害が確認されている。


2022年5月2日(月)はマドリッド州の祝日です。

公共医療: 706.740人が手術の順番待ち

スペインにおける公共医療は基本的に患者側の負担額は無く、無料で受けられるものとなっているが、常に需要が供給を上回っており、患者の容体に合わせての即対応が困難となっている。
そして近年、Covid19の感染拡大がその状況に拍車をかけることとなった。
Covid19への対応に追われる医療が、予定されていた手術を後回しにしてCovid19患者への対応を最優先としたため、特に2020年の感染拡大第1波の時には、予定が組まれていた各種手術の大規模なキャンセルとそれに伴う延期が行われた。
これにより、常に問題視されていた手術の順番待ち期間が更に長くなり、今もその影響を引きずっている。

Covid19危機が始まる前の2019年12月時点で、公共医療による手術待ちとなっていた人の数は全国で704.997名と、一つのピークを迎えていた。
また当時の平均待ち期間は121日、そして手術待ちの人々の中で6カ月以上待たされていると言う人の占める割合が19.9%だったのに対し、1年後の2020年12月には手術待ちの数が691.508名と、1年前に比べて少し緩和されたが、平均待ち期間は170日に達し、6カ月以上待たされている人の割合も33.8%に至った。
その後、Covid19への対応に慣れて来たこともあって徐々に状況は改善に向かい、2021年6月には手術待ち661.162名、平均待ち期間121日、6カ月以上待たされている人の割合は18.9%まで減ったが、2021年12月には再び悪化傾向に戻り、手術待ち706.740名と過去最多記録を更新し、手術待ち平均期間が123日、6カ月以上待たされている人の割合が20.3%と、半年前に比べて増加した。

更に、手術待ちの状況について忘れてはならないもう一つの現実が存在する。
スペインの公共医療の利用では、通常、居住地域にある公共医療の診療所で主治医を決め、全ての医療相談はこの主治医を通じて行なうこととなる。
主治医による初診を受けたあと、必要と判断された場合、血液検査や尿検査などの簡易検査が行われ、その結果次第で更なる専門的な診察が必要と判断された場合に各種専門科医へと送られることとなり、そこで初めて専門医による診療の予約を取ると言う段階へ進むが、この専門医による初診の予約が取れるのにかかる時間がまた長い。
全国平均で見た場合、平均待ち期間はコロナ危機が始まった2020年度の年末では115日に達しており、その後、2021年6月には75日まで減り、2021年12月には89日と再び増加傾向となっている。
つまり、「主治医が専門医による往診が必要であると判断してから専門医に診てもらえるまでの平均待ち時間が89日あり、その後、専門医が手術の必要ありと判断して手術の順番待ちの列に加えてから、平均123日待たなければ手術を受けられない」と言うのが、最新のまとめとして公表された2021年末現在でのスペイン医療の実状と言える。

尚、これら平均値は専門の科によって大きな差異があるため、待ち時間がほとんど無い科もある。
最も危機的な状況にあって平均値に悪影響を与えているのが外傷外科で、これに眼科、一般・消化器系外科が続く。
逆に待ち時間が短いのは胸部外科、心臓外科などとなっている。
また、これらは全て公共医療による無料サービスの利用に関する現状で、私企業が販売する医療保険に加入している人は、公共サービスとは別に各自が持つ保険を利用して私設病院での対応を受ける例も多く、その場合、待ち時間は極めて短いのが一般的である。


2022年4月29日(金)

独立派政党、国家機密へのアクセス権を入手

マルウェア、ペガサスを使用したカタルーニャやバスクの独立派政党関係者へのスパイ行為が発覚したことによる政治危機に対応する目的で、政府は、国家機密委員会の設立と、その構成メンバーとして独立派政治家等の参入認可について画策していた。
まず、国会において少数派となっている独立派政党の参入を可能にするためには、国会における可決に必要な票数の変更を行なう必要があった。
これまで認可を受けるには議席数の5分の3にあたる210票が必要とされていたが、サンチェス政権は独立派政党を構成メンバーとして招くために、この必要票数を総議席数の過半数となる176票に変更。
これによって昨日、カタルーニャやバスクの独立派政党の議員が国家機密委員会の構成メンバーとしての承認を得ることとなった。
新規設立となる同委員会の初期メンバーとなるのは、エクトル・ゴメス議員(PSOE所属:280票により承認)、クカ・ガマラ議員(PP所属:282票)、イバン・エスピノサ議員(VOX所属:270票)、パブロ・エチェニケ議員(PODEMOS所属:272票)、エドムンド・バル議員(CIUDADANOS所属:276票)、アイトール・エステバン議員(PNV所属:275票)、そしてガブリエル・ルフィアン議員(ERC)、ミリアン・ノゲラス議員(JUNTS)、メルチェ・アイスプルア議員(BILDU)、アルベルト・ボトラン議員(CUP)等の独立派議員(186票)となった。
これにより国家情報局が持つ国家機密に対し、初めて独立派政党がアクセス権を持つこととなる。

与党、そして独立派政党以外の政党からは、国家の安全を脅かす大失策であるとの声が挙がっており、PP所属で現EU議員を務めるホセ・マヌエル・ガルシア・マルガジョ氏は、政権維持のために、憲法を尊重せず国家の分断行為を繰り返す独立主義者等に国家安全維持のための機密事項を公開するのは自殺行為としか言い様が無く、こ の愚行を行なうサンチェス首相が政権から退いたとしても、その傷跡は長くスペインを苦しめることになるだろうと指摘している。


2022年4月28日(木)

ペガサス スパイ行為: 防衛大臣の辞任を要求

イスラエル製マルウェア、ペガサスを使ったカタルーニャ、バスク独立派政治家等を対象にした大規模スパイ行為について、国会における政府の説明が行なわれたが、これに納得する政党は無く、政府に対する追及は強まる一方となっている。
国家情報局がペガサスを有しているか、また、それを使用しているか、と言った問いに対する政府の回答は、「国家の安全保障に関する機密事項であるため答える事が出来ない。また、全ての対応は必要な法的手続きを経て、憲法と法律に準じた形で行われている。」の一点張りで、明確な回答は一切、提示されないままとなっていた。
これに対し独立派政党、民族主義政党が批判の声を強める中、昨日の国会で、マルガリータ・ロブレス防衛大臣が放った言葉が物議を醸している。

ペガサスを使ったスパイ行為を行なったとの疑惑を持たれている国家情報局は、防衛大臣の管轄下にあることから、責任追及の声はサンチェス首相、そしてロブレス防衛大臣に集中しているが、昨日の国会討論で同大臣が「憲法を無視する者(違憲州民投票や一方的な独立宣言を行なったカタルーニャ独立派政党)を前にして、国家や政府は一体何をすべきか?」と言った発言を行なった。
独立派政党は、この発言がそのまま「国家がスパイ行為を行なった」ことを認めたものとして解釈し、カタルーニャのペレ・アラゴネス州知事はマルガリータ・ロブレス氏について、大臣職不適任者であり即刻辞任すべきであり、そうでない場合はサンチェス首相による即解任を要求した。
一方で当のロブレス大臣はこれらの攻撃に対し、「何の証拠も無い虚偽の告発に過ぎず、彼等がその気になればマノレテ(1947年に亡くなった名闘牛士)の死すら政府のせいにするだろう。今、あたかも都合よく被害者のような振りをしているが、彼等が国家の基本的権利や国民の権利と自由を擁護しようとする姿など見たことがない。」と反論している。


2022年4月27日(水)

マドリッド、地下鉄ストライキ

本日4月27日の11時〜14時半にかけて、マドリッドの地下鉄サービスのストライキが行われるが、ミニマムサービスとしては70%が予定されている模様。
また、ストの時間に合わせる形で、11時半〜13時半にかけて国会議事堂前でのデモが予定されている。
今回のストは、マドリッドの地下鉄設備(車両、駅など)におけるアスベストの存在について、これによる地下鉄職員の健康への被害を公営企業である地下鉄マドリッドに認めさせること、また、被害を受けた職員やその家族への補償制度の設立や、被害者の特別早期退職制度の適用などを要求することを目的として行われる。 

Covid19:児童の精神状態に大きく影響

子供向け製品および娯楽技術研究所AIJUが行なったアンケート調査によると、Covid19の感染拡大に伴ってとられた様々な行動規制により不安、悲しみ、恐れ、怒り、不眠症、注意力散漫など、精神的に不安定となっている児童が全体の30〜45%を占めているとのこと。
まとめによると、否定的、或は不快な感情を持つ児童の割合がCovid19以前と比べて40%増加しており、子供達はより多くの悲しみ(31%増)、怒り(57%増)、退屈感(50%増)、不安感(50%増)を抱いている。
これらの調査結果は昨日、4月26日(スペインにおける児童の日)に合わせてAIJUが行なった「児童のための研究と教育学フォーラム」で発表されたもので、その中で心理学者シルビア・アラバ氏は、児童にとっては、Covid19危機による生活環境の突然の大きな変化に感情を適応させることが、成人より困難であることを指摘し、彼等が考えていること、感じていることなどを尋ね、耳を傾けることが大人の大切な役割であると述べた。

マドリッド州政府、帯状疱疹ワクチン摂取開始

マドリッド州政府は、5月第1週より帯状疱疹ワクチンの接種を開始する。
行政による無料接種として帯状疱疹ワクチンが含まれるのは、スペイン国内の全州でこれが初めてである。
州政府は、最終的には全州民を無料摂取の対象にするとしているが、免疫疾患を持つ人などについてはすでに接種が開始されており、今回、5月第1週から、新たに65歳〜80歳の年令層が対象となる。
摂取を希望する人は、特にワクチン接種としての予約をする必要は無く、いつでも主治医へ赴く時にその旨を伝えれば良いとのこと。
同ワクチンは2度の接種を必要とする。


2022年4月26日(火)

国王、資産を公開

昨日、スペインの国王、フェリペ6世は個人として所有する資産について、初の公開を行なった。
これによると、銀行口座にある預金総額226万7.942,80ユーロと30万5.450ユーロ相当の美術品、骨董品、貴金属類など、合わせて合計257万3.392ユーロの財産を所有しており、これらの出どころは1998年から皇太子として、そして2014年からは国王として、この約25年間、職務を果たしてきた間に受け取った、王室用に充てられた予算であるとしている。
その間に国王が受け取った総額は427万5.796,94ユーロとなるが、これから諸税が差し引かれることとなり、その計算や申告は国税庁マドリッド支部が補佐しているとのこと。
この情報公開によると、国王には個人所有物としての不動産物件や外国に持つ資産は存在していない。

国王フェリペ6世は、その即位当時より、王室や政府は道徳的、倫理的模範であるべきことを強調しており、今回の資産公開も、国民に対して王室の公正さと透明性を示すためのもので、異例と言える。
国王はこれまでにも、王室が受け取る年間予算の開示や、その予算を受け取る対象者の縮小、予算を受け取りながらの企業での就業と受給の禁止など、即位後の約8年間に王室の在り方についての様々な改革を行なって来た。

Podemos、国王の資産公開を信用せず

国王フェリペ6世がその個人資産についての公開を行なったことについて、Podemosから強い反発が見られた。
同党代弁者を務めるパブロ・エチェニケ氏は、「国王がどれだけ誠実な言葉を並べたところで、国王不可侵の制度がある限り、その内容の真偽についての確認を行なう事は不可能であり、結果、信憑性を疑わざるを得ない。何をどう偽装しても、法の枠外で世襲制により得られた地位が意味するものを隠すことは出来ない。」と痛烈な批判を 行なった。
Podemosは現在、PSOEと共に連立政権を組む政党だが、その創立当時よりスペインの王室制度に反対の姿勢を見せており、国王が中心となって行われるあらゆる公式行事への出席を可能な限り拒絶し続けている。


2022年4月25日(月)

外国人による不動産購入、最多数がモロッコ人によるもの

スペイン公証人評議会まとめによると、2021年度にスペインで不動産物件の購入を行なったスペイン在住外国人の中で最も多かったのは、モロッコ人であった。
2020年、Covid19感染拡大の影響で様々な行動規制が布かれた影響もあり、不動産売買数は大きく減少したが、2021年末には大きく回復して売買総数は63.934件にまで達し、その内の5.162件はスペイン在住のモロッコ人によるものだったとのこと。
この傾向はスペインの多くの地域において見られたが、例外としてガリシア、カナリアス、バレアレス、バレンシアなどではモロッコ人よりもドイツ人、イタリア人、ポルトガル人、イギリス人などによる購入が目立った。
尚、購入数では在住外国人の中でモロッコ人が最多となったが、彼等が購入した不動産の価格は安価なものが多く、その平均価格は1平米あたり668ユーロの物件で、モロッコ人の次に多かったルーマニア人の場合で1平米あたり990ユーロの物件、次いでエクアドル人が1.087ユーロの物件と、スペインの全国平均価格2.016ユーロに比べて安価なものがその中心となっていた。

原因不明の小児肝炎感染者数、スペインでも増加

イギリスで最初の警鐘があった原因不明の小児肝炎の感染確認数は増加を続けており、WHOではすでに11カ国で計169件の感染を確認している。
その多くがヨーロッパに集中しており、中でも最も多く報告されているのがイギリスで、すでに114名に達しており、これに続いて多いのがスペインの13名(カタルーニャ5名、アンダルシア2名、ガリシア2名、アラゴン1名、カスティージャ・ラ・マンチャ1名、マドリッド1名、ムルシア1名)となっている。
またヨーロッパ以外ではイスラエルで12名、米国で9名が報告されている。
感染者の内、17名(およそ10名に1名)が肝臓移植が必要となり、1名が死亡しているが、現時点でその原因はまだ判明していない。
最初に報告されたのは今月5日にイギリスで確認された10名だったが、いずれも10歳未満の健康な子供達だった。
現時点で報告されている感染者の年令層は生後一カ月から16歳で、74人からアデノウィルスが検出され、その内の18名はアデノウィルス41型であることが確認されている。
また、約20名からCovid19の原因となっているウィルスSARS-CoV-2が検出されているが、これらと肝炎との直接的関連性は考えにくく、未だ原因不明となっていることから、Covid19への対応で習慣化した日常生活における基本的な衛生対策を続けるよう呼びかけている。


2022年4月23日(土)

独立派政治家等へのスパイ行為についての説明を要求

去る火曜日に、カナダのトロントに本部を持つCitizen Labが、スペインにおいて独立主義政党の政治家を中心とした60名以上を対象にしたスパイ行為が行われていること確認したと発表した。
これを受け、スペインの独立主義政党、民族主義政党を中心に、中央政府に対する激しい追及の声があがっている。

スパイ行為に使われたのはペガサスと呼ばれるイスラエルで開発されたマルウェアの一種で、これを通じたスパイ行為が2017年〜2020年の間に、少なくとも独立主義政治家等を中心とした63名を対象に行われていたとのこと。
被害に遭った政治家はカタルーニャの独立派政党所属の政治家、独立派協会の主要メンバー、カタルーニャ独立派政治家等の主要弁護士、バスク独立派政党の政治家などで、現在の中央政府が事実上その政権を維持するのに少なからずも協力している政党の関係者等となっている。
これについて昨日、被害に遭った政治家が所属する全政党が、連名で同件についての調査委員会の設置、そしてペドロ・サンチェス首相だけでなくフェルナン・マルラスカ内務大臣、マルガリータ・ロブレス防衛大臣、治安警備隊長官、国家安全局長、国家情報局長他、複数の高官等による国会における説明を要求した。
ただし、PSOEと連立政権を組むPODEMOSは、スパイ行為についての糾弾は行なってはいるが、連名でのサインには加わっていない。
カタルーニャ独立派政党は、中央政府による責任ある説明、そしてスパイ行為の責任者の追求と正当な法の裁きがあるまで、カタルーニャと中央政府との全ての交渉は中断とし、また、連名でサインした全政党が中央政府への協力を拒絶するとの最後通告を行なっている。

一方、中央政府は同スパイ行為についての政府による関与を全否定している。
使用されたマルウェア、ペガサスはイスラエルのNSO Groupが開発したモバイル末端用スパイウェアだが、テロ活動やサイバー犯罪、麻薬取引、人身売買などの取り締まり強化を目的として作られたもので、国家の中央政府のみを対象に販売されている。
そのため、今回の一件についての責任追及がスペインの中央政府に集中しているが、中央政府は、「政府による」との報道が見られるだけで、「スペイン政府による」と言った情報は一切、存在していないと強調し、他国による干渉を示唆している。
また、スペインの国家情報局がこのペガサスを所持し、使用しているかと言う問いに対して、「国家の安全に関する事項は機密事項として法により守られているため、答えることは出来ない。」と中央政府は回答している。

このスパイ行為が行われたとされる時期は、カタルーニャで違憲独立運動が激化していた時に重なっているが、スパイ行為自体は、カタルーニャ州政府がカタルーニャ警察を一般市民として首都マドリッドに潜入させ、中央政府の主要メンバーを監視させていたなど、行政が公費を使って当然のように行っていたことで、特に珍しいことでは無い。
しかし、今回の一件がスペイン政府によるものであることが証明されれば、ペドロ・サンチェス率いる現政権が今後、苦しい立場に追いやられることは必至である。


2022年4月22日(金)

公的社会保険制度加入者数、過去最高に

政府の昨日の発表によると、Covid19やウクライナ問題の影響による経済危機が続く中ではあるが、健康保険や年金保険が統一されているスペインの社会保険制度への加入者数は、過去最多に達しているとのこと。
4月21日時点で加入者総数は2.005万7.588人となっており、これまでで初めての2千万人超えとなった。
この増加はそのまま雇用契約の増加を意味するが、雇用数の増加だけではなく、その契約内容にも変化が見られ、1年前には新規契約全体の70%が契約期間7日以内の一時雇用契約であったのに対し、今年はその種の契約は30%程度まで減少している。
その一方で期間限定では無い正規雇用が急増しており、今年4月に入ってからの新規契約では正規雇用が77%を占めている。

マスク着用義務解除によりマスクの税率が戻る?

Covid19感染拡大防止対策の一環としてマスクの着用が義務付けられていたことにより、スペイン政府はマスクを生活必需品として最小税率対象品目の一つとし、その税率を従来の21%から4%に引き下げていた。
しかし、これはCovid19の感染拡大状況の変化次第で変更となる「一時的な引き下げ」として行われたもので、昨年12月にその延長が決定となり、その延長期間が今年の6月をもって終了となる。
この減税対象となったマスクは簡易マスクだけであり、より感染防止効果が高いとされるFFP2などには適用されなかったが、それでも2021年度、この減税によるスペイン政府の減収は1億3700万ユーロに達したとのこと。
更に、マスク以外の医療・衛生用品など、同様に減税の対象となったものによる減収は1億4600万ユーロに達しており、今月20日よりバルやレストラン、劇場など、室内においてもマスク着用義務が解除されたことから、簡易マスクの税率が7月以降、元の21%に戻されるとの見方が強まっている。


2022年4月20日(水)

Covid19: 屋内でのマスク着用義務解除

スペインではこれまで、バルやレストラン、商店、劇場、映画館など、屋内におけるマスク着用義務が維持されて来たが、昨日の政府広報でこれの廃止が発表となり、本日よりこれが有効となる。
学校教育の場においても、これまでは運動場などではマスクを外せても、教室内では着用が義務となっていたが、本日以降、これも必要では無くなる。
高齢者施設では、入居者はマスク着用義務が無くなるが、そこで働く職員、そして親族や友人など入居者を訪問する人々については着用義務が維持される。
また病院など医療施設内については、入院患者が自身の病室で過ごす時を除き、その他全ての状況でマスク着用義務が維持される。
更に、バス、地下鉄、鉄道、飛行機など、公共交通機関の利用時についてもマスク着用が必要とされるが、駅舎内、地下鉄や列車の乗り場での待機時には不要となる。
また船の利用については、屋内で他人との安全距離として1,5メートル以上を保てない状況である場合はマスク着用義務が維持されるとのこと。 尚、個々の企業内におけるマスクの扱いについては、各企業で判断すべきとしており、政府はその手引きとなるものを近日中に公開するとしている。

春の積雪: 各地で通行止め

30度近い気温に身体が慣れ始めたかと思えたところで、大寒波Rossbyがスペインを覆いつつある。
これにより全国的な気温低下と雨や雪がもたらされており、本日、ガリシア、アストゥリアス、カスティージャ・イ・レオン、アラゴン、ナバーラ、マドリッド、アンダルシアなどの道路で積雪による通行規制や通行止めが多く見られている。
マドリッド州ではナバセラーダ峠越えの州道M601号線のKM15〜KM20間で、ネバダ山脈では州道A395号線のKM32〜KM38間で、アビラでも国道110号線のKM294〜KM301間で通行不能となっている。
またアストゥリアスのパハレス峠越えや州道AS112号線のラジャ付近で通行規制が行なわれており、ナバーラでも州道NA2011号線のKM7〜KM20間で通行止めとなっている。
その他にもセゴビアのビジャレホ付近の国道A1号線KM99地点、アストゥリアスの国道AP66号線、カンプマネス付近、ウエスカのA2606号線、パンティコサ付近、マドリッドのM604号線、ラスカフリア付近でも雪の影響が見られ、大型車の通行は禁止、そして乗用車の通行も積雪時用のタイヤやチェーン着用が義務づけられ ている。


2022年4月19日(火)

ガス料金高騰により火力発電依存度上昇

スペインにおける石炭を使った火力発電所は、その多くがすでに閉鎖されている。
残っている発電所についてもすでに閉鎖申請を終え、行政の認可待ちとなっているところが多く、それ以外の極一部が石炭ガス化複合発電への移行手続きを行なっている。
従来の火力発電は地球環境保護の意味から無くす方向で進められており、スペイン国内での石炭採掘はすでに行なわれていないことから、火力発電に必要な石炭は輸入する必要があり、この輸入にかかる費用とCO2排気量に応じてかけられる税金などによる経費増から、従来の火力発電を続けても電力会社としては利益が薄いためである。

そう言った中、昨今のガス料金の高騰によるガス発電力不足を補うため、閉鎖認可待ちとなっていた火力発電所が再稼働されており、今年第1・四半期におけるその発電量は昨年度同時期と比較して2倍に膨れ上がった。
2倍になったと言っても、スペインにおける発電量全体の僅か3%に過ぎないが、夜間9時から11時の間の電力不足を補うものとして使用されている。

郵便局の名を使ったフィッシング詐欺に要注意

郵便局の名を使ったフィッシング詐欺被害が広まっていることについて、スペインの郵政庁が警鐘を鳴らしている。
フェイスブックを通じた手口と、携帯電話のショートメッセージ送信によるものとが報告されており、その主な内容は、「受取人が現れることが無かった郵便物が大量に存在し、一定期間が過ぎた場合、郵政庁ではこれらを廃棄する権利を有するが、これらを1.95ユーロにて希望者に販売する」と言ったもの。
フェイスブックに見られる偽郵政庁のページは先月28日に作られたもので、そのページも、そこからリンクされているぺージも、全て郵政庁とは無関係である。
指示に従って進んで行くと、最終的にはクレジットカード情報を含む個人情報の入力を求められ、金銭の引き落としが行われるとのこと。


2022年4月18日(月)

高速鉄道サービス Iryo、今秋、新たに参入

スペインにおける長距離旅客鉄道サービスは、長年、国鉄RENFEのみによって運営されていたが、近年になって一部、他社の参入が始まっている。
現時点でフランス国鉄が所有するOuigo、そしてRENFE系列のAvloによる高速列車が運行されており、RENFEが行なってきた高速列車AVEのサービスと並んで利用されている。

ここへ新たに、今秋からIryoの参入が予定されている。
同社はバレンシアに拠点を持つスペインの航空会社Air Nostrum、イタリア国鉄、そしてマドリッドに拠点を持つインフラ開発企業Globalviaによって運営されるもので、まずはマドリッドーバルセロナ間の運行から開始し、その後バレンシア方面へ拡大、そして来年の頭にはセビージャ、マラガ、アリカンテ方面への路線についても開始するとしている。
マドリッドーバルセロナ間サービスのチケット販売は、今年9月からの開始予定となっており、運行は11月頃からとなる見込みである。
現在、RENFEのAVEと市場獲得を競っているOuigoやAvloが低料金を売りにしているのに対し、Iryoは低料金だけでなく、利用者の様々な要望に応えられるよう、多様な料金体系で幅広い客層をとらえたいとしており、スペインにおける高速列車利用者の約30%獲得を目指すとのこと。

また、今回10億ユーロの投資により開始することとなるスペイン高速列車市場参入だが、同社の予測では2026年ぐらいから収益を生み始めるとしており、そこから参入第2段階としてガリシア方面への路線についても運行を開始する予定とのこと。
ガリシア方面への参入は他路線とは異なり、別予算が必要となる。
その理由はガリシア方面の路線では、国際標準サイズとされるものと、イベリア半島標準サイズとされるものと2種の異なる幅の線路が使われており、この路線を走る列車は道中、車輪幅の変更を行なう必要があり、Iryo社が持つ列車は同システムを搭載していない。
そのためガリシア方面への運行を行なうためには、車輪幅変更装置を搭載した列車をレンタルするなど、新たに8億ユーロの投資が必要となる模様。

フェイホー効果によりPP支持率急上昇

第1野党PPの党首としてアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏が就任して僅か15日が過ぎた今、スペイン国民の各政党に対する支持率は大きな変化を見せている。
NCReport社が行なった世論調査によると、今、選挙が行われた場合、PPは123〜125議席の獲得が予測されるとしており、1カ月前の調査時の100〜102議席から大きく躍進した。
対する現与党PSOEは、1カ月前の118〜122議席から99〜101議席へと大きく後退となった。
また、PSOEと左翼連立政権を組むPODEMOSは、25〜27議席と前回から大きな変化は無く、極右政党VOXが前回の69〜71議席から53〜55議席へと後退したとは言え、PP支持率上昇の効果が大きく、左翼政党がカタルーニャやバスクの独立主義政党や民族主義政党などの協力を取り付けたとしても、国会における右翼政党が占める議席数は過半数を制する結果となっている。


2022年4月14日(木)
本日、明日は、聖木曜日、聖金曜日の祝日です

セマナ・サンタに3年ぶりの平常

「エルサレム入場、枝の主日」となった去る日曜日よりセマナ・サンタ(聖週間)が始まっているが、多くの州では本日の聖木曜日から聖金曜日、聖土曜日、そして復活の日曜日にかけて、また幾つかの州では明日の聖金曜日から復活の月曜日までの連休となり、この休暇に合わせてスペイン全国で人々の大移動が行われている。
セマナ・サンタはイエス・キリストの受難を思い起こし、そしてその復活を祝うもので、 キリスト教においてはクリスマスと並んで大切な祭事となっており、全国各地で宗教行列をはじめ、様々な行事が予定されている。
そう言った宗教行事の見学を目的とした旅行者もあれば、それとは無関係に休暇として旅行を楽しむ人も多く、毎年、この時期にはキリスト教国全体での大移動が見られ、観光関連業界にとってはまさに書き入れ時となる。
しかしながら、Covid19危機が始まって以降、2020年、2021年における2度の セマナ・サンタは感染拡大を抑えるために布かれた様々な行動規制があったことに より、あらゆる行事が開催中止となり、また、人々が自由に旅行に出かけられる環境も 無かった。
が、3度目のセマナ・サンタを迎える今年、ようやくスペインを含むヨーロッパの全ての国々でCovid19起因の行動規制がほとんど無くなり、3年ぶりのヨーロッパ内大移動が始まっている。
これまで旅行をしたくても出来なかった人々の旅行欲が 爆発したのか、未だヨーロッパ人を中心とした旅行者に限られており世界中のツーリストが戻って来た訳ではないのにも関わらず、スペイン各地の ホテルにおける予約率はCovid19危機が始まる前、2019年当時の90%程度にまで 回復しているとのこと。


2022年4月13日(水)

エネルギー危機続くも、原子力発電廃止計画は続行

燃料費、電気料金の高騰に加え、ウクライナ危機の影響によるロシアからEU諸国への天然ガス輸入停止へ向けての動き、そして西サハラ問題の影響を受けたアルジェリアからスペインへの天然ガス供給の減量など、エネルギー問題が日々深刻化する中、スペインでは原子力発電の廃止計画が頓挫すること無く、今も進められている。

EUではエネルギー危機を乗り切るため、今年2月に原子力発電を「持続可能で環境にやさしいエネルギー」の一つとして認定した。
当時、スペインはオーストリア、デンマークなどと共にこの決定に反対したが、賛成票が多く可決に至った。
これによりフランス、オランダ、ベルギーなど、今も原子力発電所を新しく増築する計画を進めているEU加盟国もあるが、スペインでは完全廃止に向けての計画が進められており、昨日、今後のおおまかな予定が公表された。
これによると、現在スペイン国内で稼働中の発電所は7つあるが、その全てが遅くとも2035年までには完全に閉鎖されるとのこと。
まず最初に閉鎖されるのが、カセレスにあるAlmaraz T発電所で2027年の11月に運転停止となる。
続いて同じくカセレスにあるAlmaraz U発電所が2028年10月に停止、タラゴナにあるAsco I発電所が2030年10月に停止、バレンシアのCofrentes発電所が2030年11月に停止、タラゴナのAsco U発電所が2032年9月に停止、同じくタラゴナのVandellos II発電所が2035年2月に停止、グアダラハラにあるTrillo発電所が2035年5月に停止予定となっている。

これらの原発を止めるのにかかる費用として、2100年までにおよそ265億ユーロが見込まれているが、最も経費がかかるのが核廃棄物の処理であり、その費用がおよそ136億ユーロとのこと。


2022年4月12日(火)

フェイホーPP新党首: アジュソに自由を

野党第1党PPの新党首に就任したアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏は昨日、党首として最初の党運営委員会議を開いた。
その中で、マドリッド州知事であるイサベル・ディアス・アジュソ氏に対する扱いについての姿勢を明確に示した。

今回のPP党首の前倒し選挙は、前党首であったパブロ・カサード氏と同党所属のマドリッド州知事、アジュソ氏との間での衝突が主な原因となった。
アジュソ氏の首都マドリッドにおける急速な支持率上昇、そして頻繁に見られた党本部とアジュソ氏との間での見解の違いなどから、両者の関係がぎくしゃくする中、アジュソ氏がマドリッドにおける政治にとどまらず、党首の地位を狙っていると言った噂も囁かれるようになり、両者間の関係は急速に悪化していった。
これらの衝突がパブロ・カサード氏を党首の座から身を引かせる結果につながったが、今回、新党首として選ばれたフェイホー氏は昨日の会議で、アジュソ氏との対し方についての重要な方針を示した。
それは「彼女にはやりたいように行動してもらえば良い」と言ったもので、仮にPP本部の意向とはそぐわない行動や発言があったとしても、“見て見ぬふり”をして、本部からそれに対する苦情や叱責は発しないとするものだった。
例として、極右政党Voxに対してPP本部とは異なる見解を表明したとしても、また、他州を政治訪問することでまるで彼女がPPの代表であるかのような印象が持たれるようなことがあっても(先週、彼女はバスクやナバーラを訪問)、PP本部からは何らこれに対する説明を求める必要は無いとしている。

これまでパブロ・カサード前党首時代は、中央集権型で党全体の方針をPP本部が統率する形で進められてきたが、フェイホー新党首は各任地でその責任者が才能を発揮して、それぞれの担当地方で党の勢力を伸ばしてくれることを望むとのこと。 

アルジェリアのガス輸出、スペインからイタリアへ乗り換え

これまで、アルジェリアによるヨーロッパへの天然ガス輸出の多くは、スペインを介して行なわれて来た。
ウクライナ危機勃発によりロシアからヨーロッパへのガス供給がいつ滞るか判らない状況となった今、アルジェリアからのガス確保はより一層、重要な課題となり、その経由地としてのスペインはヨーロッパへのガス供給の拠点となりつつあるかに見えた。
ところが、この絶妙なタイミングで持ちあがったのが西サハラ問題だった。
近頃、スペインとモロッコの関係が悪化しており、両国間の間を行き来していたフェリー船の運航も、世界レベルでのCovid19感染拡大により2年前からその運行が停止となっていたが、Covid19状況に一定の改善が見られ、国際間の往来が戻りつつある今も、スペインーモロッコ間の海の交通は閉ざされたままとなっていた。
両国関係の悪化が続く中、同時にアルジェリアとモロッコとの関係にも悪化が進み、両国間の国交は断絶状態にあった。

そう言った中でのスペイン政府による突然の「西サハラ=モロッコの領土」との見解発表を受け、モロッコとスペインとの国交は回復し、2年間、運行されていなかった海の交通も本日より再開されることとなったが、同時に、スペインは独立国家としての主権を主張する西サハラ住民、そして兼ねてよりこの西サハラの領有権争いに加わっていたアルジェリアとの外交危機を招く結果となった。
スペインのモロッコ寄り政策に対し、アルジェリアは即、その報復政策としてスペインへの輸出用ガス料金の値上げに踏み切った。
燃料、光熱費における前代未聞の高騰が続く中、頼みの綱であったアルジェリアからのガス料金値上げは、スペイン経済に大打撃を与える事となる。
アルジェリはガス料金値上げを輸出先国の中でスペインのみに適用することで、スペインへの輸出量を減らすと同時に、他国への輸出を増量することを決定し、その提携国としてイタリアを選んだ。
これまでガス消費量の大半をロシアに依存していたイタリアにとっては、アルジェリアからの輸出量増量の話は願っても無いチャンスで、昨日、両国間での調印が交わされた模様である。
これによりスペインは、国内におけるガス料金の高騰、そしてこれに引きずられて生じる電気料金の更なる高騰に苦しむだけでなく、アルジェリアからのガスをスペイン経由でヨーロッパへ分配すると言う、ヨーロッパ内におけるスペインの重要な役割確保の機会を失った事となる。


2022年4月11日(月)

西サハラ問題: ポリサリオ戦線、スペインとの国交断絶

ペドロ・サンチェス政権が西サハラのモロッコによる領有権を承認する姿勢を示したことを受け、西サハラの民族自決権を主張して活動を続けるポリサリオ戦線は昨日、スペインとの国交断絶決定を発表した。
更に、「スペインは、国連が認めている西サハラの民族自決権を無視し、武力を持って西サハラ侵略を行なおうとしているモロッコの権利を擁護する姿勢を示しているが、西サハラをかつてその植民地として統治していた国として、当地の住民や国際社会に対する責任を果たすべきである。」と強く非難した。
同時に、今回のサンチェス政権による独断的な政策変更に対し、形式的な投票であったとは言え、スペインの国会で反対の意を示したほぼ全ての政党、そして国会議員等に対して感謝の意を表した。

ひまわり栽培、活発化

初夏になると、見渡す限り広がるひまわり畑を一目見ようと、スペイン、特にアンダルシアを訪れる観光客も多かったが、スペインでひまわり畑がその全盛期を迎えたのは今から20〜15年程前のことで、その後、急激な衰退を見せる事となった。

ひまわり栽培の黄金時代となった20〜15年前には、EUからの資金援助の恩恵を受け、ひまわり栽培は非常に効率の良い商売となり、これに従事する農家が増えた。
また当時の品種としては、アンダルシアの気候が合っており、スペイン中央以北での栽培には不向きであったことから、大規模なひまわり畑はアンダルシアの初夏の風物詩となっていた。
ところが品種改良が進み、より気温の低い地方でも栽培が可能になって来た事により、スペインの他地方や、より北にある国々でも容易に栽培が可能となっていった。
そして今から10数年前より、ウクライナ、そしてロシアから大量のひまわり油、食用や家畜用飼料としてのひまわりの種子などがヨーロッパに流れ込み始めたことにより、ひまわり製品の価格は急落し、スペインにおけるひまわり栽培は一気に衰退の道を辿ることとなった。

しかし、今年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻により、これら両国からヨーロッパへのひまわり関連製品の流通が絶たれたため、ひまわり栽培から手を引いていた農家に、今、その再開が求められ、すでにスペイン各地で栽培が始まっている。 収獲を見越して大口契約の注文が殺到しているが、今後、更に値が上がることが予測されることから、農業組合側も現時点ので契約は一部に抑え、今後の成り行きを見つつ契約を進めるところが多く見られる。


2022年4月10日(日)

7月6日以降、自動速度制御装置の装備が義務化

スペインを含むEU諸国では、今年7月6日に自動車の自動速度制御機能搭載の義務化が開始される。
EUでは今年、同システム搭載の完全義務化に向けての第1歩を踏み出すことになるが、まずは7月6日をもって、それ以降に販売開始となる新車種について、その全てに同機能が搭載されることが義務となる。
しかし、7月6日よりも前から販売されていた車種についてはその対象とはならず、引き続き販売は可能とされる。
そして第2段階として、2024年以降は、いつから販売開始となった車種であるかに関わらず、販売される全ての車種において搭載が義務付けられることとなる。
交通事故の多くは速度違反が原因となっているため、自動速度制御装置搭載で速度違反を無くすことにより、2030年までにEU諸国全体で約25000人の死亡者、14万人の重症者が出るのを避けることが出来るとされている。

自営業は至難の業

スペインで自営業を営むと言うことは、年々困難になっており、今や、それを維持するのは至難の業と言わざるを得ない状態となっている。
Covid19による経済活動への大打撃を受けたところへ、政府による国民健康保険料や国民年金掛け金の値上げがあり、更には前代未聞とも言える急激な光熱費やガソリンなど燃料費の値上がり、これにウクライナ危機が合わさったことによる食品を含む生活必需品全体の値上がり、そして企業内で雇用人として働くサラリーマンとは 比較にならないほど少ない政府からの経済支援など、これら全てがスペイン国内に存在する約350万人の自営業者の生活を強烈に圧迫している。
特に燃料費や光熱費の高騰による影響は大きく、経済活動を継続するのに必要な経費が40%以上の増大を見せており、これに対応出来る自営業者は少ない。
また、従業員を抱えている場合では、その給料の最低ラインが2016年から2022年にかけて月額655ユーロから1000ユーロへと一気に52.6%増となっており、この短期間にこれだけの対応を出来る自営業者も極めて少ない。
ヨーロッパの他国の例を見た場合、この同じ期間における最低賃金の増加率はオランダやギリシャで13.1%、ドイツ、ベルギー、フランスなどはそれ未満となっている。


2022年4月8日(金)

西サハラのモロッコ領有権承認に否定決議

サンチェス政権が、野党のみならず政府閣僚等の承認を得ることもなく、西サハラにおけるモロッコの領有権の承認をモロッコ政府に伝えたことにより、スペインの政界に大きな混乱をもたらしているが、昨日の国会で、この首相の単独行動とも言える政策に対する賛否を問う決議が行われた。
西サハラの統治については、国連も現地住民等による民族自決権を尊重し、第3国が一方的に領有権を主張するものではないとしており、スペインはこれまで一貫して国連と同じ姿勢を維持して来た。
そう言った中でのサンチェス首相による突然の進路変更に対し、それを国会として認めるのか、或は引き続き西サハラ住民による自決権を尊重すべきなのかについての投票が行われたが、反対票168、賛成票118、棄権票61で、国会としてはこれを否定する結果となった。
賛成票を投じたのは唯一、サンチェス首相が所属するPSOEだけで、棄権票のほとんどが極右政党とされるVOXによるものとなった。

注目すべき点は、PSOEと共に連立政権を維持しているもう一つの与党PODEMOSが、反対票を投じているだけでなく、野党であるERC、EH Bilduなどと組み、今回のサンチェス政権の単独行動を問題にしたこの投票開催を率先して進めた点であり、二つの与党間に大きな亀裂があるのが見て取れる。
今回の否定決議には、サンチェス首相のモロッコや西サハラとの単独外交を覆す法的効力は無いが、他政党は今回の一件が国会では否決されたことであり、PSOE1党による独裁的行動であったことをスペイン社会に示し、その事実を歴史に残すこととなる。
また今回の投票では、PSOEの中でも自党のやり方に納得が行かず、反対票を投じるつもりでいた議員があったが、その議員は「投票が行われた昨日、この同じ日にサンチェス首相はモロッコからの招待を受け同国を訪問することとなっていたため、そう言ったタイミングで党内に亀裂を生じさせるような行為は避けるべきと判断して、自身の意図とは反するが賛成票を投じた」と語っている。

スペインの長期失業者数、ヨーロッパの17国合計を上回る

Covid19危機による経済危機が続いたあと、政府はその回復傾向を強調するような報道を熱心に行なっているが、実際には厳しい現実がある。
特に若者層における失業率が高く、現時点でスペインにおいて2年以上の長期失業状態にある人口は912.000人となっており、EU諸国全体の30%を占めている。
そしてこの912.000人と言う数字は、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ポーランド、チェコ、ハンガリー、オランダ、オーストリア、ルーマニア、ポルトガル、ベルギー、ブルガリア、ギリシャ、クロアチア、キプロス、ラトビア、リトアニアなど計17国の合計数に相当するとのこと。
また、ドイツ(人口8320万人)で245.900名、フランス(人口6730万人)が348.900人、イタリア(人口5930万人)が827.000人と、スペインより人口の多い国々でも長期失業者数はスペインより少なくなっている。
尚、スペイン国内で地方別に見た場合、アンダルシアが長期失業者総数の31.1%を、アストゥリアスが30.5%を占めている。


2022年4月7日(木)

Covid19:屋内でのマスク着用義務解除

昨日、トレドで行われた全国保健会議において、屋内におけるマスク着用義務の解除について協議が行われたが、全州代表がこれに賛同した。
また、その時期としては専門家等による意見を尊重する形で、間もなく始まるセマナ・サンタ休暇の前ではなく、その後とすることで全州一致を見た。

この結果を受け、政府はセマナ・サンタ休暇が終わったあと、今月19日に政府広報による発表を行ない、翌20日から有効となる予定。
これによりバルやレストラン、劇場、映画館、スーパーマーケットなど、屋内でのマスク着用義務が無くなるが、高齢者施設や医療施設、公共交通機関利用時などについてはその例外となり、今後も着用義務が維持される。
政府、そして医療界は、ウィルスが無くなった訳ではないため、マスク着用義務の廃止のあと、Covid19の感染拡大を抑え込めるかどうかは、これまで以上に個々人の良識ある行動にかかっており、感染者は義務では無くても自主的にマスクを着用するよう呼びかけている。
しかしながら、感染者との濃厚接触者であっても、また、感染の疑いが強くとも、無症状であったり、軽症である場合は、「60歳以上である」、「免疫不全疾患を持つ」、「医療従事者である」などの条件を満たさない限りPCR検査が行われないため、自身が感染していると確認することが困難であることから、自己責任としてのマスク着用を促されても、感染者の多くがこれを実行しないことが予想される。
また、別の問題として、今後、マスクを着用している人=Covid19感染者であるとの見方が広まる可能性が高く、スペインのように日常生活におけるマスク着用の習慣が無かった国では、大気汚染や花粉アレルギーなど、他の理由でマスクを着用している少数の人々への差別意識が強まる危険性も忘れてはいけない。

郵便局ストライキ

最大手の労働組合であるCCOOとUGTが、6月1、2、3日に全国の郵便局によるゼネストを発表した。
スペインの郵便サービスは国営の公共サービスとして行われているが、現在の責任者は現政権樹立時にPSOEより任命を受けたフアン・マヌエル・セラーノ氏で、同氏による「政府の権力を笠に着た」運営方針がスペインの郵便サービスの質を最低レベルにまで悪化させているとして、この状況の早期改善を訴えるとしている。
労組によると、この3年間で7000人が解雇され、それの埋め合わせとして必要時だけの仮契約が1万件以上行われているとのこと。
この正規職員の多数解雇によって、労働条件の悪化とそれに伴うサービスの質の低下がこれまでに無いほど顕著となっているとして、6月のゼネストに踏み切った。


2022年4月6日(水)

在スペイン・ロシア大使館の職員等27名に対し国外退去令

ウクライナのブチャやマリウポルなどで確認されているロシア軍による無差別大量虐殺の事実を受け、スペイン政府はスペイン国内に駐留しているロシア大使館の職員等27名に対し、「本国の平和を脅かす存在」であるとして1週間以内の国外退去を命じた。
最初の発表では退去令の対象となったのは25名とされていたが、その後、27名となり、この数字については今後も変化する可能性があると思われる。
また、これら27名のリストには大使館の総責任者であるユリ・コルチャギン大使は含まれていない。
ホセ・マヌエル・アルバレス外務大臣は、同大使がスペイン駐在各国大使の中でも最も駐在歴の長いベテラン大使であり、スペイン・ロシア間における対話の接点を完全に絶つことを避けると言う意味合いから、大使の駐留を容認するとしている。
スペインが大使館職員等の追放について発表したのを受け、即座にロシアの外務大臣が「スペインはロシアから同様の措置を受ける事になる」と発言したため、モスクワ駐在のスペイン大使についても、ロシアからの国外退去令から外されることを期待しての判断と思われる。

今週金曜日よりパンが変わる

パンはスペインにおける食生活にとって欠かす事の出来ない食材だが、今、スペインで販売されているパンに大きな変化が起きつつある。
パンをより健康的な食品とする目的で政府が進めているパンについての規定改正により、2019年7月より、インテグラルパン(全粒パン)として販売するためには全粒粉を100%使用したパンでなければならなくなっているが、更にパンに含まれる塩分量についても新規定への対応を行なうよう、各パンメーカーに対し準備期間としての時間猶予付で指令が出されていた。
この準備期間が終了となり、今週金曜日からは新たな規定に基づいた塩分量のパンしか販売できなくなる。

現代人の食生活では塩分の過剰摂取が問題とされることが多いが、中でも知らず知らずのうちに体内に取り込まれる「隠れ塩分」の摂取量について専門家等による指摘が集まっている。
調理時に加える塩分については、その分量についての認識を持ちやすいが、市販のパンや加工食品などに最初から含まれている塩分については、その量について認識せずに消費していることが多い。
その結果として、必然的に塩分の過剰摂取が生じることとなるが、スペイン安全栄養庁が、一日の塩分摂取量としては5グラム(ティースプーン1杯)未満にすべきであるとしているのに対し、スペインにおける平均摂取量は9.8グラムに及んでいるとのこと。
この悪習の改善策の一つとして、日常の食生活で継続的に消費されているパンに含まれる塩分を減らすことが義務付けられる事となった。

これにより今週金曜日以降、販売されるパンの全てにおいて、パン100グラム中に含まれる塩の量は最大で1.31グラムまでとなる。
また、塩の量ではなく、塩化物全体として計算するのであれば、パン100グラム中に含まれる量は1.66グラムが上限となる。
よって今週金曜日以降、これまでと同じ店で同じパンを購入した場合であっても、「味が薄い、物足りない」と言った印象を持つことになるが、健康維持のための対応として慣れる必要があるであろう。

経済成長率見通し、7%から4.5%へ

今年2022年のスペイン経済成長率について、政府は昨年12月時点の見通しとして+7%と言う数字を打ち出していたが、昨日、スペイン銀行が発表した報告書では、政府予想より2.5ポイントも低い4.5%となっていた。
スペイン銀行がまとめた2022〜2024年の見通しによると、国内総生産がCovid19危機以前のレベルに戻るのには2023年の第3・四半期までかかるとしており、インフレ率についても政府予想では2022年末で3.7%に達するとしていたのに対し、今年7月には10%前後に、そして年平均でも7.5%に至るとしており、そのあと2023年に入って平均2%まで、2024年になってようやく1.6%まで下がると予測している。
また、2023年の経済成長率についても政府予想の7.3%に対し、スペイン銀行の予想では2.9%となっている。

政府が予想値を算出した後にウクライナ危機が勃発し、世界経済全体への影響が出たということも政府とスペイン銀行によるそれぞれの予測値に大きな差異が生じたことの大きな要因の一つとなっていると考えられるが、いずれにせよスペイン経済の回復は、まだまだ長期的な視野を持って受け止める必要がありそうだ。


2022年4月5日(火)

西サハラ問題

ペドロ・サンチェス首相が、政府閣僚会議すら通さずにモロッコによる西サハラ領有権を認める旨をモロッコ国王、モハメッド6世宛て書簡にて伝えたことについて、スペインでは全野党だけでなく、PSOEと連立政権を組むPODEMOS党や首相が所属するPSOE内からも強い非難の声があがっている。

これまでスペインは、西サハラのあり方については国連が示す姿勢と同調する形を維持して来た。
それはつまり、彼等が独立国家となりたいのか、モロッコ他、他国の一部としてとり込まれることを望むのか、西サハラの住民の意思を尊重すべきであると言ったもので、この決定は唯一、全住民参加の投票による自決によってのみ行われるべきであるとするものだった。
ところが、この民族自決主義と基本的人権保障の擁護を掲げていた国としての姿勢を覆すような決定を、首相の一存と言われても仕方がない形でモロッコに伝えたことにより、政府、特に連立政権の中心となっているPSOEの国会議員、そして国民全体の信頼度が大きく揺らぐ結果を呼んでいる。
先週の国会で同件について全ての野党、そして連立政権を組むPODEMOSからもその説明を求められたが、サンチェス首相はこれに対し、「米国やヨーロッパ諸国と足並みを揃えて1歩前進したのであって、スペインは何もこれまでの姿勢を変えたわけではない。今は、ウクライナで起きている惨事に対応するために全ての政党が一致団結して立ち向かうべき時だ。」と答えただけで、これによって納得した政党はひとつも無かった。

サンチェス首相は間もなくモロッコへ飛び、西サハラのモロッコ領有承認についてのサインを行なう予定となっているが、その前に本日の国会で、この首相の独断とも言える決定に対する賛否を問う投票が予定されており、ここで全野党、そして政権の一部を担うPODEMOSまでもが反対票を投じる可能性が高く、更にはPSOE所属議員内にも反対票を投じる者が出ることもあり得る。
民族自決権の尊重は、バスクやカタルーニャなど、歴史的な民族問題を抱えているスペインだけに、今回の西サハラ問題への対応はPSOEにとって大きな傷跡を残すことになりそうだ。

燃料費支援をガソリンスタンドが建て替え、休業へ

トラックやバス、タクシーなど、輸送業車両に対する経済支援として政府が打ち出した「燃料1リットル当たり20センティモの援助金制度」は今月頭より有効となっているが、その金額を実際に負担しているのは、その場で割引を行なっている各ガソリンスタンドであって、政府ではない。
政府は、予想販売額に応じた必要な割引金額を予めガソリンスタンドへ支給するとしていたが、実際にはこれが行われておらず、小さなガソリンスタンドでもその立て替え金額がすでに4000ユーロに達しているところもあり、資金不足のためこれ以上の営業を続けることが困難となり、閉店に追いやられるところが増えている。
100か所以上のスタンドを経営する大手Petroprix社は、最初の4日間ですでに100万ユーロ近くの建て替えを行なっているとのこと。
全国に11.650か所あるガソリンスタンドの内、約4000が所属するガソリンスタンド企業連からは、『いつ』政府から返金してもらえるのかではなく、『本当に』返金してもらえるかすら判らないようなものをこれ以上建て替える訳には行かないとして、政府による早急な対応が無ければ、スペイン全国におけるガソリンスタンド閉鎖と言う深刻な問題につながるとの警告が発せられている。


2022年4月4日(月)

Covid19: 室内でのマスク着用義務、間もなく解除か?

来る4月6日にトレドにおいて全国保健会議が行なわれる。
オン・ラインによる会議では無く、保健大臣と全州の保健局長が出席しての会議となるが、ここで現行の室内におけるマスク着用義務を継続するか否かについての協議が予定されている。
政府の思惑は、間もなく4月10日に始まるセマナ・サンタ休暇に向け、少なくとも多くの州で連休が開始となる聖木曜日(4月14日)までに義務解除を行なうことと思われるが、すでに医療専門家等の間では、これに対し「現時点では感染拡大を促す危険な判断」であるとの指摘が行われている。
また、この協議に先立ち、保健緊急時調整センター所長のフェルナンド・シモン氏は、マスク着用義務の解除を進めるにあたって各州で数週間前に設置された感染症拡大状況監視専門チームに対し、「セマナ・サンタ休暇前に着用義務の解除を行なう事を適切な対応と考えるか」と言った問いを行なったところ、全州一致で「早すぎる。解除 はセマナ・サンタ休暇が終わったあと、その時の状況を見て行なうべき」との返答を得ている。

セビージャ春祭り、労働法改正により開催危機に

現連立政権のPODEMOS側が中心となって進めた労働法改正案が可決されたあと、去る3月31日より新労働法が施行されることとなったが、これがスペイン三大祭りの一つとして知られるセビージャ春祭り開催の大きな障害となっている。
今年のセビージャ春祭りは5月1日から7日までの予定となっているが、開催時期まで1カ月を切った今になっても、その会場に設置される1000軒以上のカセタで働く従業員の確保が難航している。

この2年間、Covid19の影響でスペインでも多くの祭りが中止となり、開催地の地元民は再び開催出来る日を楽しみにしていたが、3年目にしてようやくその念願が叶おうとしているところへ、予想外の障害となって表れたのがこのPODEMOS発の新労働法であった。
これにより労働者の権利を守るための改正が行われたわけだが、アンダルシアのフェリア飲食業協会は、そこには一般的、継続的な状況における労働条件の改善のみが組み込まれており、お祭り会場のように「一時的であり特別な状況」における労働条件についての例外的な扱いについての考慮がなされていないと指摘している。

世界的に広く知られるようになったセビージャの春祭りでは、約1週間の間、その会場で連日に渡って一晩中カセタが営業されており、そこで「飲んで歌って」と言ったお祭り気分を楽しむことが出来るが、この間、1000軒以上立ち並ぶカセタで働く人々には、労働法が定めるところの労働時間の規制などは適用されていなかった。
よって、交代で休憩をはさみながら1日の労働時間が14時間に及ぶことも普通とされていた。
ところが、今回の労働法改正によりこれが禁止となり、更には違反行為が無いかどうかについての労働局による巡回が行なわれることとなるため、春祭りと言った特殊な行事であるにも関わらず、労働時間は最長で8時間まで、そして8時間労働の間には少なくとも12時間以上の休息が必要、と言った「一般的な規制」の適用が義務付けられる事となる。
これらの条件を満たすためには、各カセタが交代制で少なくとも2つの従業員チームを契約する必要があり、これまでのような予算では、カセタの運営は不可能となる。

こう言った状況を受け、1000軒以上あるカセタの80%をその管轄下に持つアンダルシア・フェリア飲食業協会は、労働基準法についてのフェリア会場における例外的措置を求め、春祭り開催期間に合わせる形で4月30日から5月7日までの期限付きストライキを発表した。


2022年4月2日(土)

PP: アルベルト・ヌニェス・フェイホー新党首誕生

昨日と今日の二日間に渡り、セビージャでPPの第20回全国集会が行われており、その中で本日、アルベルト・ヌニェス・フェイホー氏がPPの新党首として承認される。
今回の党内選挙ではフェイフォー氏が唯一の立候補者であり、党員の90%以上の支持率を得ての出馬であることから、その承認は事実上、投票が行われる前から誰もが了解済みのことと言える。
パブロ・カサード前党首とイサベル・ディアス・アジューソ マドリッド州知事との間に見られた諸問題が原因となり、カサ―ド氏が身を引かざるを得ない状況となったことにより前倒しで行われることとなった党首選だが、昨日の集会でカサ―ド氏は党首として最後の演説を行ない、その中で新党首率いるPPの今後の活躍を祈ると共に、自身の国会議員としての任も、PP党内役職の任についてもその全てから退くことを伝えた。
このカサ―ド氏の個人的な決定については、すでに一部で報道されていたが、昨日の集会の中で、当人によって再確認されることとなった。


2022年4月1日(金)

社会保障制度赤字額、111億9200万ユーロに

国民年金、社会保険などを担う社会保障制度収支は、2021年度期終了時点で111億9200万ユーロの累計赤字となった。
これは国内総生産の0.93%に相当する額であるが、2013年以降の最少値となっている。
2021年における赤字額減少の直接的原因としては、新型コロナ危機による経済危機からの回復過程における雇用増加が挙げられる。
雇用回復により国民年金、社会保険料の支払いを再開出来た人が増え、これによる収入が2021年には前年度に比べ120億ユーロ(10%)の増加となった。
尚、社会保障制度が担う出費の多くを年金の支払いが占めていることから、年金受給者人口の増減がその収支のバランスを大きく変える事になるため、2020年、2021年と新型コロナ危機による高齢者の死亡が相次いだことによる影響があったことは言うまでもない。

ディーゼル料金、初めてガソリン料金を上回る

燃料費の高騰が続く中、ディーゼル料金がガソリン料金を初めて上回ると言う現象が起きた。
ディーゼル燃料はロシアからの輸入への依存度が高いこともあり、今回、異例の値上がりがあったと見られる。
先週と比較してガソリンは0.28%の値上がりとなり、1リットルの平均価格が1.818ユーロとなったのに対し、ディーゼル価格は2.26%の値上がりとなり、1リットルあたりの平均価格が1.837ユーロまで高騰した。
現時点ではロシアからヨーロッパへのディーゼル燃料の輸出が絶たれた訳ではないが、ウクライナ危機勃発前と比べるとその輸送頻度が下がっており、これに伴って輸送量が減少し、価格高騰へとつながっている模様。


2022年3月31日(木)

3月のインフレ、10%近くに

後日、正確な数値での公式発表があるが、昨日、国家統計局によって先行発表された仮集計によると、今年3月の前年度比インフレ率は9.8%と、二桁台に乗る直前にまで達したとのこと。
2月時の7.6%に比べて更に2,2ポイント増となっており、1985年に9.9%に達した時以来の最高値を記録した。
また、2月と3月での月間比で見た場合も3%の上昇となっており、月間増加率としては2002年以降の最高値となる。
これで月間比の増加傾向は2021年3月以降、唯一8月に0.8%の後退があっただけで、それを除けば13カ月に渡って続いており、特に低所得者にとっては毎日の食生活にも深刻な影響が出つつある。
昨日の国会で、ペドロ・サンチェス首相はこの急激なインフレについて、「3月に見られた前年度比9.8%の物価高騰の73%がウクライナ危機が原因である」として政府の経済政策が原因では無いと弁明している。


2022年3月30日(水)

家賃の値上げ、2%を上限に

Covid19危機によって後退した経済が充分に回復する間もなく、ウクライナ危機による影響がスペイン国民の家計を締め付ける中、政府は様々な対応を求められているが、経済対策の一環として賃貸住宅の値上げ率に上限が定められる事となった。
住居費は最も基本的な経費の一つであるため、これによる家計への負担が急増するのを防ぐための対応であり、ウクライナ危機下における一時的な対策として、当面は6月30日までの期限付きで施行される。
通常、賃貸料の値上げはインフレ率を反映する形で行われることが多いが、この期間に住居の賃貸契約がその更新時期を迎える場合、インフレ率とは関係なく、その値上げ幅は2%以内に抑えられる事となる。
ただし、これが完全に義務付けられるのは10軒以上の賃貸物件、または1500平米以上の住居物件を持つオーナーとされ、それ未満の規模の家主については、2%以上の値上げについても交渉する事は可能としており、交渉の結果、同意に至らない場合は2%の上限が適用されるとのこと。
不動産業界は、期限付きの一時的な措置であるとしてこの法令を施行しておいて、実際には7月以降も延長、そしてそのまま定着してしまうのではないかとの懸念を隠せない模様。


2022年3月29日(火)

Covid19: 屋内でのマスク着用義務の廃止について警鐘

政府は4月6日に予定されている全国保健会議で、バルの店内など、屋内におけるマスク着用義務の廃止について協議する予定としているが、これについて医療界から時期尚早として警告の声が挙がっている。

スペインでは感染拡大防止措置として取られて来た数々の規制が解除され、社会生活が新型コロナ危機以前の状態に戻されつつあるが、この規制緩和と共に感染拡大状況に明確な変化が見られ、しばらく続いていた減少傾向から増加傾向に転じている。
先々週の新規陽性確認数が100.666名であったのに対し、先週は127.000人と27.000人の増加となった。
地方別に見た場合、感染状況が最も悪化しているアラゴン、カタルーニャ、カンタブリアなどでは大きな増加は見られないが、その他の全ての州で増加している。
この増加に転じたタイミングでの「屋内におけるマスク着用義務の廃止」は、感染拡大第7波につながる可能性が極めて高いとして、今はまだその時期ではないと判断する専門家が多い。

政府による「新型コロナの風邪扱い」と「それによる強引な平常化」は、4月のセマナ・サンタ休暇をはじめ、各種春祭り時期の到来に向け、経済活動を活発化させることが狙いと思われるが、ワクチン接種が最優先された高齢者などは、3度目の接種を受けてからすでに半年が経ちつつあり、彼等の間での感染も拡大しつつあるのが現状である。
今、どのような政策を取るか次第で状況が急変する可能性が高く、それによって春、そして夏のバカンスシーズンがどう言った状況になるかが左右される、として医療界より警鐘が発せられている。

輸送業界ストによる影響、大きく緩和

輸送業によるストライキは3週目に突入しているが、先週、政府と大手労組との間で合意が得られて以来、ストの勢いは弱まりつつある。
今回のストは自営業者や小企業主などによって始められたものだが、政府との協議に参加したのは中・大規模企業組合だけで、そこで得られた同意には小規模営業主が必要としている対応が含まれていない、としてストは継続されている。
しかしながら自営業者の中にもストを終了した者が多く、自営業者協会によれば、自営業として輸送業に従事する約207.000人のうち、すでにその95%が営業を再開しているとのこと。
これにより、首都マドリッドでは去る週末における輸送業の稼働率はストライキ以前とほぼ変わらない程度にまで回復したとの報告があるが、アストゥリアス、ガリシア、バスクなど、今も大きな弊害が残っている地方もある模様。


2022年3月28日(月)

インフレによる家計への圧迫深刻化

エネルギー費の継続的な高騰、ウクライナ危機、運送業界によるストなどが重なったことによる急激な物価上昇が続いており、スペイン国民の家計の圧迫が深刻化しつつある。
ある調べによると、生活必需品の価格が今年1月に3%の高騰となり、2月には3.9%、3月にはすでに6%を越えており、この約3カ月で13%の値上がりを見せている。
国家統計局の試算によると、一般的な家庭における生活必需品を得るための年間経費は、約3000ユーロの増加になるとのこと。
年間インフレ率として見た場合、今年2月のインフレ率は7.6%と過去30年間における最高値に達し、EU平均より1.4ポイント増、ユーロ諸国平均より1.7%増となっており、近隣諸国の中でもスペインにおける物価高騰率は高い数値となっている。
また、この値上がり傾向は今後も続き、年内には二桁台に達するとの予測もある。
主要都市の中央市場における卸値は、ロシアのウクライナ侵攻前と比べると、玉ねぎの場合で43.8%、トマト35%、インゲン豆31.5%、レモン26.1%、カリフラワー25.9%、洋ナシ19.3%、ジャガイモ14.4%、豚肉12.4%などの値上がりが見られ、燃料費の高騰により先日まで続いた漁業組合によるストによる影響もあり、メルルーサやカタクチイワシ、舌平目など、ほとんどの魚類で1キロ当たりの値段が2週間前と比べて5〜15ユーロの値上がりとなっている。


2022年3月27日(日)

Covid19: 明日以降、軽症の新型コロナはインフルエンザ扱い

スペインにおけるCovid19の扱い方に急速な変化が生じており、今月1日から 感染者との濃厚接触者についての隔離義務が無くなったのに続いて明日、28日からは感染者であっても軽症者、無症状者についてはその隔離義務が廃止される。
またCovid19に感染している可能性が高いと思われる場合であっても軽症や無症状の場合、国の健康保険制度による抗原検査やPCR検査を受けられるのは 60歳以上の年令層、免疫疾患を持つ人、妊婦、そしてそう言った人々と接する職場で働く人々に限られることとなり、それ以外の人については感染しているかどうかの確認が行われることも無くなる。
これによりCovid19をインフルエンザと同程度の扱いにするのが政府の意向と思われるが、専門家の中には「急ぎ過ぎであり危険」との指摘も見られる。
政府によると明日以降、感染者であっても軽症者、無症状者は普通の生活を続けることが可能で、特に感染による危険度の高い人々と接する職種でない限りは出勤も可能とのこと。
ただし他人への感染を抑えるため、マスクの着用を、そして可能であれば在宅によるテレワークを推奨している。
感染したと思われる子供達の登校についてはインフルエンザなど他の感染症と同様に、常識的な判断として休ませるべきとしているが、休ませることを義務付けてはいない。
その他、サッカー観戦や集会など、大勢の人々が集まる場へ足を運ぶことは避けるべきとしているが、これについても禁止しているわけでは無いため、今後、感染が広がる可能性は高く、特にワクチンを受けていない人はこれまで以上に注意が必要と言えよう。


2022年3月25日(金)

運送業スト: 燃料1リットルにつき20センティモの支援

運送業界によるストライキは今日で11日目となる。
政府がこの抗議運動を無視する形でスト開始後の1週間が無駄に経過し、その後、事態の深刻化に対応を余儀なくされた政府は、運送業界との協議を持つこと無しに、一方的な形で僅かばかりの支援金の支給を発表した。
しかしこの対応が受け入れられる事は無く、その結果としてスペイン国内の物資流通に大きな弊害が生じている。

そう言った中、スト開始後10日目になった昨日、ようやく政府と運送業界大手労組との協議の場が持たれた。
協議は12時間に渡り、昨夜、夜中0時になっても終ることは無く、午前2時15分まで続き、ようやく合意に至った。
協議における決定事項は多数あるが、今回のストを終わらせるための直接的な対応と、受け取れる経済的支援は次のとおりとなっている。
高騰する燃料について、その経費を削減するための支援として燃料1リットルあたり20センティモの支援が行われ、その内、15センティモは政府予算が負担し、残り5センティモは石油業界による負担となる。
これによりディーゼルを使用する一般的なトラック1台につき、月額約700ユーロの経費軽減になるとのこと。br> この支援は7月末まで続けられ、その後、必要に応じて延長の可能性も残されており、対象となるのは貨物運送業界だけでなく、タクシー、バスなど旅客運送業も含まれる。
またこれとは別に、業界へのより直接的経済支援として4億5000万ユーロが充てられ、これによりトラック1台につき1250ユーロ、バス1台につき950ユーロ、ワゴン車500ユーロ、タクシー、VTC、救急車などにも1台につき300ユーロの支援が行われる。

これらの合意により、政府は運送業界によるスト問題の終了としているが、同ストを進めて来た運送業界内少数派グループは、政府との協議への出席すら認められておらず、彼等と政府との間での直接的な協議の場が持たれない限りストは続行すると警告している。


2022年3月24日(木)

空港の出入国審査混乱の兆候

Covid19危機によって外国人旅行者数が激減したことに伴い、スペインの全空港でパスポートコントロールを行なうスタッフ数が減らされていたが、徐々に旅行客が増えつつある今も、その人数は削減されたままの状態となっており、その結果として円滑な出入国審査が行なわれていないと言った問題が報告されている。
出入国審査における人員不足に加え、Brexitによりスペインを訪れる多数のイギリス人がEU諸国民ではなく第3国からの訪問者としてパスポートコントロールを受けなければならなくなったことも、この混雑に大きな影響を与えており、特にEU以外の諸外国からの旅行者の出入りが多く見られるマドリッド、マラガ、アリカンテ、カナリアス、バレアレスなどの空港で問題が表面化し始めている。
すでにマラガの空港ではパスポートコントロールを通過するのに1時間半を要すると言う状況が報告されており、まだハイシーズンでも無い現在でこの状況では、間もなくやって来るセマナ・サンタ休暇、そして夏のバカンスシーズンにとても対応出来るものでは無いとして、航空会社協会ALAは早急なる対応を求めている。

Covid19により肥満児が増加

Covid19危機が始まって以来、スペインでは子供達の肥満が増加しつつある。
学校閉鎖や外出規制などにより各家庭で過ごす時間が増えたことによる運動不足、ストレスの増加、また、登校しないことにより起床時間や食事の時間、就寝時間など生活のリズムにおける規則性が保てなくなったことなどが大きく影響したと考えられているが、その結果として、最近の調査ではスペインの6歳〜9歳までの児童の内、17%が肥満域に達しており、肥満とまでは言えないが「太り過ぎ」とされる児童が23%に達しているとのこと。
Covid19による様々な行動規制が姿を消しつつある今、この2年間に定着してしまった様々な不健康な生活習慣を改善し、子供達の健康管理により注意を注ぐ必要があると言えよう。


2022年3月23日(水)

ラ・リオハで天然ガス採掘調査を再開

スペイン政府は、ガス確保が外交における重要課題となっている今、ラ・リオハ州ソテスにあるビウラ鉱床の追加採掘調査の再開を、2023年11月12日までと言う期限付きで認可した。
ビウラ鉱床はログローニョから約12キロ地点にあり、少なくとも3BCM(30億立法メートル)以上の埋蔵量があるとされており、大きな埋蔵量とは言えないが、ラ・リオハ州の5年分の消費量に匹敵する。
同地域の採掘調査は1950年代に始まり、第1回調査ではガスの存在を確認することが出来ず失敗に終わった。
その後2009年から2010年にかけて行われた調査では、更に調査を続行する価値が充分にあると判断されるだけのガス量が確認され、2013年から2014年にかけて先の採掘現場から1.3キロ離れた地点を調査し、鉱床の周囲への広がり状況の確認が行われたが、この時にも採掘調査続行を促すのに充分なガス量が確認された。
その後、2019年に新たな追加調査の認可があり、その準備が始まっていたが、Covid19による世界的な異常事態により続行が不可能となっていたものである。

運送業ストにその他の業界が合流

運送業界によるストライキは今日で10日目に入り、この影響ですでにスペイン全国の流通が麻痺状態となり、スーパーや市場から一部の食品や日用品が姿を消すなど、国民の日常生活に大きな影響が出始めている。
ストの主な原因は燃料費の異常な高騰による運送業者の経営難だが、彼等と同様に燃料費高騰の影響を受けている他の業界もストライキに同調しつつある。
来る日曜日には、タクシー、救急車、旅客バスなどの業界による大規模デモが予定されており、更には故障車などの移動サービスを行なうレッカー車業界も本日よりスト参加を表明しており、約2500台のレッカー車がサービスを中断する模様。
これにより、すでに運送業者の大型トラックによる交通妨害で混乱をきたしているスペイン全国の車道では、更にその状況が悪化することが予想される。


2022年3月22日(火)

運送業スト拡大

先週月曜日に始まった運送業のストライキは今日で9日目に入るが、ここで大きな変化が生じた。
これまで、このストライキを行なっていたのは小規模企業や個人営業主など、運送業界の中における少数派だけであったが、業界内2番目の規模を持つ運送業連盟FENADISMERを含む大手組合も本日から参加を表明し、ストの規模は更に拡大することが必至となった。

ストが始まって1週間も経たないうちに、すでにスペイン全国での物資流通に大きな問題が生じており、全ての食料品を含む生活必需品の供給に弊害が見られる。
少数派によるストであっても、彼等の大型トラックが総出動して主な主要漁港や主要都市の中央市場付近、主要国道などの交通妨害を行なったり、ストに参加せずに営業を続けようとするトラックに対する攻撃を加えたりすることによって、スペイン全国の流通に致命的な被害を与えるに至っており、政府がこの少数派のみによるストライキ を余りにも軽視していたことは明白である。

政府に対し各方面から迅速な対応を求める声が高まる中、政府は「小規模企業や個人営業主などの連盟は、同業界の代表とは見なさない」として彼等と話し合いの席につくことを拒み続けており、彼等との協議を行なう代わりに、多数のパトロールカーを出動させ、営業を続けようとする運送会社のトラックを護衛するなど、力づくでストによる効果を減少させようと試みた。
また、政府は少数派との協議の場を持つこともなく、高騰した燃料費支援金として5億ユーロの経済的支援を一方的に発表したが、ストを先導した少数派グループはこれを善しとせず、スト続行を発表した。
これら全ての一方的な対応が逆効果に終わり、少数派グループのストへの士気はより高まり、そして大手組合参加(5万台のトラック)によるスト拡大へつながることとなった。

フェイホー氏、PP史上最高の支持率で党首選へ

PP新党首として唯一の立候補者となっている現ガリシア州知事のアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏に対する承認投票は、4月1日・2日に予定されているが、昨日、それに先立つ二つの投票がスペイン全国のPP支部で行われた。
一つはフェイホー氏を候補者として推すかどうかの投票、そしてもう一つは、4月頭にセビージャで行われる承認投票に出席する各支部の代表者を決める投票であった。
フェイホー氏を次なるPP党首の候補者として支持するかどうかの投票は、全PP党員の中の88.05%が投票を行ない、その内の99.63%が賛成票を投じ、PP史上最大の支持率となった。


2022年3月21日(月)

PSOEとPODEMOSの関係悪化

最近になって、連立政権を組む2党、PSOEとPODEMOSの関係悪化が急速に進んでいる。
まずその大きな要因となったのがウクライナへの武器提供で、PSOE所属のペドロ・サンチェス首相が武器提供は人道的支援であり正しい決断であると演説する一方で、PODEMOS所属のジョランダ・ディアス第2副首相は戦争への武器支援は決して行なうべきものではない、と与党内で正反対の演説が行われ、政府としての姿勢に一貫性が見られないとして各方面から非難の声が殺到した。
続いて防衛費予算の増強決定についても、PSOEの一存で決められたことで、あくまでも戦争に否定的な姿勢を示すPODEMOSとの間で大きな確執が生じている。

そして、続けて生じたこれら2件の不一致による関係悪化に油を注ぐような出来事が、先週末に起きた。
これがペドロ・サンチェス首相の一存による西サハラについてのモロッコ領有権の承認で、この決定について、PODEMOS陣営はモロッコ政府による発表により知ることとなった。
それまでPODEMOSのイオネ・モラダ党首、ジョランダ・ディアス第2副首相、各大臣など、同党所属の閣僚達に対する一切の事前通達が行われておらず、事実上PSOEの独裁的政治が行われたことになる。

これら連続して起きたPSOEによるPODEMOSを無視した行為によって、両党間の関係は急速に悪化しており、現連立政権の土台が大きく揺らぎ始めている。
今回のスペイン政府による西サハラのモロッコ領有権承認は、スペイン政府が違法移民問題などで悪化していたモロッコとの関係の修復を大きな狙いとしたもので、これを行なった直後、10か月間、スペインに不在となっていたモロッコ大使が再びマドリッドに着任した。
そして同時にモロッコと国交断絶状態にあるアルジェリアは、スペインのアルジェリアへの、そして西サハラ住民に対する裏切り行為であるとして、スペイン駐在アルジェリア大使を本国へ呼び戻すと同時に、スペインに対し、 西サハラについての中立的姿勢への復帰が見られるまで、両国間の危機が続く事を警告した。
尚、昨年、スペインで消費された天然ガスの43%はアルジェリアからの輸入に依存しており、エネルギー危機に直面している今、アルジェリアとの関係悪化がもたらし得るエネルギー危機の悪化が懸念されている。

新道路交通法、本日より施行

本日より施行となる新道路交通法により、様々な変更が生じるが、主なものは以下のとおりである。

*運転中に携帯電話の使用を行なった場合、罰金はこれまでの200ユーロが維持されるが、免許証の減点ポイント数がこれまでの3から6へと変更。

*シートベルト、乳幼児用シート、ヘルメットなどの着用義務を怠った場合や、適切な形での使用が行われていなかった場合、罰金はこれまでの200ユーロが維持されるが、減点数が3から4へ引き上げ。

*自転車やバイクなどを追い越す際、進行方向の車線が2つ以上ある場合は必ず隣の車線に入って追い越すことが義務となり、2つ以上無い場合は、安全確保のため1.5メートル以上の距離を保つことが義務付けられる。これを怠った場合の罰金は200ユーロで減点数は4から6へ引き上げ。

*車窓からのポイ捨てについては、事故を引き起こす可能性やタバコの吸い殻などにより火事の原因となり得ると判断された場合、500ユーロの罰金が課せられ、減点数もこれまでの4から6へと引き上げられる。

*18歳未満の運転(4輪車、2輪自動車、自転車、障害者用電動椅子、スケートボード、キックボードなどを含む)について、酒気帯び運転の基準値はアルコール血中濃度0.0%とされ、アルコール、麻薬、覚せい剤などの服用と運転との共存は全面禁止とされる。

*追い越し・追い抜き時の最大速度は従来の「制限速度+20キロ」が廃止となり、制定された制限速度までに変更。

*速度違反測定妨害を目的とした機器について、それが接続されている、いないに関わらず、車内に設置していたら違反行為と見なされ、3ポイントの減点、200ユーロの罰金となる。


2022年3月20日(日)

スペイン政府、モロッコによる西サハラ領有権を承認

かつてのスペイン領、西サハラは1975年末にスペインが撤退したあと、モロッコとモーリタニア両国による領有権争いとなり、1979年にモーリタニアが身を引いたあと、その最西部を除く全地域がモロッコの支配下となり、最西部はサハラ・アラブ民主共和国と称される国連非公認の勢力圏となっている。
この最西部はモロッコによる支配を避け独立国としての道を歩むべく活動を続けるポリサリオ戦線の勢力下にあるが、昨年、アメリカのトランプ大統領がモロッコによる領有を認め、欧米諸国としては最初の承認となり、それにドイツが続いた。
モロッコ政府はスペイン政府に対しても同様の承認を求めていたが、スペイン政府は国連の姿勢に同調する形を維持し、承認に踏み切ることはなかった。
ところが昨日、突然、モロッコ王国より、スペインによる西サハラのモロッコ領有権の承認があったとの発表があり混乱を呼んでいる。
スペインの一般市民の間だけではなく、スペイン政府閣僚の間にもその混乱が広がっている。
モロッコ王国からの発表を受け、各方面からその真意について問われたスペイン政府はこれを肯定し、スペイン国家としての「西サハラ=モロッコ領」の承認が正確な情報であると再確認されたが、スペイン現政府の閣僚の中でも、PSOEと連立政権を組むPODEMOS側の閣僚等には一切、知らされていなかった。
これにより、政府内における両党の分裂は更に深刻なものとなることが予測される。
また、最近、モロッコとその隣国アルジェリアとの関係悪化により両国間の国交が断絶となり、これに伴ってアルジェリアからモロッコを経由してスペインへ供給されていた天然ガスの供給が絶たれている。
それを補うために、アルジェリアからスペインへ直接送られるガスの供給量が増加されており、これがスペインの、またスペイン以外のEU諸国におけるロシアからのガス不足問題緩和の一つの鍵となっているが、今回のスペインのモロッコ政府への肩入れが原因となり、アルジェリアとの関係が大きく悪化する可能性が指摘されている。
ペドロ・サンチェス首相率いるPSOEはモロッコ領有権承認について、予めアルジェリア政府に通知済みであったとしているが、アルジェリア政府は「突然の驚くべき発表である」として、在マドリッド・アルジェリア大使の本国への召喚を命じた。
西サハラの扱いについては、スペインがその領有権を放棄したあと、46年間にわたって中立的立場を維持して来たと言う歴史があるが、その歴史に終止符を打つ大きな決断が、閣僚会議すら通さず、PSOEのペドロ・サンチェス首相の一存によって下されたことについて、他の全政党から強い批判の声があがっている。


2022年3月18日(金)

運送業者ストにより流通悪化

今週の月曜日に始まった運送業による無期限ストは、ウクライナ危機による物資流通の悪化に拍車をかけた。
スペインの食料品スーパーでは、すでにウクライナから大量に輸入されている農業製品に由来する商品の売り切れが目立ち始めているが、これに加えて、今回の運送業ストによる影響でスペイン国内で生産されるものについても その供給に大きな弊害が生じている。
ストそのものは、大手労組が参加していないことなどから大規模なものとはなっていないが、ストに参加しないトラックなどがスト参加者による暴力的な攻撃を受け、営業を続けられない状況が続いているため、製品の生産過程そのものに問題が生じている。
漁港からは魚を積んだトラックが出られず、酪農家からは原乳が出荷出来ないと言った状況が続いており、漁船は漁に出るのをやめて停泊したまま、酪農家は出荷できない原乳の廃棄を余儀なくされている。
乳製品業界はこの状況が明日まで続いた場合、食料品スーパーの棚から牛乳が姿を消すと警告している。
家畜用飼料についても、仕入れが不可能となり家畜が死なないよう、牧場主が自家用車で仕入れに出ると言った状況に陥っているとのこと。

カタルーニャ独立派勢力、大きく後退

カタルーニャの社会学研究所が昨年11月から12月にかけて行なったアンケート調査によると、カタルーニャの人々の53%が独立に反対としており、賛成と答えた人は38%にとどまった。
昨年の調査では両者間の差が僅か4ポイント、一昨年は同じポイントで並んでいたが、独立反対派が15ポイントの差をつけて独立賛成派を上回ったのは、近年、独立運動が激化して以来初めてのこと。
また、今後のカタルーニャの在り方としては、現行のままスペイン国内における一つの自治州とするのが最適であると答えた人が34%で、最も多かった。


2022年3月17日(木)

マドリッドのタクシー68台、ウクライナ避難民を乗せて今朝到着

今朝、日付が変わり午前1時になった頃、マドリッド市に68台のタクシー群が到着した。
ウクライナ国民135名を伴っての到着だった。

これら68台のタクシーは、マドリッドの個人タクシー運転手等が運転するもので、ウクライナ危機への救援活動への参加を思い立ち、それを成し遂げた勇士等の凱旋である。
ウクライナでの惨事を見て、自分達に出来る事は何かと考えた時に思いついたのがタクシーを使っての物資の輸送、そして避難民の脱出の手助けだったとのこと。
これに賛同したタクシー運転手68名が、それぞれの車の内外部に、スペイン国内で集められた救援物資を積める限り積み込んでポーランドへと向かった。
ポーランドで積み荷を降ろしたあと、そのまま引き上げることは無く、ポーランドまで避難して来たウクライナの人々でスペインへ移動したい人々の移送の手助けを買って出た。
こうして乳幼児、子供、高齢者を中心に計135名の避難民を乗せたマドリッドのタクシー群は、ヨーロッパの東の果てから西の果てへと向かった。
マドリッドに到着する旅の最終日の走行距離は1400キロ。
マドリッドを出発してから戻ってくるまで、往復6370キロの道のりであった。

昨日中の到着とはならず、日付が変わり、今朝の1時過ぎになってようやくマドリッドに到着。
彼等の到着を歓迎しようと、マドリッドのタクシードライバー達がそれぞれの車を出し、オドネル通りからシベレス広場にかけてのタクシー・バス用車線に車を並べ、その到着を待っていた。
長旅を終え市内中心部へと入って来た135名のウクライナ避難民、そして彼等をここまで無事に運んできた運転手等に対し、クラクションによる大合奏、そしてスペインへの歓迎と励ましの言葉を投げかけた。
避難して来た人々には勿論、タクシー仲間等によるこの思わぬ大歓迎を受けた運転手等にとっても、生涯忘れる事のない瞬間になったとのこと。

マドリッドに到着したウクライナの人々は、「平和の使者協会」の創立者であるアンヘル神父が待つ、Hortaleza通り63番地にあるサン・アントン教会に導かれ、そのあとマドリッド市やその他の都市のそれぞれの受け入れ先家族の元へ向かった。


2022年3月16日(水)

バジェ・デ・ロス・カイードス(戦没者の谷)の十字架、世界最大として認定

マドリッド市から約54キロ地点にあるバジェ・デ・ロス・カイードスには、40キロ離れた所からでも見ることが出来る巨大な十字架があるが、この度、ギネスブックによって世界最大の十字架(高さ152.4メートル)としての認定を受けることとなった。
岩山の上に築かれたこの巨大な十字架の下には、岩山を掘って作られた礼拝堂や墓地があり、ベネディクト修道会の管理下にある。
スペイン内戦終了後に建設されたもので、十字架の手の部分は長さ46.4メートルあり、その内部にある通路は車が2台すれ違えるだけの幅を持つ。
ここにはかつて、独裁者フランシスコ・フランコが埋葬されていたが、2019年10月24日に独裁者の居るべき場所ではないとして、その墓は他所へ移された。
その後Podemos党などから、独裁時代のシンボルとも言えるこれらの記念碑は維持するに値しないとして、その取り壊しと、それに代わる民主時代を象徴する記念碑の建築を訴える声もあがっていた。

マドリッドで放射性機器が盗まれる

昨日、マドリッド州のウマネス市で、放射性機器が盗まれる事件があった。
盗まれたのはワゴン車に積まれていた土壌密度・水分測定器で、国際原子力機関による5段階の危険度分類(高1〜低5)では第4番目にあたる。
外見上の特徴としては、黄色く四角い箱型で上部には金属製の持ち手があり、メーカー名としてTroxlerと表記され、放射性物質であることを示すシールが貼られているとのこと。
箱の蓋を開けない限り人体への被害は無いが、開けた場合には放射能による被害が生じる可能性があるとして、核安全局はこう言った様相のものを見つけた場合は、すぐに当局へ連絡するよう警告している。


2022年3月15日(火)

防衛費予算、2%へ引き上げ

スペイン政府は、今月29日に行われる閣僚会議において、防衛費予算の大幅な引き上げを決定する予定としている。
スペインにおける防衛費のこれまでの推移を見ると、2015年度では国内総生産の1.27%、2016年度は1.14%、2017年度が1.23%、2018年度が1.25%、2019年度が1.23%、2020年度が1.4%となっており、現行予算も1.4%となっている。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ドイツ、フランスなど、すでに幾つかの国で防衛費予算の引き上げが決定されているが、NATOからの予算引き上げの要請もあり、スペインでも国内総生産の2%まで引き上げられる模様である。
これにより、政府予算における防衛費は年間112億7100万ユーロ増となる。
また、同じく今月29日の閣僚会議において、ウクライナ危機よって生じている急速なインフレによる国民生活への弊害を少しでも抑えるため、燃料・エネルギー費他、重度な影響を受けている業界や製品に対する税率の引き下げについても決定が行われる見込みである。

サハラからの砂、大量に飛来

去る日曜日より、空気中に混じったサハラ砂漠の砂がイベリア半島を覆い始めており、昨日にはスペイン各地で大量の砂混じりの大気により、赤く染まった風景が見られた。
しかし、気象局によると状況が最も悪化するのは本日の午後で、1立方メートルの大気中に含まれる砂の量が300マイクログラムに達する可能性もあるとのこと。
通常、40マイクログラム以上で人体に悪影響があるとされるため、気象局では不要不急の外出は避けるよう呼びかけている。
また、外出する場合は、対Covid19対策としてのマスク着用義務が無くなってはいるが、それとは別の意味でマスク着用を強く呼びかけている。


2022年3月14日(月)

ひまわり油不足により数週間後には生産停止企業続出か

ウクライナ危機が始まって以来、同国からスペインへの物流が滞り、これにより様々な農業製品の供給不足が生じている。
その中でもひまわり油不足は深刻な問題となっており、スペイン製と比べてより安価なウクライナ産ひまわり油は、すでに食品スーパーからも姿を消しつつある。
ウクライナ産農業製品は、船によりトルコのポスフォラス海峡経由でスペインへ大量に運ばれていたが、戦争勃発以降、この流通が途絶えたままとなっており、スペインで消費されているひまわり油の62%を占めるウクライナ産ひまわり油がスペインの一般市民へ与える日常生活における影響、そして食品産業へ与える影響は大きい。

スペインで消費されるひまわり油の年間消費量は、一般家庭での消費が193.200トン、そして食品工場やレストランなどで消費されるものが186.800トンに及んでいる。
Bimbo、Gullon、Nestleなどの企業が加盟している菓子類製造業の協会Produlceは、現時点では買い置きのひまわり油を使って生産を続けているが、小規模の企業だとあと2週間、大規模企業であってもあと4週間も今の状態が続けば、手持ちのひまわり油を使い切ることとなり、それ以上の生産続行が不可能になると言う。
また、世界最大のオリーブ産出国であり最大のオリーブ製品輸出国であるスペインではあるが、価格の違いだけでなく、その香りや味の違いから、これまでひまわり油を原料としていた食品の全てをオリーブオイル使用に変えることは不可能としている。
これら菓子類産業だけでなく、野菜の缶詰や瓶詰などの生産業界、海産物の缶詰業界などからも同様の警告が発せられており、ウクライナ危機の早期解決と共に、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカなど、他国からのひまわり油調達のルート確保が必要とされている。

運送業による無期限スト開始

本日、スペインのトラック運転手など運送業による無期限ストライキが開始された。
スペインの同業界主要労組の全てが協調してのストでは無いが、昨今の燃料費の急激な高騰に対する対応や労働条件改善を求めてのストが行われる。
スト開始に先立って、運輸・労働省に対し改善に向けての要求書を提出していたが、満足の行く回答を得られなかったため、通告どおり本日のスト開始となった。
燃料費の高騰についてはすでに深刻化しており、運送業界の90%以上(ほとんどが中小規模)が破綻状態にあるとのこと。
今回のストにより、経費を下回る料金でのサービス提供の法律による禁止、運転手による積載物の積み下ろし作業の禁止(運転手の労働条件向上のため)、積み下ろし作業に充てる時間を1時間に限定(積載地において無駄に待たされる時間を短縮するため)、全国の国道などに設置されている休憩所における運送業者用監視付き駐車スペ ースの充実、60歳での定年退職(危険を伴う職種であるため)他、様々な改善を求めている。


2022年3月13日(日)

インフレ率、10%近くに

物価高騰は留まるところを知らず市民の生活への圧迫が強まっている。
今年2月にはインフレ率が前年同時期比+7.6%と過去35年間での最高値に 達しており、地方単位で見た場合、カスティージャ・ラ・マンチャ州では9%に、 カスティージャ・イ・レオン州やアラゴン州で8.5%に、エクストレマドゥーラ州、 ラ・リオハ州では8.1%に、そしてガリシアでは8%に達している。
特に高騰率が高いのが電力費で前年度比較+80.5となっており、この後、液体燃料+52.3%、ブタンガス、プロパンガス+33.4%、オリーブ油以外の食用油+32.3%、オリーブ油+30.6%、ディーゼル+28.4%、ガソリン+25.1%、ホテルなど宿泊施設+21.1%、食用パスタ+19.9%、天然ガス、都市ガス+12.1%、 銀行手数料+11.7%、小麦、その他の穀物+10.6%、羊肉、山羊肉+9.5%、 米+9.4%、無脂肪牛乳+9.4%、牛乳+9.3%、家具類・室内装飾品類9.2%、 ジャム、蜂蜜など+8.7%などが続く。
貯蓄銀行財団の予測によれば今月も物価上昇は続き全国平均8.6%まで達した後、 下降傾向に転じ、年末には4.1%程度まで下がり年平均としては6.8%程度に 納まるとしているが、カイシャ・バンクの予想によれば今年のインフレ率は年平均7% に達するとしている。


2022年3月11日(金)

教会内虐待に対する調査委員会、設置で合意

昨日の国会で、カトリック教会内部における、児童を対象にした性的虐待について掘り下げた調査を行なうための調査委員会を設置することが決定した。
子供の頃にカトリック教会内で司祭などから性的虐待を受けたとする訴えが世界各国で相次いでいるが、スペインでも同様であり、カトリック教会に対し真相の追及と社会的責任を求める声が高まっている。
調査を行なうにあたり、政治色や特別な教会擁護色を排除する目的で、その指揮権を行政から独立した国民の権利擁護機関“エル・デフェンソール・デル・プエブロ”に託す事が可決された。

マドリッド州、面積の3分の1がラドン・ガス多発生地域

マドリッド州はその3分の1が花崗岩の大地に広がっており、ガリシア、エクストレマドゥーラ、カタルーニャ、ピレネー域などと並んで、自然発生するラドン・ガスの量がスペイン国内で最も集中している地域となっている。
マドリッド州内の多発生地域は、州北部のソモシエラからエル・ベルコ、エル・モラル、そして州西部のセニシエントス、ビジャマンタ、エル・アラモへと広がっている。
スペインでは非喫煙者の場合、肺癌の原因としてラドン・ガスがその首位に位置しており、喫煙者の場合でもタバコに次いで2番目の原因となっている。
ラドン・ガスが大量発生している地域であっても、生活空間における充分な換気が常に行われていれば危険は無いとされているが、半地下にある住居や店舗などで充分な換気が行なわれていない所や、建物のひび割れなどが原因で、大地から放出されているガスが気付かないうちに継続的に建物内に入っているような状況など、危険な状態にある家屋も少なく無く、調べによると、ラドン・ガス多発生地域における住居の約15%がそう言った危険な状態にあるとのこと。


2022年3月10日(木)

カタルーニャ州知事、プーチデモン氏とプーティン大統領との関係を糾弾せず

カタルーニャの違憲独立問題により海外逃亡中のプーチデモン元カタルーニャ州知事が、ロシアのプーティン大統領の協力を得てカタルーニャの独立運動を進めていたことを裏付け得る事実がすでに幾つか露呈しており、同件についての調査がEUで開始される。

ロシアはかねてよりEUの結束を崩す目的でEU諸国への工作を続けて来たが、その一環としてカタルーニャ独立運動の激化についても力を注いで来たと推測される。
その手段としては、カタルーニャ独立派政党への資金援助、過激独立派市民による暴動を激化させる目的で率先して暴動に参加する「火付け役」の派遣、カタルーニャの人々がスペイン政府による圧政に苦しんでいると言った内容の偽った画像や動画を含む膨大な量のフェークニュースの発信などが含まれていた。
これらロシアの手によってネット上に氾濫したフェークニュースを、ロシアの工作と気付かずにそのままテレビ報道に使用した例は世界各国で確認されており、これにより、国際的に「カタルーニャの人々が可哀そう」と言った感情を広め、カタルーニャの独立を擁護する風潮を作り、これによりスペイン国家の分断、ひいては EU圏内の分断を招くことを目的としていた。
こう言ったロシアによるEUの結束を弱めるための工作に関して、プーチデモン元カタルーニャ州知事とその周辺の官僚等がロシア政府と交渉を行なっていたと言う疑惑について、カタルーニャ独立派政党はEUに対しその事実を否定し、調査の中止を訴えていたが、先日、EUはこれを却下し調査の開始が確認された。

こう言った状況を受け、カタルーニャのPPを率いるアレハンドロ・フェルナンデス氏は昨日のカタルーニャ議会で、独立派政党ERC所属のペレ・アラゴネス州知事に対し、「EUによる調査によってプーチデモン元カタルーニャ州知事とプーティン大統領の協力によるEUの結束に対する攻撃的行為が明らかになった場合、それを糾弾するか」との問いかけを行なったが、これに対しペレ・アラゴネス州知事は「その件についてコメントするつもりは無い」と、明言を避けた。

スペイン政府、ウクライナへの更なる武器提供の可能性

スペイン政府は、ウクライナ付近のEU諸国の防衛のため軍隊を派遣しているのとは別に、ウクライナへの支援目的で武器の提供も行なっているが、昨日の国会でマルガリータ・ロブレス防衛大臣は、状況の変化に応じて武器の更なる提供を行なう可能性もあると示唆した。
ロブレス大臣は、今回のウクライナ危機の全責任は唯一、ウラディミール・プーティン大統領にあるとして、国際社会における徹底的な責任追及がなされるべきであると発言。
しかしながら、ウクライナへの武器提供については、以前よりPSOEと連立政権を組むPODEMOSが確固たる反対の姿勢を示しており、政府内分立の火種となっている。

カルフール、オン・ライン販売専用の大規模施設がマドリッドで稼働

大手スーパーチェーン“カルフール”が、マドリッドのヘタフェに同社初の通販専用の大規模施設を設置し、昨日その運営を開始した。
1万平米の敷地を持つこの施設では、1日に4000件の発送が可能とのこと。
約17000種の商品を用意しており、注文のあったものを発送直前に用意して、より新鮮な状態で消費者へ届けるために施設内にはパン工場、肉や魚の処理を行なう作業用スペースが設けられている。
また、消費者への配達時間に午前7時から午後10までの幅を持たせることにより、利用者の便宜を図っているとのこと。
同社はこれまでにもオン・ライン注文への対応を行って来たが、それ専用の大規模施設の稼働はこれが初めてである。


2022年3月8日(火)

新道路交通法、3月21日より施行

道路交通法の改正に伴い、日常の運転の中で幾つか注意すべき点が挙げられるが、その一つが前方の車を追い越す時に適用される最高時速の変更である。
これまでは一般国道での走行で、前方の車が例えば制限速度80キロ指定の場所で80キロで走っていた場合、追い越すために制限速度+20キロまで、つまり時速100キロまで出すことが可能とされていたが、今回の改正によりこれが禁止事項となり、制限時速ちょうどで走っている車を追い越す事は出来なくなる。
これに違反した場合の罰則は罰金100ユーロとのこと。

次に自転車や二輪車を追い越す時の規則にも変更が生じており、同一方向の車線が二つ以上ある道路における追い越し時は、必ず自転車や二輪車が使用している車線から隣の車線へ移動してから追い越すことが義務付けられる。
ただし同一方向の車線が一つしか無い場合の追い越しでは、これまでと同様に自転車、二輪車から安全距離として1.5メートル以上の距離を保つ形での追い越しとなる。
これらに違反した場合の罰則は6ポイントの減点となる。

続いて飲酒運転についての規制にも変更が見られる。
これまでは血液1リットルあたり0.8グラムのアルコール量をもって酒酔い運転、0.3グラムのアルコール量をもって酒気帯び運転と判断されていたことにより、微量のアルコール摂取については違反行為にはつながらなかったが、今回の改正により、18歳未満の運転手については、運転時には常に0.0グラムであることが義務付けられる。

また速度違反測定妨害を目的とした機器について、それが接続されている、いないに関わらず、車内に設置していたら違反行為と見なされ、3ポイントの減点対象となる。

ドン・フアン・カルロス1世、アブダビに残留

最高検察庁がドン・フアン・カルロス1世前国王に対する不起訴決定を行なって5日が経った今、今後の行動について述べた書簡がフェリペ6世国王の元に届けられた。
これによると、前国王は今後もアブダビでの生活を続ける予定であり、今のところスペインへ帰国する意思は無いとのこと。
しかしながら、今すぐにと言うわけではないが、いずれ家族や友人に会いにスペインへの頻繁な訪問を開始することを考えており、その際は公にすることなく、個人的な訪問となるよう努めるとしている。
スペインの法機関が前国王に対する不起訴決定を下した事に対し、すでにPODEMOSは強い批判を行なっている。


2022年3月7日(月)

PP、党内危機により支持率低下

PSOEの支持率低下に伴いPPへの支持率が上がり、1月実施の世論調査では、PPがPSOEを抜いて第1党となる可能性が高いことが明らかになっていた。
しかしながらその後に起きたPPの党内危機により、しばらく続いていたPP支持率上昇傾向が一気に下落傾向に転じた。
市場・世論調査会社NC Reportが行なった調査によると、党内危機の前には予想議席獲得数が130議席まで延びていたPPが、3月の調査では100〜102議席と大きく後退し、逆に1月には95〜97議席まで落ち込んでいたPSOEが、102〜104議席へとPPを追い越す勢いとなった。
また、PPの支持率が落ちた分、更に力をつけたのが極右翼のVOXであり、前回の調査で61〜63議席であったのが、今回は69〜71議席にまで前進した。
一方、現在左翼政権を維持するためのPSOEの支えとなっているPODEMOSについても、その支持率が下がり始めており、前回の27〜29議席から、今回は25〜27議席へと後退した。
現時点で選挙が行われた場合、中道左翼、中道右翼共に政権樹立は複雑な状況を迎えることが予測される結果となった。

従業員50人以上の企業、今日が性別間差別解消プラン提出期限

明日、3月8日は国際女性デーとして、スペインでも女性の権利を守るための大規模デモが予定されているが、その前日である今日は、スペインの企業(従業員50〜100名)に対する「性別間差別を無くすためのプラン」を行政へ提出する期限日となっている。
現政府は、スペイン国内の従業員250名以上の企業を対象に性別による給料差や、企業内役職への昇進の機会不均等などを改善するための具体的なプランの提出を義務付けていたが、2019年以降、その対象が徐々に拡大されており、従業員100〜150名の企業に対しては2年以内の対応を、そして50〜100名の企業については3年以内の対応を義務付けた。
そして今、従業員50〜100名の企業によるプラン提出期限を本日、迎えようとしている。

この従業員50〜100名と言う枠組みに相当する企業は約3万社あるが、現時点でその企画書を正式に登録しているのは僅か5000社程度であり、全体の17%程度にしか達していないとのこと。
性別間差別解消プランの提出は義務であることから、これを怠った場合、企業に対し751〜7501ユーロの、また最悪の場合は225.018ユーロの罰金が科せられることとなっている。
しかし実際には、17%程度の登録済みの企業以外にも、企画の提出を済ませ受理はされているものの、行政による処理が追いつかず未登録となっている企業や、提出期限として設定されたこの3年間の内、2年以上の期間が新型コロナ危機と重なったことにより、企業と労働者組合との間での交渉などが潤滑に行なわれなかったことなどが原因となり対応が遅れている企業もあると見られている。


2022年3月5日(土)

ウクライナ危機によりヒマワリ油の販売に制限

ウクライナにおける戦争による影響がスペインの食料品スーパーでも表面化しつつある。
ヒマワリ油や小麦などをはじめ、スペインがウクライナから輸入している農業製品は多く、昨年度の輸入額は10億2700万ユーロに達しているが、 今回のウクライナ危機をうけ、幾つかのスーパでは一部の商品についてすでに販売制限が始まっている。
大手スーパー、メルカドナではそのオン・ライン販売で購入出来るヒマワリ油の個数を5本までに制限、 カルフールでは6本まで、マクロでは店頭に「一人、一日に1本まで」とする張り紙が目に入る。


2022年3月4日(金)

ガソリン料金過去9年間で最高に

電力、ガスに並んでガソリンやディーゼルの料金の高騰も続いており、一昨日に過去最高値となったばかりであったが、昨日には更に記録を更新することとなった。
全国平均をとると、ガソリン代が1リットルあたり1.608ユーロ、ディーゼルが1.496ユーロとなっており、2013年以来の最高値に達している。
55リットルのタンクを満タンにする場合、ガソリン車で88ユーロ程度となり、昨年同時期と比べて18ユーロの増加、そしてディーゼル車の場合は82ユーロ程度となり、同じく18ユーロの負担増となる。
ヨーロッパ内での平均からすれば、スペインでの価格はまだ低い水準にあり、レギュラーガソリン(オクタン95)の場合、EU諸国の平均価格は1.75ユーロ、ユーロ圏で1.83ユーロ、またディーゼルの場合でEU諸国平均1.631ユーロ、ユーロ圏平均1.683ユーロとなっている。

アトーチャ駅を改名、アトーチャ・アルムデナ・グランデス駅に

中央政府は、スペインで活躍した女性達の存在を社会により強調する目的で、主要都市の駅名に彼女等の名前を追加する計画を進めている。
その始まりとして、まずは首都マドリッドの中央駅として知られるアトーチャ駅の名称を「アトーチャ・アルムデナ・グランデス駅」へ改名することが内定している模様。
アルムデナ・グランデス氏は、1960年にマドリッドに生まれた女性作家で、昨年11月に亡くなった。
大手新聞社エル・パイスの紙上におけるコラムの定期掲載でも広く親しまれていたが、映画界への功績も大きく、彼女の作品の内、6作品が映画化されている。
アトーチャ駅に続いて改名の対象となる駅や、それに使われる女性名についての政府による発言は現時点では行なわれていない。
第1号となるアトーチャ駅の改名には様々な手続きが必要となるため、具体的な時期は公表されていないが、政府は年内を目指している模様。


2022年3月3日(木)

一人当たり国内総生産、Covid19前より約5%減

Covid19危機によりスペイン経済は大きな悪影響を受けたが、2021年後半には急速な回復が見られた。
しかしながら最初に受けた損害が大きく、BBVA Research、FEDEA、ラファエル・デル・ピノ基金などが共同で行なった調査とそのまとめによると、2021年第4半期時点での労働力人口を対象とした一人当たりの国内総生産は、Covid19危機勃発前の2019年同時期と比較すると4.6%のマイナスとなっている。
また、2022年に昨年第4半期に見られた速度での成長(年成長率7.8%)を維持したと仮定しても、年末時での一人当たりの国内総生産はCovid19以前の水準には達しないことが予測されるとのこと。

ドン・フアン・カルロス前国王に対する3つの疑惑捜査を終了

スペインの前国王ドン・フアン・カルロス1世に対し、スペインの最高検察庁は3つの容疑について捜査を進めていた。
3つの容疑とは、サウジアラビアでの初の高速列車導入におけるスペイン企業の参入にまつわる手数料の受け取り疑惑、メキシコ企業家からの資金源を利用した違法クレジットカードの使用、租税回避地に置かれていた隠し財産で、これらの疑惑が表面化して以来、スペイン王家に対する風当たりが強くなることを極力避ける目的などから、ドン・フアン・カルロス1世はスペインを離れ、2020年8月3日よりアブダビでの滞在を続けている。
これらの疑惑は全て金銭に関連したものだが、後に期日内に税務申告漏れとなっていた分として自主的な申告と支払いが行われたことや、疑惑を裏付ける証拠が得られないこと、そしてドン・フアン・カルロス1世が国王としての不可侵性を有していた時期のことであることなどから、今回、最高検察庁はこれら3件について捜査終了と不起訴の決定を下した。
これにより、前国王が即刻スペインへ帰国するということは考え難いが、近い将来、その可能性も有り得ると考えられている。


2022年3月2日(水)

カサ―ド氏、党首として最後の全国役員会

昨日、PPのパブロ・カサード氏は党首として最後の全国役員会を開催した。
これはスペイン全土に広がるPP支部の代表等が召集される党内最高レベルの集会であり、出席者の中には今回の党首交代の直接的原因となったマドリッドのアジュソ州知事も含まれていた。
これによりカサ―ド氏率いるPP時代が終わり、新しい時代の幕開けとなる。
同総会において、次期党首を決める臨時総会の開催を4月1日と2日に行なう事が公式に発表された。
近代の党首を務めたホセ・マリア・アスナール氏、マリアーノ・ラホイ氏、パブロ・カサード氏に続く次期党首には、現在ガリシア州知事を務めるアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏が選ばれる可能性が高いと見られている。

Covid19: ワクチン未接種の濃厚接触者に対する隔離を廃止

これまで、感染者との濃厚接触者でワクチン未接種の人については一定期間の隔離期間が設定されていたが、昨日行なわれた保健省と各州行政保健局による合同会議の中で、この措置を無くすことで合意に至った。
同変更は、今月5日から有効となる。
12歳以上の人口ではその9%にあたる3.750.684名が、また接種開始が遅かったため未だ2度の接種完了率が18.4%にしか達していない5〜11歳の人口では2.682.288名が今回の変更による影響を受ける対象となる。


2022年3月1日(火)

厚生年金と国民年金の受給額格差40%

労働法改正に伴う、自営業者への年金システム改正についての交渉が労働省と自営業者連盟との間で行われているが、未だ合意への兆しは見えない。
自営業者が加入している国民年金によるリタイヤ後の受給額は少ないだけでなく、厚生年金加入者が受け取る月額との差が拡大し続けている。
2020年には厚生年金受給者の平均受給額は月額にして1307.35ユーロ、そして国民年金受給者の平均月額が776.24ユーロで、その差は531.11ユーロであった。
これが2021年には厚生年金が1335.19ユーロ、国民年金792.94ユーロで差額は542.25ユーロとなり、2022年2月時点では厚生年金1398.5ユーロ、国民年金831.16ユーロとその差は567.34ユーロに広がり、両者間には約40%の差が生じている。
自営業者の中には退職後の受給額を増やすため、毎月の年金支払額の増額、特に退職20年前ぐらいからの増額を考える人も多いが、年金制度は47歳以上の労働者に対し毎月の掛け金の上限を最大で2000ユーロに限定することによって、それ以上の掛け金を支払えなくしており、これによって自営業者は一定額以上にリタイヤ後の受給額を増やすことが出来なくなっている。

週末明けのCovid19感染状況、発表できず

週末分のCovid19感染状況全国集計は、各州行政からの報告を元に毎週月曜日、中央政府よりそのまとめが公表されるが、昨日は夜中になっても発表されることが無かった。
これについて保健省はネット上で、技術的問題が生じたため発表出来ずにいることを伝えており、問題が解決次第、火曜日に公表する予定であるとしている。
中央政府によるこれまでの発表は先週金曜日に行われたその前日、木曜日までのまとめが最新であり、感染者数累計10.977.524名、死亡者累計99.410名で止まっているが、週末分の発表があれば、死亡者数累計が10万人ラインを超える事が予測されている。
対Covid19ワクチン接種の普及率については昨日、月曜日に更新データが発表されており、12歳以上の年令層については国民の92.9%が2回以上の接種を終えており、5〜11歳の年令層については57.4%が1回の接種を、18%が2回の接種を終えているとのこと。


2022年2月28日(月)

Euribor、2年間で最上昇

欧州銀行間取引金利Euriborは今年2月、過去2年間における最上昇率を示した。
今年に入って1月にも僅かに上昇傾向となり金利はー0.477%となったが、2月が終わろうとしている今、−0.334%となっており、これだけの上昇となったのは前月の−0.266%から−0.108%まで上がった2020年の4月まで遡る必要があり、実に約2年ぶりの大きな上げ幅となった。
現在、スペインにおける住宅ローン契約の75%以上が固定金利ではなく、変動金利制で組まれており、そのほとんどが、このEURIBORを基準としてその推移に連携する形で適用される金利が動くこととなっている。
1年前の金利が−0.501%であったのに対し、今年2月終了時点での金利が−0.334%と大きく上昇しているため、1年ごとの金利更新で契約をしている場合、住宅ローンの支払いによる家計への圧迫が増すこととなる。
15万ユーロの借り入れ、25年返済の場合を例にとると、毎月の返済額は10.98ユーロ、年間にして131.76ユーロの増額となる。

Covid19: 死亡者数累計、10万人越え

先週金曜日に政府は、Covid19による死亡者総数を99.410名と発表していることから、週末が明けた今日の発表でこれまでの死亡者数が10万人を越えることが予測される。
スペインでCovid19の感染拡大が表面化したのは2020年3月半ば以降だったが、それ以前にすでに始まっており、新型コロナ危機が始まって25カ月が経ったと仮定すると、この2年強の間に1日平均133人、1時間平均にして5.5人がCovid19で亡くなったこととなる。
2020年6月21日までとされる感染爆発第1波での死亡者数は28.323名と、Covid19に対応する体勢が整っていなかったこともあり、最も多くの犠牲者が出た。
その後、2020年12月頭までとされる第2波では18.322名が、2021年2月半ばまでとされる第3波では25.778名が、2021年6月半ば過ぎまでとされる第4波では8,228名が、2021年10月半ばまでとされる第5波では6180名が、そして現在、終息しつつあるとされる第6波では12.493名がすでに亡くなっている。
第6波については、感染のほとんどがオミクロン株によるもので、その致死率は0.2%と、それまでのものと比べて重症化、致死率共に低いとされているが、すでにワクチン接種が広く行きわたり、更には総人口が減っているにも関わらず、デルタ株が猛威をふるった第4波、第5波の時よりも多くの死亡者を出しているのが現実であることを忘れてはならない。


2022年2月26日(土)

スペインの対ウクライナ、ロシア貿易額113億ユーロ

ロシアによるウクライナ侵攻による世界経済への影響が懸念されるが、スペイン経済も大きな影響を受けることとなる。
2021年度のスペイン企業約15.000社がウクライナ、ロシア両国との間で行なった貿易総額は113億ユーロにのぼっており、今回の戦争勃発によりこれらの経済活動が失われようとしている。
昨年の産業省まとめによると、スペイン企業5432社がウクライナとの交易を行なっており、その総額は30億9178万ユーロで、その内の3777社が総額6億8178万ユーロの輸出を、また1655社が総額24億1000万ユーロの輸入を行なっていた。
また、同年、ロシアとの交易についてはスペイン企業4981社が総額22億1326万ユーロの輸出、そして4599社が総額60億3326万ユーロの輸入と、計82億4689万ユーロの交易を行なっていた。


2022年2月25日(金)

DANAによる雨到来

干ばつ続きのスペインに雨の知らせがやって来た。
気象局によると、カナリアス諸島辺りで起きたDANA(上空の冷たい空気の一部が本流から離れて孤立する気象現象)が移動し、48時間以内にスペイン本土南西部に達するとのこと。
これにより気温低下と雨が予測されており、今年に入ってからの雨量が例年の41%にしか達していないスペインにとっての朗報となった。
今回の雨は大気中を浮遊しているサハラ砂漠の砂を運んでくるため、アンダルシアを中心に泥混じりの雨となるところが多いとのこと。

在ウクライナのスペイン大使、国外へ避難

ホセ・マヌエル・アルバレス外務大臣は今朝、在キエフ、スペイン国大使館勤務のシルビア・コルテス大使が、100名程度の現地在住スペイン人と共に陸路にてポーランドへ向かっていることを発表した。
現地在住スペイン人のウクライナ国外への避難はすでに始まっており、今週火曜日にも約50名が出国を済ませていたが、個人の意思で現地に残留しているスペイン人がまだ100名程度残っていたとのこと。


2022年2月24日(木)

PP次期党首はアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏

昨夜、最大野党PP所属の各州代表など主要メンバーがスペイン全国から召集を受け、PP党首の今後についての協議が行われた。
出席しなかったのは体調不良であったバレアレス州とカタルーニャ州の代表、そしてある意味で今回のPP党内部の大危機を招く要因となったマドリッド州知事アジュソ氏が召集を受けなかったことによる欠席となった。
マドリッド州知事アジュソ氏へのスパイ行為の発覚などから、PP現党首であるカサ―ド氏の辞任を求める声が強い中、次期党首候補としての噂が広がっている現ガリシア州知事のアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏のみが、昨夜、他のメンバーより1時間前に召集され、カサ―ド氏、フェイホー氏の2名だけによるプライベートな会談が1時間半にわたって持たれ、そのあと予定より50分程度遅れて全メンバーによる会議開始となった。
協議の結果、カサ―ド氏の党首職の即辞任は無く、党規定に基づいた手続きを踏んだうえでの次期党首選出への流れとなることが決定。
次期党首選出を行なう党大会は4月の最初の週末となる2日、3日とし、カサ―ド氏自身は、アルベルト・ヌニェス・フェイホー氏を推すことを明確にした。

新型コロナ危機が始まって以来、その対応についての国民の不満も多く、PSOEとPODEOMOS連立による現政権に対する支持率が落ちており、最近のアンケート調査では、今、選挙を行なった場合、PPがPSOEを抜いて第一党になる可能性が高いと言う結果が見られる。
その場合、PPによる単独政権樹立は困難であるとしても、他の右翼政党との連立により政権をとれる確率は高く、これによりカサ―ド氏は念願の政府首相となれる可能性が高まっていたが、今回の不祥事でその夢が消えることとなった。

現在、不祥事によりPPへの支持率が一時的であるにせよ下がっている事がアンケート調査により見受けられるが、PPに投票していた人々がPSOEに流れると言う現象はアンケート結果には現れておらず、PPの指示が減った分、極右翼政党であるVOXの支持率が高まっている。
よって、もしも今、前倒し選挙が行われるような場合、スペインの政治は極右翼の影響を強く受ける可能性が高いと思われる。


2022年2月23日(水)

水道、電気、ガスの供給停止禁止令、強制退去禁止令を延長

新型コロナ危機による経済活動への大きな影響が続く中、スペインでは水道・光熱費や家賃の支払いに支障が生じている世帯が増加している。
そう言った世帯を保護するための対策として、水道、電気、ガスの供給停止禁止令や賃貸マンションなどからの強制退去禁止令などが出されていたが、その有効期間が今月28日をもって終了となる予定となっていた。
しかしながらCovid19による経済への影響は今も続いており、これらの法令を廃止するのは早すぎるとして、PSOEと連立政権を組むPODEMOSはPSOEに対し、それら法令の延長を要求していた。
これにより水道、電気、ガスの供給停止禁止令は6月末まで、強制退去禁止令は9月末までの延長が決まり、経済難に苦しんでいる家庭にとって朗報となった。

パブロ・カサ―ド氏、PP代表として最後の国会か

最大野党PPのパブロ・カサード党首は本日、党首として恐らく最後となる国会に臨んだ。
PP党内では今、前代未聞の嵐が吹き荒れており、これによりカサード氏の右腕として働いてきたテオドロ・ガルシア・エヘア総書記長が辞任に追いやられ、更にはカサード党首の退任を要求する声も高まりつつある。
現党首の失墜への流れはつい数日前に始まり、あっという間に現状に至った。

事の発端はパブロ・カサード氏派が行なったと見られる、同党所属でマドリッド州知事を務めるイサベル・ディアス・アジュソ氏に対するスパイ行為で、これが発覚したことにより、アジュソ氏派を中心にカサ―ド氏に対する大規模抗議を招く結果となった。
カサード氏とアジューソ氏の間には以前より大きな確執が見られ、事あるごとに両者間に対立が生じていた。
中央政府のCovid19対策に対し、批判を投じるにとどまるカサ―ド氏に対し、マドリッドのアジュソ州知事は常に先手を打つ形で積極的な行動に出ており、それがPP支持者によるアジュソ氏への高い評価が広がる一 因となっていたが、同時にカサ―ド派によるアジュソ氏への警戒心が高まる結果をも招いたと言えよう。

本日、PPの各地方支部の代表等が集まり現党首カサ―ド氏への信任度が測られるが、その多くがカサ―ド氏の退任を希望していると見られる。
同氏の退任のあと、その後続としては、現在ガリシア州知事を務めているアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏を推す声が強く、3月1日に予定されている緊急党会議では、同氏が時期党首への単独候補として名乗り出る可能性が高い。
尚、現マドリッド州知事のアジュソ氏は、以前より自身の居所はマドリッド行政であって、全国のPPを統率しようと言う意思は無いと公言している。


2022年2月22日(火)

平均気温、過去60年間で1,5度上昇

様々な環境問題についての観測を行なっている民間団体OS調べによると、1961年から2018年にかけての57年間に、スペイン国内にある約8200の市町村の内、半数以上にあたる51%の町々で平均気温が1.5度以上、上昇しており、その中で2度以上の上昇となった市町村が全体の14%にのぼっているとのこと。
スペイン気象局によるまとめでは、過去60年間における気温上昇は全国平均にして1.3度と報告されており、今後もこの傾向は続くと予測されている。
気温の変化の進み方は世界各地によって差異が見られるが、スペイン国内でも地域差があり、これまでに最も気温上昇が目立ったのはピレネー山脈付近の市町村であり、3度以上の上昇となった町々が9つ存在する内、6つがピレネー東部に集中している。
それらの市町村の中でも最も温暖化が進んだのがカタルーニャのジロナで、すでに3.26度の上昇となっている。


2022年2月21日(月)

サンチェス首相とカタルーニャのアラゴネス州知事、日曜日に再会か

Covid19危機が始まって以来、カタルーニャの独立問題についての協議を行なうための会合が中断されたままとなっており、未だ再開されていない。
ペドロ・サンチェス首相率いる現政権は、カタルーニャの独立派政党等による協力を得る事によってこれまで様々な法案を可決して来たが、その協力を得るにはカタルーニャ独立問題解決についての継続的な対話が行われることが必須条件となっている。
しかしながらCovid19と言う世界規模での危機に見舞われる中、この2年間、多くの問題への取り組みが後回しにされ、カタルーニャ独立問題についても同様の扱いが行われて来た。
誰もがCovid19の感染拡大第6波もその終わりが近いと考えるようになった今、未だに協議の席につこうとしない首相に対し業を煮やした独立派政党は、事あるごとに政府に対する協力体制を解く可能性を示唆し、圧力をかけつつある。

こう言った緊張が続く中、これまでカタルーニャのアラゴネス州知事と顔を合わすのを避けて来たサンチェス首相だが、今月28日から来月の3日までバルセロナで行われるワールド・モバイル・コングレスの開会式が予定されている27日の日曜日に、その夕食会で二人が再会することが予測されている。
首相は同夕食会への出席をすでに確定しており、カタルーニャ州知事の出席は未だ確認されていないものの、毎回、同式典には必ず州知事の出席があることから、今回も同様であると想定される。
また、フェリペVI国王についても同式典への出席が確認されており、日曜日には久しぶりに国王、首相、そして独立派政党所属のカタルーニャ州知事の3名が顔を合わせ、夕食会で同じテーブルにつく可能性が高まりつつある。

年金、4人に1人が早期受給

スペインでは、2013年に施行された改正案により、年金受給開始年齢や満額受給のために必要な加入年数などが毎年、徐々に延長されているが、昨年、2021年における受給開始のための基本年齢は66歳(必要加入年数は36年)であり、早期受給を希望する場合は65歳から受給が可能だが、そのための必要加入年数が37年3カ月以上となっていた。 そう言った中、昨年、新たに年金受給者となった人の数は316.156名で、その内の75%にあたる238.415名が66歳になるまで待たない早期受給者となっており、平均すると昨年度の受給開始年齢は64.65歳であった。
コロナ危機が表面化した2020年には、66歳に達する前に受給を開始した人の割合は89%に達したが、その数字から2021年度よりも早期受給を希望した人が多かったと単純に解釈することは出来ない。
その理由として、受給開始年齢の引き延ばしが徐々に進められており、受給開始基本年齢が2021年度には66歳であったのに対し、2020年度は65歳10カ月であったことや、65歳から早期受給を開始するために必要な年金加入年数が、2021年には37年3カ月であったのに対し、2020年度は37年で良かったことなどが挙げられる。


2022年2月20日(日)

低料金高速列車AVLO: マドリッド ー バレンシア線、明日から運行開始

スペイン国鉄RENFEによる低料金高速列車AVLOによるマドリッド ー バレンシア線の運行が明日、2月21日より開始となる。
チケット販売は1月20日より始まっておりすでに10万席近くが販売済みとのこと。
新路線運行開始において第一段階では365人乗りの列車112型が一日に6便(往路、復路、各3便ずつ)の運行となるが、第二段階で438人乗りの106型車両が導入される予定。
ツーリストクラスの基本料金は7ユーロからとなっており、購入時点での最安値が 提示される仕組みとなっている。
また、14歳以下を対象とした基本料金は5ユーロからとなっているが、大人料金チケットとの同時購入によってのみ購入可能で大人一人につき2枚まで入手出来る。
基本料金には、車内持ち込み用小型手荷物とハンドバッグ類などが含まれているが、 座席指定や大型荷物の持ち込みなどはその他の追加サービスとして購入時に 別料金で指定する形となる。
マドリッド − バレンシア間の所要時間は2時間弱となっており、マドリッド出発の便は 6時半発ー8時23分着、12時40分発ー14時33分着(13:35クエンカに停車、14:09レケナに停車)、18時40分発ー20時20分着となる。
また、バレンシア発の便は9時28分発ー11時20分着(9:51レケナ停車、10:26クエンカ停車)、16時15分発ー17時55分着、21時10分発ー23時04分着(21:33レケナ停車、22:08クエンカ停車)となる。


2022年2月19日(土)

Covid19: ワクチン接種率、91%で停滞

スペインにおける対Covid19ワクチン接種は早急に進められ、全世界でも最も浸透するのが早い国の一つとなったが、感染拡大第6波が峠を越えて以来、その進み方にはブレーキがかかった状態が続いている。
現時点で12歳以上の人口の91%が2回以上の接種を終えているが、90.9%であった10日前と比べて僅か0.1%しか増えておらず、停滞状態が続いているのが判る。
5歳〜11歳までの年令層に対する接種の進み具合は州によって大きな格差が見られ、年齢層に関係なくスペインの全人口でみた場合、2回以上の接種完了率は81%程度にとどまっている。
5歳未満を対象としたワクチンが認可されていないことや、特別な疾患やアレルギーなどによって接種を受けられない人々が存在することもあり、スペインにおけるワクチン接種の浸透は、ほぼその上限に達した感がある。

スペインの州別平均収入: 最も収入が高いところは?

2020年度の統計によると、スペイン全国の平均月収は2038ユーロとなり、これを上回る地域としては、まず自治都市メリージャ(平均月収2662.6ユーロ)、自治都市セウタ(2257.2ユーロ)が挙げられる。
これら2つの自治都市とは別に自治州別で見た場合、平均収入比較で上位に並ぶのはマドリッド(2350.2ユーロ)、バスク(2278.8ユーロ)、ナバーラ(2209.2ユーロ)、アストゥリアス(2161.6ユーロ)、カタルーニャ(2158.1ユーロ)など5州で、いずれも先述の全国平均値を超えている。
これら5州に続くのがアラゴン(1972.4ユーロ)、カスティージャ・イ・レオン(1950.5ユーロ)、ラ・リオハ(1947.3ユーロ)、ガリシア(1941.9ユーロ)、カンタブリア(1941.0ユーロ)、バレンシア(1920.7ユーロ)で、どれも1900ユーロ以上となっているが、全国平均値以下である。
一方で平均月収が1900ユーロ以下の州はカスティージャ・ラ・マンチャ(1892.3ユーロ)、バレアレス(1844.8ユーロ)、ムルシア(1843.4ユーロ)、アンダルシア(1837.3ユーロ)、カナリアス(1775.7ユーロ)、エクストレマドゥーラ(1760.5ユーロ)となっている。


2022年2月17日(木)

ラ・二―ニャ現象:干ばつにより一部地域で給水制限始まる

スペインでは夏の降水量が少なく、その他の季節に降る雨が一年を通じて消費される水の供給源となっているが、今年は年始から春にかけて記録的な干ばつが続いており、21世紀開始以降、2番目に少ない降水量となっている。
この時期、スペイン全国における貯水池の平均貯水量は例年だと62.3%程度となっているが、今年は44.3%しかなく、1週間前(44.6%)と比較すると0.3%減少している。
特に水位が下がっているのがグアダレテ川流域、バルバテ川流域で共に29.6%しか無く、グアダルキビール川流域も28.5%、グアディーナ川流域でも30.4%、セグラ川流域でも34.4%、アンダルシアの地中海側地域でも34.4%にまで下がっており、すでに給水制限が始まっている地域も少なくない。
長期予報では、このまま少なくとも3月末頃までは雨量が少ない天候が続くとされており、今後、水不足は更に悪化する可能性が高い。
今回の干ばつの原因の一つとして、スペイン気象局のフアン・ヘスス・ゴンサレス氏はラ・ニーニャ現象による影響を挙げている。
ラ・ニーニャはインドネシア、マダガスカル、モザンビークなどでの大雨、日本での寒さ、米国やメキシコなどでの干ばつなどの原因にもなり得るもので、スペインでは過去にも干ばつの原因として確認されている。

フランス国鉄とスペイン国鉄による共同便廃止へ

現在、フランス国鉄とスペイン国鉄による共同便として運行されているバルセロナ ー リヨン ー パリ線、 マドリッド ー マルセーユ便について、フランス国鉄は一方的にその廃止を決定した。
これにより今年12月より、これら両路線の運行が無くなることとなった。
どちらのサービスも大きな収入を生むには至っていなかったが、更にCovid19危機の影響を受け、2020年にはその利用者数はCovid19前に比べて72%ダウン、2021年も59%ダウンとなっていた。
RENFEはフランスへの進出を以前より希望しており、その認可申請を続けているが、フランス政府は未だにその許可を出さずにいる。
一方でフランス鉄道SNCFは、すでに昨年5月よりスペイン国内でのサービスを開始している。
マドリッド − バルセロナ間を結ぶ高速鉄道Ouigoの運行により、昨年夏にはスペインのAVEはその利用者の30%を失ったとのこと。
また、フランス鉄道はこの春よりスペインのレバンテ路線の運行も開始する。
フランス鉄道のスペイン国内への参入を認可したことにより、同等の権利をフランス政府はスペイン鉄道に認めるべきであるとして、スペイン政府はフランスへ強く要求すると共に、必要に応じてEUへ同テーマを持ち込むことも検討中である。


2022年2月16日(水)

不動産売買数、バブル時代レベルに

Covid19危機により、一旦、大きく落ち込んだ不動産売買だが、2021年には前年度比較34.6%増と言う、過去に例を見ない増加となった。
スペインにおける不動産売買は、2007年にバブルがはじけ大きく落ち込んだあと徐々に動きを取り戻し始め、2014年には前年度比2%の増加、2015年には11.5%増、2016年度には14%増、2017年度は15.4%増、2018年度は10%増と増え続けたあと、2019年に0.7%減と僅かながらも減少となり、2020年にはCovid19の影響を大きく受けてマイナス17%の落ち込みとなっていた。
2021年度の売買数は565.523件と、2007年以来の最多数を記録した。

全国で高気温

2月後半に入ったが、スペインでは全国的な高気温と雨不足が予測されている。
例年、雨が多くなる冬の季節にほとんど降雨が見られず、すでに水不足が深刻化し、重度の給水制限が行なわれている地方もあるが、今回、北西から流れ込む雨雲は南西から張り出す高気圧によってその前進を阻まれ、本土北部にのみ少量の雨をもたらす程度に終る見通しとなっている。
また、今週末に向けて2月後半にしては高すぎる気温が続くと予想されており、カナリアスでは22度、バレンシア、アリカンテでは23度、ムルシア、マラガでは24度程度まで上がる見込みとなっている。


2022年2月15日(火)

カスティージャ・イ・レオン: VOXの要求

去る日曜日に行われたカスティージャ・イ・レオン州選挙でPPが最多議席数を獲得したものの、単独政権を得るために必要な過半数には遠い結果となった。
右派政党のPPが連立政権を組むとすれば、同選挙で第3位の位置に急上昇した極右派のVOXの協力が必要となるが、そう言った状況下でVOXのカスティージャ・イ・レオン代表を務めるフアン・ガルシア・ガジャルド・フリング氏は、未だその条件の詳細については触れていないが、大筋として二つの条件を提示している。
一つは、これまでPP、Ciudadanosの両党連立による州行政でCiudadanosが維持していた州政府内役職数と同数以上のものをVOXに任せること。
そしてもう一つは、それら役職配分についての云々を行なう前に、左翼政府によって進められてきた左翼政策、例えば異性間暴力法や歴史記憶法などの撤廃に向けて協力体制をとることなどについて話し合う必要があるとしている。
一方、今回の選挙で第2党となったPSOEは、PPが単独政権を組むためには不可欠となるPSOEの棄権票について、現時点では可能性は無いとしており、PPがそれを望むのであれば、棄権票の正式依頼を行なう必要があるとし、また同時に政権樹立後の党方針についての明確な提示、特に、極右翼政党VOXとの関係を拒絶する姿勢を明示する必要があると警告。

スペインで持ち歩いて良い現金の上限

マネーロンダリング防止策の一環として、スペインでは認可申請無しで持ち歩ける現金の上限額が制定されている。
特別な申請無しで持ち歩ける金額の上限は10万ユーロとなっており、これを超える金額を持ち運ぶ場合、予め許可申請を行なう必要がある。
また、2021年7月11日より施行となった新法では、現金による支払額にも上限が設けられており、支払い側、請求側のどちらかが企業、または自営業で商用目的でこれら金銭のやり取りを行なう場合、その金額は1000ユーロ未満であることが条件となっている。
ただし支払い側がスペインに税務上の住所を持たず、また、商用目的での支払いで無い場合は、現金による支払は10.000ユーロまで認められる。


2022年2月14日(月)

カスティージャ・ラ・マンチャ州選挙、PP勝つも大勝とはならず

昨日行われたカスティージャ・イ・レオン州選挙で、PPが最多数議席を獲得した。
しかしながら、過半数となる41議席には10議席足らない31議席にとどまった。
2019年5月に行なわれた前回の選挙では、第2党となったPPが3番目に多い議席数を獲得したCiudadanosと手を結ぶことによって連立政権を立てたが、今回、Ciudadanosは大きく後退し、代わりに同じく右翼政党Voxが一気に勢力を伸ばして第3党につけたため、PPとVoxの両党による政権樹立による、PPのアルフォンソ・フェルナンデス・マニュエコ知事による続投となる可能性が高い。
尚、2019年の選挙と今回の選挙による獲得議席数の変化を見ると、中央政府で政権を握るPSOEが勢力を落としつつあるのが判る。
PSOEは35議席から28議席に後退、PPは29議席から31議席へと前進、VOXは僅か1議席から13議席に躍進、そしてCiudadanosは12議席から1議席へと急落となり、Podemosは前回の1議席を維持するにとどまった。

Covid19: 感染拡大第6波による死亡者数、第4波、第5波を上回る

オミクロン株を主流とした感染拡大第6波による死亡者数は9.100名近くに至っており、すでに感染拡大第4波、第5波の死亡者数を上回っている。
オミクロン株はそれ以前の変異株に比べ、重症化率や致死率が低いとされ、更にはワクチン接種率がすでに90%近くに達していたことなどから、人々の警戒心に緩みが生じた感があったが、実際にはその陰で多くの人命が失われているのが判る。
Covid19危機が始まった当時、突然のことでこれに対応する準備が整っていなかったこともあり、第1波では登録された死亡者数は28.323名と、多くの人が亡くなった。
そのあと第2波では18.322名、第3波でも25.778名と惨憺たる状況が続き、その後ワクチンの普及が進むと共に緩和が見られ、第4波で8.228名、第5波では6.180名となったが、再三にわたって重症化率や致死率が低いと報道されてきたオミクロン株拡大による第6波で、その数はすでに9.078名に達している。
尚、情報会社DADAXによるWEBページ「ワールドメーター」によると、Covid19による死亡者数を人口比で見た場合、スペインは世界で38番名に位置している。


2022年2月11日(金)

インフレ率、賃金引上げ率を大きく上回る

政府は、今年から最低賃金をこれまでの月額965ユーロから1000ユーロへ引き上げることを決定し、これにより、最低賃金受給者の収入が昨年に比べて3.6%増となったことをアピールしている。
しかしながら、昨年2021年に行われた賃上げで最低賃金が1.6%増となったのに対し、同年度の物価上昇率は3.1%で、最低賃金受給者にとって、実際にはその差1.5%の減収になっている。
そして今年2022年の最低賃金が3.6%増となったのに対し、今年度の予想インフレ率は現時点で4%となっており、ここにも0.4%の格差が見られ、最低賃金受給者にとっては、2021年、2022年の2年間で約2%の減給と同じ状況になっている。


2022年2月10日(木)

最低年収、14000ユーロに

政府、企業連、主要労組などの協議によって進められていた今年度最低年収についての発表が、昨日、第2副首相によって行われた。
これによると、終日従事の契約の場合、今年度における国が定める全国共通の最低賃金は月額1000ユーロX12カ月とボーナス2カ月分とで、計14000ユーロとなる。
これまでの月収965ユーロと比較すると3.6%増となっており、今年1月分に遡ってこれが適用されることとなる。
2020年2月にあった賃上げで最低月収は900ユーロから950ユーロに、そしてその後、2021年9月に965ユーロとなっていたが、今回の協議で1000ユーロ台に達した。
しかしながら今回の賃上げについては、コロナ危機の長期化により経済活動が正常な状況には無く、現時点で企業の負担増を招く政策は避けるべきとして、企業連による合意はなく、政府、労組の2者のみによる合意での決定となった。
大手労組CCOOによると、最低賃金引き上げの恩恵を受ける人はスペイン全国で約180万人いるとのこと。
また、女性労働者の14%、16〜24歳の労働者の30%、また農業関連労働者の40%が最低賃金で働いているとのこと。
今回の協議では今後の最低賃金引き上げについても話し合いが行なわれており、来年には平均月収の60%(1011〜1049ユーロ程度)まで引き上げる予定となっている。


2022年2月9日(水)

Covid19: 屋外でのマスク着用義務、条件付きで明日から廃止

本日の政府広報により、屋外におけるマスク着用義務の廃止が発表される。
これが有効となるのは明日以降で、一定の条件付きとなる。
尚、着用義務廃止の対象となるのは屋外であって、公共の場として使用されている屋内、商店や飲食店など不特定多数の人々の出入りがある屋内については今まで通りの規制が維持される。
また、屋外であっても他人との安全距離として1,5メートル以上を保てない場合は、引き続き着用義務が課せられる。
公共交通機関サービスの利用についても着用義務は持続されており、特に、駅のプラットフォームなどにおいても着用は義務であることに注意が必要。

二重電話による詐欺に要警戒

消費者協会OCUは、最近、多発している二重電話による詐欺の被害に遭わないよう、警戒を呼び掛けている。
OCUによれば、最初に掛かってきた電話に出ると、その電話の持ち主が契約している電話会社の名を使って、電話料金引き上げの通達が行われるとのこと。
通常、月額にして15〜20ユーロ程度の値上げがあるとの説明があり、その通話が終ってしばらく経つと、再び電話が掛かり、これに応答すると今度は別の電話会社から安い特別料金プランの案内がある。
そして、その特別プランが他社のプランよりも優れているとして消費者協会も推奨していると言った案内が行われるとのこと。
消費者協会OCUによると、最初に掛かってくる電話は、消費者に電話契約を他社に変えようと思わせるための下準備で、2度目にかかってくる電話はOCUの名を利用した悪質なセールスであるとしている。
スペインでは、料金の値上げについての通知は30日以上の猶予を持って行なうことが義務付けられており、また、通常、電話を通じて口頭によって行わっることは無いとして、これらの詐欺の被害に遭わなよう警告している。


2022年2月8日(火)

国会議長、PP議員によるオン・ライン投票の内容確認せず

先週木曜日に行われた労働法改正案決議(2月4日の記事参照)において、PP議員が行なったオン・ライン投票が本人の意思に反した内容となり、この1票の差で決議結果が反転してしまったことについての様々な議論が今も続いている。
そう言った中で、体調不良によりオン・ライン投票を希望したPP議員に対してこれを許可する文書の内容から、オン・ラインによる投票を行なうに際し、その投票内容の正確さを保証するために、国会での全体投票が開始される前に、必ずオン・ライン投票をした議員に対し電話による投票内容の確認を行なう必要があったことが判明した。
しかしながら、実際にはこの電話確認は無く、また、オン・ラインによる投票でその内容に間違いが生じた可能性が高いことに気付いたPP議員が国会執行部へその旨を連絡し、議長からの確認電話を待っていたにも関わらず、議長からの電話は無かった。
また、PP党本部からの確認依頼に対しても議長はそれを行なわず、更に、現地での直接投票に変更するためにオン・ライン投票を済ませた議員が国会へ向かっていたため、PP党が直接投票の許可を申請したにも関わらず、議長はその認可を行なうかどうかについての決定を行なうための執行部会議の招集さえも行わなかった模様。
PP党はこれら議長の行動について、国会議員の投票権無視、反民主主義的違憲行為として憲法裁判所に提訴する準備を進めている。

養鶏場、一斉閉鎖の危機

電気、水、飼料、プラスティック、ダンボール、ディーゼルなど、養鶏場運営に必要な様々なものの料金が全て高騰していることから、スペイン全国の養鶏場が深刻な経営難に陥っている。
ディーゼル価格は約60%、電気、ガスは150%以上、プラスティックが50%、水が30%、肥料が100%、飼料が25%の高騰と、全てがこれまでに例を見ない急激な値上がりとなっており、スペイン銀行やEU中央銀行は今後もまだインフレが続くと予測している。
農牧業組合COAGは、これらの急激な経費増が鶏肉や卵の卸値に直接反映されない限り、養鶏場の運営維持は不可能としており、スペイン全国規模で一斉閉鎖に追い込まれる可能性があるとして警鐘を鳴らしている。


2022年2月7日(月)

屋外のマスク着用義務廃止へ

スペイン保健省と全自治州は、今朝の会合で12月末から続けられていた屋外でのマスク着用義務を廃止することを全会一致で合意した。
明日の閣僚会議で正式決定され、今週木曜日から施行される。
また今朝の会議では、スポーツ観戦の人数制限も緩和されることが決まった。
サッカーなど屋外イベントの場合は85%、屋内は75%に拡大される。
これは次節から今月末まで適用されるが、それ以降は100%に回復する。
屋外でのマスク着用は、かねてから感染医学専門家の間でもその有効性を疑問視する声が多く挙がっていた。
一方、各自治州知事は、廃止には同意したものの、中央政府の政策が場当たり的であるなどと批判し、カンタブリア州のミゲル・アンヘル・レビージャ知事は、今後も屋外でマスクを着用し続けると宣言した。
尚、屋外であってもコンサートやイベントなど、1.5メートル以上のソーシャルディタンスが確保できない場合は、引き続き着用が必要となる。
またそれ以外でも大勢の人が集まる場所では使用が推奨される。

国内の銀行支店数、10年で半減

銀行サービスの急速なデジタル化に対する、高齢者の抗議活動が最近話題となったが、スペイン銀行の調査によると、国内の銀行支店数は、この10年で半分にまで減少した。
また、56%の自治体にまったく銀行がなく、それはイベリア半島内陸部、特にカスティージャ・イ・レオン州で顕著であるという。
また、この10年で閉鎖された支店数は2万133軒で、これに伴い、8万4204人が解雇され、約3分の1の銀行員が職を失った計算となる。
結果、現在の支店数は、国民10万人あたり43.5軒で、最古のデータが残っている1975年よりも少ない数値である。
また、従業員の数にいたっては、現在、1000人あたり3.8人であるという。
数字の上では、支店数が増加した銀行もあるが、実際にはカイシャバンクなどのように他行を買収したり、合併した結果支店数が増加したものであり、単独で支店数を増やした銀行はほとんどない。

スペイン・ポルトガル、2030年W杯唯一の欧州候補に

2030年に開催予定のサッカーFIFAワールド・カップの共同開催地として立候補を昨年表明したスペインとポルトガルだが、この大会の唯一の欧州立候補となる可能性が高くなった。
報道によると、同大会には他に英国も名乗りを挙げていた。
しかしながら同国は、最終的に2028年のヨーロッパカップの候補地に切り替える所存であるという。
候補がひとつに絞られることにより、スペイン・ポルトガルに対する欧州からの支援が一極化することとなり、開催に向けてより有利に働くとみられる。


2022年2月4日(金)

オン・ライン投票の不具合で国会決議が反転

昨日の国会で、労働法改正案についての決議が行なわれた。
政府は同改正案の可決に向けて長期に渡り各政党との交渉を続け、僅かな票差ではあるが可決される目処が立ったところでの決議だった。
ところが投票のあと、国会議長の口から飛び出した結果報告は、政府の予想に反するものだった。
開票結果は賛成票と反対票がちょうど同じ数となり、可決に至っていなかったのである。
首相や労働大臣をはじめ、可決されることを予定していた与党側は動揺を隠せないでいたが、その直後、議長が結果についての訂正を発表し、可決宣言を行なったことにより、議事堂内は騒然となった。

政府の計算では2票差で決議されるはずだったが、ナバーラの保守派政党UPNの党員2名が、党の指示に背く形で反対票を投じたことが判明。
しかしこれだけでは賛成票、反対票が同数となり、可決には至らないはずだが、議長が訂正した開票結果では僅か1票差により可決されたことになっていた。
その1票とは、最大野党PPの議員で体調不良によりオン・ライン投票を行なった議員によるもので、本人は反対票を投じたはずなのに、賛成票を送ったことになってしまったようである旨、投票後すぐに国会の執行部に対し連絡を取ろうと試みたが、それが叶わなかったため、急いで国会議事堂へ向かったとのこと。
また、同議員はこれについて自身が所属するPP党にも連絡を入れ、党からも国会執行部に対し、何らかの原因による誤投票があったことを通知し、投票内容が議員の意図を反映しているものかどうかの確認を求めていた。
議員は国会での決議前に到着したが、オン・ライン投票を行なったと言う事実により現地での出席投票は認められず、投票のやり直しは許されなかった。
「謎の1票」について、議員に対しても党に対しても執行部からの返答が無いままに国会での決議が行なわれ、このオン・ライン投票による「謎の1票」が賛成票として加算された結果、僅か1票差での可決となった。

開票結果の発表時には否決となったことを通知しておきながら、その後すぐに可決であると訂正した事などからも、国会執行部はこの「謎の1票」の存在を把握しており、必要に応じてこれを利用したとして、PP、Voxなどは、今回の決議の無効性と政府による違憲行為について憲法裁判所へ提訴するとしている。


2022年2月3日(木)

マドリッド地下鉄11番線の大規模拡張計画

マドリッドの地下鉄の大規模な拡張工事の計画が進められており、その対象となる路線は11番線とのこと。
11番線は現在ラ・フォルトゥナ駅からマドリッド中心部への入り口の一つであるプラサ・エリプティカまでをつなぐ路線となっているが、今回の拡張計画ではプラサ・エリプティカ駅からコンデ・デ・カサル駅までをつなぐこととなる。
現在、プラサ・エリプティカ駅とコンデ・デ・カサル駅との間は6番線による連絡があるが、11番線の延長路線は別のルートを辿ることとなり、その道中、新駅としてコミ―ジャス駅、マドリッド・リオ駅が建設される。
その後は3番線の既存駅であるパロス・デ・ラ・フロンテラ駅、そして1番線の既存駅であるアトーチャ駅を経てコンデ・デ・カサル駅へと至る予定で、マドリッド市内の地下に約6キロに及ぶ新たなトンネルが掘られる事となる。
現時点での予定としては、遅くとも今年11月に工事を開始するとしており、完工は早くても2026年の第4・四半期以降となる見込みである。


2022年2月2日(水)

Hipra(イプラ):初のヨーロッパ純正対Covid19ワクチンはスペイン製?

スペインで開発が進められている対Covid19ワクチン「イプラ」は、実用化される前の最終段階であるフェーズ3に入った。
被験者3000人の協力を得て追加接種として使用し、この最終段階を終えたあと、今年の5月頃から実用化される見込みである。
これまでの実験でイプラの安全性と効果の確認は順調に進んでおり、特に現在、多くの国々で蔓延しているオミクロン株に対する効果は、ファイザー社ワクチンよりも大きいとのこと。
また、接種による副反応についても報告が無く、接種後の発熱や痛みなどの苦痛を伴うことが多い他社ワクチンと比べ、より快適に利用出来るとのこと。
少なくともEU医薬品庁による公認ワクチンとしての認可を受け、ワクチンパスポートに表記できるようにならなければ同ワクチンを受けた人がEU諸国内を自由に旅行することが出来ないため、スペイン政府は今後、この認可申請を進めることとなる。
スペイン政府やワクチン開発チームは、この認可申請における大きなトラブルは無いと考えてはいるが、EU医薬品庁が新たなるワクチンを認可するための条件として、ファイザー、モデルナなどの現存ワクチンと比較して、明らかにそれ以上の有効性が有ると言うことを立証しなければならないとしており、また、EU諸国の中の4か国以上の推薦があることを条件としている。
スペイン製ワクチン「イプラ」が実用化されれば、初のEU純正ワクチンとなるが、その開発について、EUからの経済援助は一切受けずにここまでたどり着いたことを開発チームは強調している。


2022年2月1日(火)

消費者物価指数計算の対象品目にマスクを追加

消費者物価指数の計算時に用いられる対象品目リストは、5年に一度、その見直しが行なわれる。
2016年に作成されたリストが2021年に更新され、この新しくなった品目リストを使用した年間同時期比較物価指数は、今年1月分がその最初の発表となる。
2021年の最新リストでは、対象品目の数が2016年に比べ22品目減って955品目となっているが、廃止された品目の中には利用者が減ったCDディスクやDVDディスク、そしてこれらを再生する携帯プレーヤーなどが含まれる。
また、従来の物理的に印刷物として販売されている雑誌や新聞なども同様に利用者が減り、その姿を消した。
変わって追加された品目の中には、インターネット経由で閲覧するオン・ライン新聞やCovid19危機勃発後にその需要が急増したマスクなどが見られる。
品目リストの中で最も重要視されているのは、引き続き食品とノンアルコール飲料であり、全体の22.6%を占めている。

スペイン語辞書に登録されている日本語紀元の単語

スペイン語の中に取り入れられている外来の単語は数多く存在するが、その中には日本語紀元とされるものもあり、スペイン語の基準とされるスペイン王立アカデミー発行の辞書には、現時点で59の単語が登録されている。
その中には日本語がまさに紀元であるものもあれば、他文化紀元の言葉が日本を通じてとり込まれたものも含まれており、例としては次のようなものが見られる。

Soja    = 醤油
Zen     = 禅
Futon   = 布団
Manga   = 漫画
Biombo  = 屏風
Origami = 折り紙
Tsunami = 津波
Karaoke = カラオケ
Tofu    = 豆腐
Emoji   = 絵文字


2022年1月31日(月)

Covid19: 入院患者数増加

スペインにおける最初の新型コロナ感染者が確認されてから2年が経つ今、感染拡大第6波による毎日の新規感染確認数は徐々に減少しつつあるにも関わらず、Covid19による入院者数は増えている。
週末の集計はまだ全ての州政府による報告が出そろっていないが、過去24時間における新規入院者数は少なくとも3つの州で増加となった。
最も増加が目立ったのがカタルーニャ州で2942名が新たに入院が必要となり、ガリシア州でも23名が、カンタブリア州でも22名が新規入院者として報告された。
スペインにおけるCovid19感染者総数は確認されているだけですでに980万人弱に達しており、その内、19歳以下の年令層が180万人程度を占めている。
また、感染した人の10〜16%に長期間にわたる様々な後遺症があると報告されている。

テニス全豪オープン、ラファ・ナダル優勝

昨日行われた全豪オープン決勝戦でスペインのラファ・ナダル選手が優勝し、世界4大大会における最多優勝記録、21勝を達成した。
これまでロジャー・フェデラー選手、ノバク・ジョコビッチ選手、そしてラファエル(ラファ)・ナダル選手の3名が20勝の記録で並んでいたが、今回の勝利によりラファが単独トップに立った。
ラファは自身が10年以上前から「ミュラー・ワイス病(MWD)」を患っており、昨年は5か月間に渡ってプレー出来ず、更に続けて昨年12月にはCovid19感染により試合に出場出来ない時期が続くと言った悪状況が重なり、選手引退の 可能性も囁かれていたが、今年のメルボルン・サマーセットへの参加で体調を確認し、同大会での優勝を持って全豪オープンへの出場を決めた。

公共の高齢者用旅行プラン、売れず

スペインでは、冬場の旅行オフ・シーズンに合わせる形で、社会保障システムが組む高齢者を対象とした旅行プランの販売が毎年行われる。
これは年金生活を送っている高齢者が通常の値段よりも経済的に旅行を楽しめるよう行なわれている公共サービスで、通常、各県の県庁所在地を発着地として行われる団体ツアーの形態がとられている。
ワクチンの浸透により、Covid19の脅威と共存しつつも様々な経済活動が戻りつつある今、昨年12月14日に今シーズンの高齢者用旅行プランの販売が開始となった。
例年、販売開始になるのを待ちわびている高齢者がその申し込みに殺到するのが普通で、販売開始後48時間でほぼ売り切れになるものだったが、未だオミクロン株を中心とした感染拡大第6波の最中にある今シーズンは、販売開始から1カ月たった今でもその25〜50%程度の空きがあり、申込受付が続いているとのこと。
感染拡大が続いていることから、一度申込みをしたものの、その後キャンセルする人が多く、同旅行プランを担うグループの一つであるTurismoSocial(Avoris社とHalcon Viajes社による提携)によると、一旦、予約は73%まで達したが、その後のキャンセルがすでに5%に達しているとのこと。


2022年1月28日(金)

Covid19: 感染状況、4日連続で減少傾向

昨日発表された前日分(26日分)の全国集計では、新規陽性確認数が130.888名で人口10万人あたりの数値が3.139名となり、4日連続で減少傾向が続いた。
しかしながら新規死亡者数は176名と、依然、深刻な状況が続いている。
地方別に見た場合、ほとんど全ての州で感染拡大にブレーキがかかりつつあるが、カタルーニャ、バレンシアの2州だけ、未だに増加傾向にある。
人口10万人当たりの数値が現時点で最も高いのはセウタで5.299名となっており、これにカタルーニャ(5.287名)、ムルシア(4.735名)が続いている。
逆に最も低くなっているのがアンダルシアの1.146名でこれにマドリッド(1.798名)、カナリアス(1.915名)が続ている。
感染拡大が収まりつつあることによって医療施設の負担も徐々に軽減してきているが、Covid19患者によるICUの使用率は今も全国平均22.16%に達している。
特に深刻な状況が続いているのはカタルーニャ(41.3%)、アラゴン(31.58%)、バレアレス(29.91%)、メリージャ(29.41%)、カスティージャ・イ・レオン(25.59%)、マドリッド(25.13%)などの州となっている。

EU諸国内で最も長寿の木、スペインにあり

これまでEU諸国内にある樹木の中ではギリシャにある 松の木がトップの座を占めていたが、この度、バジャドリ大学とフアン・カルロス国王大学等の共同研究の結果、その木よりも更に400年ほど長寿の木がスペイン、カナリア諸島の中のテネリフェ島で確認された。
テネリフェ島にある国立自然公園内にあるカナリアス原産のビャクシン属の一種で、放射線炭素による年代測定によるとその樹齢は1481年に達する。
調査ではその周辺に樹齢1000年以上のものが幾つも確認されたことから、 調査範囲を広めていくことにより、更に古い木が見つかる可能性も高いとのこと。


2022年1月27日(木)

Covid19: モデルナ社ワクチンによる副反応、痺れ

スペインでは3度目の追加接種としてファイザー社ワクチンとモデルナ社ワクチンの2種が使われているが、3度目の接種時に1度目、2度目に受けたワクチンと同種のワクチンを受ける事になるかどうかについての事前情報提供は無く、接種会場へ行くまで把握出来ない。
そう言った中、モデルナ社ワクチンによる副反応と考えられる症状としてスペイン保健省が発表した最新のリストの中に、新しく「痺れ」の症状が追加され、注目を集めている。
スペインでは今年1月9日時点で1度目、2度目、3度目の接種全てを含めて計1400万回分のモデルナ社ワクチンが使用されており、その中で痺れの副反応の報告が158件登録されている。
また、スペイン国内で使用されているファイザー、モデルナ、ジャンセン、アストラ・ゼネカ(すでに使用されていない)など全てのワクチンでは、今年1月9日時点で計80.109.445回分の接種が行なわれていたが、重要と思われる副反応報告は55.455件となっており、10万人あたり69件の割合となっていた。
そして報告された副反応があった人の中で重症となった人の内、375名が1月9日までに死亡に至っている。


2022年1月26日(水)

高齢者、金融機関に「より人間的な扱い」を要求

金融サービスにおけるデジタル化が急速に進む中、スペインでは銀行の支店数が急速に減少している。
2008年にはスペイン全国で45.000件あった支店の内、近年になって25.000件がその姿を消し、その結果として自宅からその徒歩圏内に利用出来る支店が存在しなくなった高齢者も多い。
若い世代は高齢者層に比べてインターネットを通じた各種サービスの理由に慣れているが、高齢者の中にはそれが出来ない人もあれば、インターネットのサービスを契約してもいない人も多い。
これにより高齢者が金融サービスの対象から排除されると言う現象が広がりつつあるが、この状況を改善すべく78歳の男性カルロス・サン・フアン氏は、行政、そして金融界のお目付け役であるスペイン銀行に対し、適正な対応を求めるための署名運動を開始した。
インターネット経由のサービスや、数少なくなった支店に置かれたATMによるサービスだけでなく、そう言ったものを使いこなすのが不可能、または困難である高齢者に対する「対人」での対応、より人間的な扱いを行なってくれるよう要求するための賛同者の署名集めを開始し、すでに38万人のサインを獲得した。
これが国民の声であるとして中央政府、そしてスペイン銀行へ提示したところ、両者から同テーマについての協議への参加の招待が届いた模様。

ビニール袋代より安いオレンジの卸値

去る週末、首都マドリッドにおいて農業従事者等による大規模デモが行われたが、大手スーパーチェーンなどによる圧力もあり、農作物によってはその生産コストを下回る値段でしか出荷出来ないものも多い。
コルドバの柑橘類取引場におけるオレンジ価格の今週の相場は、安い種類のもので1キロ当たり10〜13センティモ、高いもので15〜18センティモとなっており、これらは食品スーパーで1キロ入り、2キロ入りなどの単位で売られる際に包装用に使われるビニール袋にかかる経費10〜50センティモよりも安値となっているとのこと。
オレンジの場合、値崩れの大きな原因としてアフリカから大量に輸入されている激安オレンジの影響が強く、これらの輸入が続く間、大手スーパーはスペイン産のオレンジについても同レベルの卸値を要求することが多い。
このためアンダルシアではアフリカ産オレンジの大量出荷シーズンが終わるまで収獲を行なわず、果実を木に残したままの状態で少しでも卸値が回復するタイミングを待たねばならず、本来であればすでに収獲を終えているべき今の時期に、未だ 全体の25%しか収穫していないと言う状況にあると言う。


2022年1月25日(火)

スペイン、ポルトガルにおける癌死亡者の分布

マドリッドにある国立疫学センターとリスボンにある国立保健研究所による共同研究の結果として、イベリア半島に広がるスペイン、ポルトガル両国における各種癌による死亡者の分布図が作られた。
両国に渡る癌死亡者分布状況の分析が行われるのはこれが初めてのことで、両国間における様々な共通性や違いが浮き彫りとなった。
今回の分析に使用された情報は、2003年から2012年に癌により死亡した84万人の情報である。
地域別の死亡者分布を比較するにあたり、高齢化が進んでいる小村などでは癌発生率そのものが増すことから、住民の年齢層の内訳なども考慮に入れた形で、両国の全地域における死亡者の分布状況が分析された。
この研究による各種癌による死亡者の地域別分布は、次のようになった。

・肺癌
 癌の中でも両国において最も死亡者数が多いのが肺癌だが、両国間では大きな違いが見られた。
 ポルトガルよりもスペインで圧倒的に多く、地域としては エクストレマドゥーラ州、アンダルシア州西部、カスティージャ・ラ・マンチャ州西部に特に集中している。
 両国間で見られる差異の大きな原因としては、成人喫煙率の違いが考えられており、毎日習慣的に喫煙を行なう成人がポルトガルでは11%であるのに対し、スペインでは20%に達している。
 またエクストレマドゥーラ州の成人喫煙率は、スペイン国内でも最高値となっている。

・乳癌
 両国において2番目に死亡者数が多い。
 発症の一般的な要因としては喫煙、飲酒、肥満、更年期における一部のホルモン治療、一部の経口避妊薬、後期出産などが挙げられるが、死亡者はスペイン、ポルトガルの国境に関係なくイベリア半島の南西部に集中している。
 患者の85%が快復するとされるこの癌で、一定地域に死亡者が集中している原因として、医療サービスの全体的レベルの低さ、放射線治療へのアクセスの悪さ、早期発見システムが機能していない、などが考えられる。

・前立腺癌
 圧倒的に男性に多い癌だが、死亡する人の数としては肺癌、乳癌に続いて3番目に多い。
 スペイン、ポルトガルの両国間では死亡者数に大きな差が見られ、ポルトガルに圧倒的な集中が見られる。
 スペイン国内で多いのはポルトガル北部の延長上にあるガリシア州だけで、それもガリシア全土ではなく、ポルトガルと接しているガリシア南部に集中している。
 この一定地域における集中の主な原因として、遺伝的要因が考えれている。

・食道癌
 両国間で同レベルの分布が見られるが、ポルトガル北部からその延長上のガリシア、そしてガリシアから東へスペイン北部を横断してナバーラ州あたりまで集中が見られる。
 性別では男性の方が多く、女性よりも喫煙率、飲酒率が高いこと、野菜や果物の平均摂取量が少ないことなどが原因と考えられる。

・胃癌
 両国間で大きな差があり、ポルトガル国内では3番目に死亡者が多い癌となっている一方、スペインでは7番目に位置している。
 ピロリ菌による感染が大きく影響する癌だが、食習慣として塩漬け製品やスモーク製品の大量消費や、野菜の欠乏なども要因として考えられる。

・大腸癌
 スペインでは最も頻繁に見られる癌だが、死亡者はアンダルシア西部、アストゥリアス、カスティージャ・イ・レオン、バレンシア、エクストレマドゥーラなどに小規模の集中が散在している。
 ポルトガルではリスボン周辺、テイジョ川流域、アレンテージョなどに明らかな集中が見られ、原因としては喫煙率、飲酒率、加工肉製品の大量消費などが考えられている。

・膵臓癌
 両国間での差が見られる癌の一つで、ポルトガルでは少ないがスペイン北部に集中が見られる。
 一般的にその原因として喫煙がよく挙げられるが、喫煙率に男女間の差が見られるのに対し、死亡率では男女間の差が無いため、他の要因の存在が考えられ、慢性膵炎、肥満、糖尿、遺伝性の理由など推測されている。

・咽頭癌
 両国間での共通点が見られる癌の一つで、国境をまたいでイベリア半島の南西部、ポルトガル北部からガリシアにかけて、更にスペインでは北部などにその集中が顕著となっている。
 原因として飲酒、喫煙以外に、アスベストや石油由来の燃焼生成物との接触がある職場が多いことなどが考えられている。

・膀胱癌
 両国間に大きな差があり、ポルトガルでは少ない。
 スペインではエクストレマドゥーラ、アンダルシア西部、バレンシアなどに集中しており、喫煙以外に、一部の工場から排出されるもの、或は岩石などの自然浸食に伴い発生するヒ素の摂取などが原因として考えられる。

・白血病
 ポルトガル中央部とそれに隣接するスペインのエクストレマドゥーラ州、カタルーニャなどに集中が見られる。
 主な原因は白血病の種類にもよるが、急性骨髄性白血病については一般的にその20%が喫煙と関連性があるとされている。
 また、放射線治療や化学療法、職場などでのベンゼンとの継続的な接触なども影響があると考えられる。


2022年1月24日(月)

スペインで最も美しい村リストにプエンテデイが追加

「スペインで最も美しい村」協会が2022年度版として更新した美しい村リストには、計105か所の村名が挙げられているが、今年新たに追加となった村は一つだけで、ブルゴス市から約80キロ離れたところにあるブルゴス県のプエンテデイ村だった。
今回、このリストに加わるべく22の村が立候補したが、厳しい審査を通過出来たのはプエンテデイのみとのこと。
プエンテデイは人口僅か50名ほどの小さな村で、ネラ川にかかる、自然浸食によって出来上がった岩橋の上にある。
歴史建造物としてはロマニコ建築のサン・ペラージョ教会、15〜17世紀建築のロス・プリスエラ宮などがある。

19県に低気温注意報

スペイン各地で寒さが続いており、気象局では本日も引き続き19県に対し低気温に対する注意報を発している。
最低気温がマイナス8度程度まで下がる可能性があるとして、ウエスカ、テルエル、サラゴサ、アビラ、ブルゴス、レオン、パレンシア、サラマンカ、セゴビア、ソリア、バジャドリ、サモーラ、クエンカ、グアダラハラ、バルセロナ、ジロナ、ジェイダ、タラゴナ、オレンセの19県に注意報が出されている。

住居不法占拠増加

スペインにおける住居不法占拠は、増加傾向が続いている。
長期間使用されていない建物全体やバカンスなどで留守宅となっているマンションなどに不法侵入を行ない、そのままそこに住みついてしまうと言う犯罪行為だが、一旦、侵入され、家主がそれに気づかずに一定の期間が過ぎてしまうと、合法的に追い出すのが困難となるため、深刻な社会問題となっている。
スペイン国内でこの住居不法占拠が最も多発しているのはカタルーニャ州で、内務省発表によると、昨年1月から9月までの集計では5689件の報告が記録されている。
首都があるマドリッド州では1282件と、最も深刻化しているカタルーニャと比較すれば少なくなってはいるが、前年度に比べ住居不法占拠件数が全国平均では18%の増加となっているに対し、マドリッド州では24.8%増となっており、傾向としては予断を許さない状況となっている。


2022年1月22日(土)

スペイン、コロナ渦でも臓器移植数世界でトップ

スペインは臓器移植において、その件数で常に世界でトップを競う位置を維持しているが、2020年にCovid19危機が始まると同時に、他の国々と同様にドナーの数が大きく減少した。
2019年には2302名のドナーがあったのに対し、2020年は1777名にまで減ったが、Covid19危機下で医療の逼迫が続く中、2021年には8%の回復を見せ、ドナー数は1905名まで回復した。
これにより2021年には4781件の移植手術が可能となった。
その内訳は腎臓移植(2950件)、肝臓移植(1078件)、肺移植(362件)、心臓移植(302件)、膵臓移植(82件)、腸移植(7件)。
現在、スペインにおけるドナー指数は人口100万人あたり40.2人となっており、EU諸国平均や米国、英国などの2倍、またドイツと比較すると4倍の比率となっている。

また死亡後の臓器提供だけでなく、生存中の提供についても増加しており、2021年には前年度比25%増、323件の腎臓移植が行われた。
2020年にCovid19危機が始まって以来、これに感染中の人、感染後回復して陰性となった人、感染中に死亡した人などからの臓器移植をどのように扱うかについての問題が浮上したが、新規定に基づいた判断により移植可能とされた臓器によって、無事、手術を終えた患者はこれまでに143名に達している。
また、14件の手術がPCR検査で陽性反応を維持しているCovid19感染者からの臓器提供を受けて行われたとのこと。


2022年1月21日(金)

サッカー国王杯、8強決定

先週末から順次行われていたサッカー国王杯の8強決定戦が昨夜の2試合で終了となり、準々決勝へ進む8チームが決定した。
準々決勝戦へ進むのはカディス、マジョルカ、ラジョ・バジェカーノ、バレンシア、ベティス、レアル・ソシエダ、アスレティック・デ・ビルバオ、レアル・マドリッドの8チームで、抽選会は本日の12時半より行われる予定。

スペイン、黒海へ軍艦を派遣

ウクライナのNATO加盟の可能性が発端となり、ロシアとNATO加盟国との間での危機感が頂点に達しつつある中、OTANの一員であるスペインからも、二日前に黒海へ向けて乗組員52名の小型艦が送られているが、更に200名以上を乗せた艦2隻が2,3日中に出動予定であり、また2月には空軍の出動も予定されている模様である。
スペインによるNATO軍への参加は以前より続いており、現在もラトビア内のNATO軍の一部として300名が6年前から駐留している。


2022年1月20日(木)

Covid19: 感染者多数により学校教育に混乱

Covid19の感染拡大第6波がその山場を迎えたとされる今、スペインにおける学校教育は混乱状態にある。
先週水曜日に1日の新規陽性確認数がこれまでの最多数175.000人に達したが、先週金曜日時点でスペイン全国の学童・学生820万人(大学生を除く)の内、102.000人が、そして教職員についても全体の4%にあたる24.000人が隔離中となっていた。
クリスマスを含む冬休みが終わったあとの新学期開始に向けて政府が定めた新しい規定では、学校における1クラスの中で5名以上、またはクラス全体の20%以上が陽性となった場合にのみ、クラス全体が閉鎖となり自宅からのオン・ライン授業となるが、同基準に達しない場合、教師は学校での通常授業を行ないつつ、同時に自宅からオン・ラインで参加する隔離中の学童数人への対応も行なわねばならず、教師の負担が増大している。
また、教職員が感染した場合、代行の教師を用意するのに時間がかかり過ぎることによって、その間の授業が行なえていないと言う例も多々見られ、学校教育に大きな乱れが生じている。
尚、今回の感染拡大第6波は先週末以降、感染拡大の勢いが弱まって来ており、そのピークを越えたとする見方が強まりつつあるが、昨日発表の過去24時間における新規陽性確認数は157.941名、そして新規死亡者が160名と深刻な状況が続いている。

各地で寒波による注意報発令

スペインを覆っている寒波による影響は今日も続いており、気象局では各地に気温低下や積雪に関する注意報を発令している。
気温の低下について注意喚起がなされているのはウエスカ、サラゴサ、テルエル、セゴビア、ソリア、サモーラ、アルバセテ、クエンカ、グアダラハラ、シウダ・レアル、ムルシア、バルセロナ、ヘロナ、レリダ、バレンシア、アリカンテなどで−4度から−8度まで下がる予想となっている。
またレリダでは、標高700〜800m以上の地域で24時間に5センチ程度の積雪が予想されるとのこと。


2022年1月19日(水)

Covid19:大臣2名が感染

昨日、中央政府の閣僚会議が行われたあと、これに出席していた2名の大臣の感染が確認された。
感染したのはディアナ・モラント科学・革新大臣とジョランダ・ディアス労働大臣で共に症状は軽く、自宅で業務を続けるとのこと。
現在、首都マドリッド市があるマドリッド州では他州に比べて感染拡大が特に悪化はしていないものの、子供達の冬休みが終わり新学期が始まって僅か10日が過ぎた現時点で、すでに隔離中の学童が3万人、感染して療養中の教師が2800名に達している。

Covid19: カタルーニャ、感染拡大続く

昨日のカタルーニャ州行政発表によると、同州におけるCovid19感染拡大には未だ衰えは見られず、過去1週間における新規陽性確認数合計は203.000名と、これまでの最多記録更新となった。
また、同じく過去1週間におけるCovid19による死亡者数は、1日平均32名に達しているとのこと。
医療の逼迫も深刻化しており、同州におけるCovid19による入院者数は前日よりも55名増の2.672名に達しており、その内の529名(前日より7名増)が重症でICUでの治療を受けているとのこと。


2022年1月18日(火)

スペインの人口、2016年以降初めての減少

国家統計局がまとめた2020年の人口推移(2021年1月のデータ)によると、2020年におけるスペインの人口は65.688名の減少となり、47.385.107名であった。
人口が減ったのは2016年以降、初めてのことである。
今回の減少率は0.14%で、10州以上、32県で減少が見られた。
人口減の大きな要因として出生数の減少が挙げられるが、前年度と比べて出生届の数が71.000件減少した。
全人口の内、スペイン国籍を有するものが41.944.959名と全体の88.5%を占めており、残り11.5%にあたる5.440.148名が外国籍在住者である。
これらの集計はスペイン国内で住民登録をしている居住者の人口であり、海外で生活するスペイン人は含まれていない。

2021年度、不動産価格1.74%の高騰

不動産業大手Fotocasaが毎年公開する不動産価格年間報告によると、2021年度には17州の内、11州で高騰が見られ、スペイン全国平均としては1.7%の値上がりとなったとのこと。
高騰率が最も大きかったのはラ・リオハの+5.4%で、これにアンダルシア(+3.9%)、バレアレス(+3.4%)、アラゴン(+3.3%)などが続いた。
また、アンダルシア、バレアレス、マドリッドの3州では6年連続での高騰となった。
スペイン国内で最も不動産価格が高くなっているのは2018年以降4年連続でマドリッド州であり、昨年まで第3位にあったバレアレスが今回初めてバスク州を抜いて第2位となった。
不動産価格が最も高いマドリッド州における平均価格は1平米あたり3.123ユーロとなっており、第2位のバレアレスでは2.890ユーロ、そしてこれにバスク(2.882ユーロ)、カタルーニャ(2.544ユーロ)が続く。
また、2021年度のスペイン全国平均は、1平米あたり1.907ユーロであった。


2022年1月17日(月)

Covid19: 感染拡大第6波、峠を越えるか

昨年の1月16日〜17日にかけて、スペイン政府は感染拡大第3波がその山を越えたとの見解を発表したが、あれからちょうど1年経つ今、同様のことが第6波について生じつつある。
まだこれについての正式な見解は発表されていないが、先週より人口10万人あたりの陽性確認数の増え方にブレーキがかかり始めており、感染拡大が続いてはいるが、その速度が弱まったのが事実とのこと。
専門家らは、今から2、3週間程度で感染拡大速度に著しい低下が見られると予測している。

Covid19: ワクチン追加接種、伸び悩み

スペインにおける対Covid19ワクチン接種率は世界的に高く、WHOからも模範国とされていたが、それは2度目の接種までのことで、追加接種となる3度目についてはその普及速度は遅く、EU諸国内でも最後尾に近い所に位置している。
追加接種を完了した人の割合は未だ僅か13.3%となっており、ヨーロッパ諸国でスペインより更に少ないのは、それぞれ6.5%にしか達していないブルガリアとルーマニアだけで、それ以外の国は、2度目までの接種率がスペインより少ないにも関わらず、3度目の接種はより進んでいる。
尚、近隣諸国における3度目ワクチンの接種率はフランス(45.3%)、ドイツ(43%)、オランダ(41.4%)、ベルギー(47%)、オーストリア(47.8%)、イタリア(32.2%)、ポルトガル(36.2%)、ギリシア(38.5%)、マルタ(54.2%)などとなっている。

サッカー: スーペルコパ・デ・エスパーニャ、レアル・マドリッドが優勝

サウジ・アラビアで行われたスペインサッカー“スーペルコパ”は、昨シーズンにおけるリーグ戦の上位2チームと国王杯における上位2チームの計4チームによって競われたが、昨夜の決勝戦はATマドリッドを下したATHビルバオ、バルサを下したレアル・マドリッドの両チームによって行なわれた。
結果はルカ・モドリッチによるゴール、カリム・ベンゼマが蹴ったペナルティーによる2得点と、ティボ・クルトゥワによるPKセーブなどにより、0-2でレアル・マドリッドの優勝となった。
これによりしばらく低迷続きだったレアル・マドリッドは、1年半ぶりのタイトル獲得となった。
尚、現在行われているリーグ戦ではレアル・マドリッドが単独トップの位置を維持しており、21試合終了時点で49ポイント、これに20試合終了時点で44ポイントのセビージャが続いており、ATマドリッドは20試合終了33ポイントで4位、バルサは20試合終了32ポイントで6位、ATHビルバオは21試合終了28ポイントで9位となっている。


2022年1月15日(土)

2021年、スペイン人の購買力が大きく低下

2021年は前年度に比べ、物価が平均3.1%の高騰を見せたが、同年におけるサラリーマンの給与上昇率は1.5%にとどまり、その差、1.6%がスペイン人の購買力の大幅な低下に繋がった。
特に影響を受けたのが低所得の若い年齢層とされる。
物価上昇率と所得増加率との間に見られる1.6%の差を平均所得(2019年度の平均年収:24.395,98ユーロ)に照らし合わせてみると、その影響は年間390ユーロと、400ユーロ近くに達しており、2020年度はインフレにより、約400ユーロの購買力を失うに至ったことになるとのこと。
これだけの急激な購買力低下は、2003年に現行のインフレ率の計算法が使用され始めて以来初めてのことである。

週末は全国的な冷え込み

スペイン気象局ではこの週末に向け、全国的な冷え込みが予測されるとして警戒を呼び掛けている。
北部山岳部以外に、カスティージャ・イ・レオン州、カスティージャ・ラ・マンチャ州、カタルーニャ州、ラ・リオハ州、バレンシア州内陸部などでも最低気温がマイナス6度程度まで下がる見込みで、特に深夜から明け方にかけて注意報が出されている。
また、バレアレス諸島、ナバーラ、バスクなどでも急激な気温低下が予想されるとして、同じく注意報が出されている。
気象局では長期予報として今月後半は寒さが続くとしているが、乾いた寒さとなり、雨や雪は少ないとしている。


2022年1月14日(金)

2021年度インフレ率6.5%

2021年度のインフレは予想値より0.2%低い6.5%に落ち着いた。
国家統計局の本日の発表によると、2021年12月末時点での消費者物価指数は前月末よりも1.2%プラス、そして前年度同時期比較では6.5%プラスとなった。
物価上昇の大きな要因として電力費の異常な高騰、食糧品、ホテル代、外食産業などの値上がりが挙げられる。
年間比較で6.5%の上昇と言うのは、過去29年における最高値である。

Covid19: ワクチン追加接種による副反応

昨日発表時点で、スペインではワクチンの追加接種を終えた人が16.448.649名に達している。
追加接種には、それ以前に受けたワクチンの種類に関わりなく全国共通でファイザー社、またはモデルナ社のワクチンが使用されており、1度目、2度目の接種時の1/2量が投与されている。
追加接種の適用時期は、これまでは2度目の接種を終えてから6カ月が経過した後とされていたが、これを1カ月早めて5カ月後以降から可能となった。
追加接種を受けたあと、これまでに報告されている主な副反応は次のとおりだが、いずれの症状も接種後2〜3日で回復することが多い。

ファイザー社ワクチンの場合:
* 接種患部付近の腫れや痛み
* 疲労感
* 頭痛
* 筋肉痛
* 関節痛
* 発熱
* 悪寒
* 不快感
* 吐き気

モデルナ社ワクチンの場合:
* 発熱
* 頭痛
* 筋肉痛
* 接種患部付近の痛み
* 不快感
* 悪寒
* 疲労感
* 吐き気
* 関節痛
* 無気力、衰弱感
* 下痢


2022年1月13日(木)

クリスマス休暇とCovid19感染拡大の影響で血液が不足

スペインでは、クリスマス休暇が終わったあと輸血用血液の蓄えが大きく減少するのは毎年見られる現象だが、今回はこの時期に合わせてCovid19の感染拡大第6波があり、これに拍車をかけることとなった。
スペイン全国の病院で保管されている血液量が激減しており、その充足が緊急課題となっている。
アンダルシアでは、血液のタイプに関わらず全ての血液型についての提供を市民に呼び掛けている。
マドリッドでもその蓄えが保管可能となっている量の50%を下回っており、特にO−、A−、B−、O+、A+の残量が緊急事態レベルに達しているとして、市民への協力を求めている。
血液を提供出来るのは18〜65歳の年令層で、体重が50キロ以上ある人とされている。


2022年1月12日(水)

Covid19: 一日の死亡者数247名

昨日発表のCovid19感染拡大状況全国集計によると、前日、月曜日の新規陽性確認数は134.942名となり、人口10万人当たりの数値はCovid19危機が始まって以来、初めて3000名ラインを突破し3042名となった。
また、同じく月曜日の死亡者数として247名が報告された。
過去2週間における人口10万人あたりの数値は州によって大きな差が見られるが、最も悪化しているのがナバーラ(7253名)、バスク(6425名)、アラゴン(5799名)、レオン(4392名)などとなっている。
Covid19重症者による全国の病院のICU使用率は、23.5%と高い数値を維持している。


2022年1月11日(火)

25歳以下の失業率、13年ぶりに30%を切る

昨日のユーロ統計局発表によると、スペインにおける若者層(25歳以下)の失業率が、昨年11月時点の統計で13年ぶりに30%を下回った。
世界規模で影響が見られた経済危機により、2008年頃からスペインの若者層における失業率は24.5%程度から悪化の一途をたどり、2013年にはそのピークを迎え、その半数以上となる55.5%にまで達した。
その後は徐々に回復してきていたが、Covid19の影響により、2020年には再び38.3%にまで悪化していた。
2021年になって再び回復に向かい、同年11月は29.2%と、13年ぶりに30%を切り、失業者数が2020年同月と比べて581.000人から493.000人へと、約10万人減少したものの、同年齢層における失業率のEU諸国平均は15.5%であり、スペインより更に高い失業率となっているのはギリシア(39.1%)のみである。
ギリシア、スペインを筆頭として、同様にEU平均値を上回っている国々はイタリア(28%)、スウェーデン(24.6%)、ポルトガル(22.4%)、スロバキア(19.5%)、フランス(17.8%)、フィンランド(17.3%)、ブルガリア(15.6%)などとなっている。

Covid19: オミクロンの感染が最大で90%以上に

昨夜発表された中央政府のCovid19感染拡大状況全国集計によると、先週末分として新規陽性確認数は292.394名が、そして新規死亡者数は202名が登録された。
これまでのスペインにおけるCovid19による死亡者数合計は、政府発表の公式記録だけでも9万人を超えている。
また、感染拡大状況の一つの指標とされている人口10万人あたりの数値も悪化を続けており、昨日発表時点で全国平均は2989.47名と3000名台が目前に迫った。
最も悪化している州はナバーラとアラゴンで、人口10万人あたりの数値が共に7000名に達しており、これにバスク(6000名)が続いている。
現在、Covid19により入院している人の数はスペイン全体で16.496名で、その内、2056名がICUでの治療を受けている。
また、Covid19患者による病床使用率全国平均は13.4%、ICU使用率は23.58%に達している。
感染拡大に直接大きな影響を与えているのがオミクロン株であり、13州からの報告によると、12月27日から1月2日までに確認された感染者の内、オミクロンによる感染であると確認された例が全体の48.7%〜90.9%と、州によっては90%を越えているところもあったとのこと。
その前の週ではこの比率が22%〜79.4%だったことからも、オミクロン株の浸透が急速に進んでいる事が判る。


2022年1月10日(月)

Covid19蔓延の中、新学期始まる

1月6日、東方三賢人の祝日でクリスマスの祭事が終了し、その後に続いた週末が明けたところで子供達の冬休みが終わり、本日より学校教育の新学期開始となる。
クリスマス休暇中にオミクロン株を中心としたCovid19の感染が爆発的に拡大した結果、子供達の登校はCovid19が蔓延する中での再開となる。
授業開始直前の週末の新規感染確認数についての正確な数字の発表はまだ無いが、幾つかの州行政からすでに出されている報告だけで、その総数は12万人以上に達している。
スペインにおける5歳〜11歳児を対象としたワクチン接種は12月15日より開始されているが、現時点で少なくとも1度目の接種を終えている子供は1.076.522名で全体の32.1%となっており、未だ3.349.276名が未接種状態での登校再開となる。

自動車業界、2022年も10万人以上を仮解雇

経済活動を完全復旧出来ない状態が長引く中、スペイン国内に17か所ある自動車工場で働く人々の生活も大きな不安に包まれている。
今年2022年には、すでにこれら工場で働く人々の内、約23.000人を対象とした仮解雇を行なう事が決定しており、これによる生産量減少による影響で、その関連業界における仮解雇の対象となる人々が多数出る事から、計10万人以上の人々が一時的に仕事を失うこととなる。
仮解雇制度は、Covid19危機により通常の経済活動が維持できなくなったことにより大規模な解雇が生じるのを防ぐために政府が打ち出したもので、一定期間の仮解雇期間を設け、その後、経済活動が復旧していればその対象となって出社していなかった社員等が元の職場に戻れると言うものだが、実際にはその後、職場復帰出来ないと言う例も多発している。


2022年1月7日(金)

スペイン、肉の輸出額は世界で5番目

地球の自然環境保護の観点から、近年、しばしば取り沙汰されている大規模畜産業だが、スペインも世界で大量の食用肉を輸出している国の一つであり、その総額は2020年には85億4100万ユーロ、2021年も70億ユーロ以上に達し、世界で5番目の肉輸出大国となっている。
2020年のデータでは世界各国が輸入した全食用肉の内、その7.1%がスペイン産のものだった。
スペインが海外へ送り出す肉の大半は冷蔵、または冷凍された豚肉で、同年、全体の62.6%を豚肉が占めた。
おもな輸出国は中国で総輸出量の37.1%を占めており、これにフランス(11.5%)、ポルトガル(7.7%)、イタリア(6.9%)、日本(5.4%)が続いた。
また、豚肉の中でも特に生ハムに加工された形での輸出については、その主要販売先となった国はフランス(輸出総額1790万ユーロ)、ドイツ(1420万ユーロ)、ポルトガル(1350万ユーロ)、アメリカ合衆国(1240万ユーロ)だった。

銀行の支店数、2008年時の半数以下に

金融関連サービスのデジタル化が進む中、スペインでは銀行の支店が次々に姿を消しつつある。
2021年9月時点で 全銀行の総支店数は20.421件となり、前年度同時期と比べると2.488軒少なく、1年間で10.86%の減少となった。
また、これまで支店数がそのピークに達していた2008年の9月と比べると、その減少率は55.72%に達しており、当時の半分以下になったことが判る。
この変化に伴い、スペイン国内では現金の出し入れを行なえない地方が増えており、2020年末時点ですでに、居住地の半径5キロ以内の地域で現金の出し入れが出来ない人の人口が120万人に達していた。
これが最も表面化しているのがカスティージャ・イ・レオン州で、サモーラ県では県民の27.8%が、アビラでは21%が、セゴビアでは19.9%が、サラマンカでは18.7%が、パレンシアでは18.2%がこの問題に直面している。


2022年1月6日(木) 主の御顕現の全国祝日です


2022年1月5日(水)

前国王フアン・カルロス1世、国外で2度目の誕生日

スペインの前国王フアン・カルロス1世は、本日、84歳の誕生日を迎えるが、2年連続で国外で祝うこととなる。
前国王は2020年8月以降、アブダビに滞在を続けており、その間、一度もスペイン国内へは足を踏み入れていない。
スペイン王室も中央政府も前国王のスペイン帰還の可能性やその時期についてはコメントを避けているが、最高裁で扱われている3件についての一定の解決が見られるまで、前国王の帰国の可能性は少ないと思われる。
現時点で最高裁検察は、サウジアラビアにおけるスペインの高速列車AVE導入時にあったと思われる収賄疑惑、メキシコの企業家アレン・サンギネス・クラウセ氏より受け取ったとされる寄付金疑惑、ジャージーでの資金運用疑惑などの3件について調査を続けている。

2022年、不動産価格は4%高騰の見通し

スペインにおける不動産業では昨年、2008年以来の活発な動きが見られた。
2021年にスペイン全国で交わされた不動産売買契約数は53万件に達しており、査定会社TINSAによると、その売買価格も全国平均4.3%の上昇が見られたとのこと。
高騰レベルには地方による格差が大きく見られ、最も大きな値上がりとなったのがビルバオで13.7%増に達し、これにマラガ(9.8%)、セビージャ(6.2%)、マドリッド(5.8%)などが続いた。
逆に値上がり幅が少なかったのがサラゴサ(0.9%)、バルセロナ(2.9%)、バレンシア(4.2%)などであった。
今年の傾向としては不動産価格は高騰を続け、更に平均4%程度の値上がりとなるとの見方が強いが、逆に賃貸価格は4%程度の値下がりになると予測されている。


2022年1月4日(火)

Covid19: 冬休み明けの授業は通常登校で

政府は、昨年末30日から1月2日までの新型コロナ感染拡大状況全国集計として、新規陽性確認数372.766名、新規死亡者数168名との報告を行なった。
年越しを挟んだこの間のデータは正確さに欠け、集計に反映されていないものも多い可能性が高く、実際にはこれよりも更に深刻な状況となっていることが予測される。
カトリック教国スペインでは、このあと1月6日の東方三賢人の祝日、そしてその後の週末を持ってクリスマス、そして子供達の冬休みが終わりとなり、1月10日より学校教育での新学期が始まるが、この時期に重なる形で、スペインにおけるCovid19の感染拡大状況はこれまでに例を見ないほど悪化している。
そう言った中で、学校教育を再びリモート形式で行なうのか、或は通常登校の形で行なうのかと言ったことが問題となっており、本日予定されている中央政府と各州行政との保健会議でこの課題についての討議が行われるが、ほとんど全ての州 から通常登校続行案が提出される見通しとなっている。

Covid19: 新型コロナ患者によるICU使用率21.18%に

オミクロン株の感染拡大により、スペインではICUの使用率が全国平均21.18%に達すると言う深刻な状況で新年を迎えることとなった。
これまで、感染拡大第5波の影響で昨年8月に21.68%に達したのが最悪の記録となっていたが、今回の第6波では間もなくこの記録を更新しようとしている。
21.18%と言うのは全国平均値をとった場合だが、州によってのばらつきが大きく、最も事態が悪化しているのはカタルーニャで40.26%と言う異常事態にまで達しており、これにバスク(30.79%)、カスティージャ・イ・レオン(28.14%)、バレンシア(25.78%)、アラゴン(25.11%)などが続いている。
逆に使用率が最も低いのはガリシアとエクストレマドゥーラで、それぞれ6.5%、6.74%にとどまっている。

2021年の新雇用776.478名

2021年の12カ月間に国の年金・健康保険制度に加入した人(一時停止後の再開を含む)の総数は776.478名となり、新型コロナによる大打撃を受けた前年度と比べて4.1%の雇用増となった。
この成長率は2005年以来の記録となる。
また同制度に登録された失業者数は前年度末より782.232名減の3.105.905名となり、2007年以来の低い数字となった。
スペイン経済は新型コロナの影響による経済危機から徐々に回復しつつあるが、これらの数字には今回のパンデミックによる経済救済政策の一環としてとられている一時的な仮休職制度や、自営業者等を対象とした経済活動停止による救済措置を受けている人々の数は含まれていない。
通常の経済活動を再開出来ずにいる企業の社員で仮休職制度の適用を受け、事実上、仕事に復帰できていない人の数は124.000人に達しており、また、新型コロナの影響で経済活動の再開が未だ不可能となっている業種に就く自営業者の数も、先月20日現在のデータでは108.178名に上っている。


2022年1月3日(月)

ペットが法的に家族の一員に

ペットを飼う人々にとっては、その存在が家族の一員であることは言うまでもないが、スペインでは今週水曜日より、ペットの権利が法的に保障されることとなる。
この新法は、民法や抵当権法など3つの法律の一部を改正したもので、先月2日に下院議会で可決された。
ペットはこれまで所有物とされてきたが、新法により感情を持った生き物として扱われる。
虐待や遺棄に対する罰則の強化はもちろんのこと、離婚や別居などで家族が離散した場合の養育権や養育費の支払い、共同養育権なども適用対象となる。
また養育権で争いが生じた場合は、飼い主の事情だけでなく、そのペットにとって最も良い環境についても考慮される。

マドリッド州、年明けから早朝までの緊急通報28%増

マドリッド州によると、年が明けた午前零時から同9時までに緊急電話番号112への通報は、夜間外出制限があった昨年のこの時間帯より28%増加した。
112が受けた通報は全部で2234件で、このうち143件が喧嘩や暴力事件で昨年比54%増加したほか、火災が75件、急性アルコール中毒が156件、交通事故が44件、その他21件となっているが、いずれも大事には至らず、比較的静かな年明けとなった。
一方、マドリッド市内では、大晦日の午後10時から元旦の午前8時までの数値が発表されており、 こちらは救急・消防・警察の出動率がコロナ以前の平年並みであったと言う。

カタルーニャで国内初のフルロナ確認

カタルーニャ州政府の保健担当官は本日会見を行い、州内で国内初となるフルロナ感染者が複数確認されたと発表した。
フルロナは、インフルエンザとコロナウィルスに同時感染する症例で、イスラエルなどでも確認されている。
同担当官によると、感染者はいずれも軽症であるという。


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